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日本ワインの中で、近年ますます国際的な評価を高めているのが、在来品種「甲州」です。アルコールは穏やかで、控えめなアロマ、そして何よりもその繊細な味わいが魅力──まさに和食文化と共鳴する存在です。 近年ではシャトー・メルシャンやグレイスワインをはじめとする造り手たちの努力が実を結び、2024年にはサントリーの「登美甲州2022」がDecanter World Wine Awardsで日本初の「Best in Show」を獲得する快挙を達成しました。
日本ワインの品質が高まり、近年では国際的なワインコンペティションでの入賞や、海外の星付きレストランでのオンリストも珍しくなくなった。だが、「世界で売れるワイン」へと進化していくには、単に味わいだけではなく、土地の個性やブランド構築の戦略が欠かせない。 今回は、シャトー・メルシャン、中央葡萄酒、マンズワインという日本を代表する造り手の事例をもとに、日本ワインが世界とどう向き合っているのか、その可能性と課題を探る。
近年、一部の日本ワインがオークション市場や二次流通で定価の数倍もの価格で取引されている──。その背景には、単なる希少性やブームを超えた「造り手の哲学」と「体験の共有」が存在する。 本稿では、長野県のふたつの注目ワイナリーを取り上げ、この“異常な現象”の核心に迫る。
米国のトランプ大統領は16日、日本との関税交渉をめぐり、25%の関税を8月1日に発動する意向を示唆した。カリフォルニアワインは値上がりし、ブルゴーニュやシャンパーニュの価格も影響を受ける可能性がある。
世界のワイン市場が依然として停滞ムードに包まれるなか、ブルゴーニュのトップ生産者によるワインが、2025年前半において数少ない明るい材料として注目を集めています。ワイン投資プラットフォーム「LiveTrade」を運営するBordeaux Indexによれば、ブルゴーニュの全体的な取引額は減少しているものの、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)など、名門生産者による銘柄には変わらず高い関心が寄せられています。
フランスのワイン業界が直面する苦境は、関係団体が「史上最も深刻な危機の一つ」と形容するほどの事態に陥っています。2025年の収穫を目前に控えた今、セラーはワインで溢れ、消費市場は飽和。生産コストの上昇、気候リスク、国際的な貿易摩擦など、さまざまな要因が重なり、特に若い生産者にとっては「壊滅的」とも言える経済状況です。 こうした中、フランス農業大臣アニー・ジュヌヴァールとワイン生産団体(AGPVや若手農家組織Jeunes Agriculteursなど)は今月会合を開き、緊急支援策の必要性を訴えました。
ワインは、ボトルに詰められた瞬間から眠るわけではありません。グラスに注がれるその瞬間まで、ワインは静かに、しかし確実に変化を続けています。とりわけ、熟成を前提に設計された高品質なワインでは、年月をかけた変化こそが最大の魅力です。今回は、その「ボトルの中の変化」を科学的視点で探っていきます。
ワイン造りにおいて「シュール・リー(Sur Lie)」という技法は、多くのワイン愛好家にとって馴染み深いものですが、実際の製法やその影響については誤解も多いようです。
ワインと魚介類の組み合わせにおいて、多くの愛好家が悩まされるのが「生臭み」。この現象は単なる感覚ではなく、科学的に解明されつつあります。今回は、メルシャンの研究をもとに、なぜこの生臭みが発生するのか、どんなワインと魚介が相性が良く、どの組み合わせで避けるべきなのかを深掘りします。
世界で最も愛される赤ワイン品種「ピノ・ノワール」。ドメーヌ・ルロワのミュジニーが一本700万円を超える時代に、7000円以下で見つかる高評価のピノ・ノワールがあることをご存じですか?ワイン・サーチャーが発表した2025年版の「最もお買い得なピノ・ノワール」をご紹介します。
今年のDWWA(Decanter World Wine Awards)でプラチナを超え、わずか0.3%の頂点に立ったのが「Best in Show」。世界57か国、18,000本以上の中から選ばれた50本は、真にグローバルな至高のセレクションです。
今年のDWWA(Decanter World Wine Awards)では、驚異の97点を獲得したワイン137本が「プラチナ」に選ばれました。出品数のわずか0.8%──選ばれし一本はまさに“選ばれし舌”を満足させる価値を持ちます。
近年のワイン界では、「自然との共生」を掲げ、極力手を加えないワイン造りが注目されています。除草剤や殺菌剤の使用を抑え、ブドウ本来の生命力と土地の個性を引き出す――そんな哲学を支える新たな選択肢が、今静かに勢力を伸ばしています。その名は「PiWi(ピーヴィー)」。
ワイン界にとって、2024年はまたも逆風の年となりました。国際ブドウ・ワイン機構(OIV)が発表したところによると、世界のワイン消費量は前年比3.3%減の2億1,400万ヘクトリットルに落ち込み、1961年以来の最低水準を記録。これは3年連続の減少であり、近年のトレンドを象徴しています。
かつてバターやポップコーンの香りが魅力とされたシャルドネは、今や“鋼のようなミネラル感”と“ピュアな酸”が主役に。世界中でワインスタイルが軽快で緊張感ある方向へとシフトする中、最も劇的に変貌を遂げたのがこの“白の女王”シャルドネです。
サロンは、メニル・シュール・オジェ村のシャルドネだけで造られる、孤高のシャンパーニュ。その醸造は、傘下のローラン・ペリエの熟練シェフ・ド・カーヴ、オリヴィエ・ヴィニュロンが指揮する。今回、ローラン・ペリエとともにその現地を訪れ、4度目となる「サロン2013」の試飲と、ラグジュアリー・シャンパーニュの裏側にある精緻な造りに触れた。
シャンパーニュと品質向上中の世界のスパークリングワインをブラインド・テイスティングで審査する「泡の戦い」(Battle of the Bubbles)がロンドン・ワイン・フェアで行われ、イングリッシュ・スパークリングワイン「ナイティンバー 1086 2010」がトップに立った。
ルイ・ロデレールは「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド」のトップに6年連続で選ばれた。2位から4位はクリュッグ、ボランジェ、ビルカール・サルモンで変わらなかった。
2025年4月、ロンドンで開催された世界最大級のワイン・コンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」において、日本を代表するワインメーカー、メルシャンとサントリーが相次いで金賞に輝き、日本ワインの確かな存在感を国際舞台で改めて印象づけました。
2025年4月、ロンドンで開かれた世界最大級のワイン・コンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」には、世界30か国以上から200人を超える審査員が集い、日本からも多数の審査員やワインが参加しました。筆者自身も今年、正式なジャッジとしてこの場に立ち、日本ワインが国際的にどう評価されているのかを肌で実感しました。
日本ワインの中で、近年ますます国際的な評価を高めているのが、在来品種「甲州」です。アルコールは穏やかで、控えめなアロマ、そして何よりもその繊細な味わいが魅力──まさに和食文化と共鳴する存在です。 近年ではシャトー・メルシャンやグレイスワインをはじめとする造り手たちの努力が実を結び、2024年にはサントリーの「登美甲州2022」がDecanter World Wine Awardsで日本初の「Best in Show」を獲得する快挙を達成しました。
日本ワインの品質が高まり、近年では国際的なワインコンペティションでの入賞や、海外の星付きレストランでのオンリストも珍しくなくなった。だが、「世界で売れるワイン」へと進化していくには、単に味わいだけではなく、土地の個性やブランド構築の戦略が欠かせない。 今回は、シャトー・メルシャン、中央葡萄酒、マンズワインという日本を代表する造り手の事例をもとに、日本ワインが世界とどう向き合っているのか、その可能性と課題を探る。
近年、一部の日本ワインがオークション市場や二次流通で定価の数倍もの価格で取引されている──。その背景には、単なる希少性やブームを超えた「造り手の哲学」と「体験の共有」が存在する。 本稿では、長野県のふたつの注目ワイナリーを取り上げ、この“異常な現象”の核心に迫る。
米国のトランプ大統領は16日、日本との関税交渉をめぐり、25%の関税を8月1日に発動する意向を示唆した。カリフォルニアワインは値上がりし、ブルゴーニュやシャンパーニュの価格も影響を受ける可能性がある。
世界のワイン市場が依然として停滞ムードに包まれるなか、ブルゴーニュのトップ生産者によるワインが、2025年前半において数少ない明るい材料として注目を集めています。ワイン投資プラットフォーム「LiveTrade」を運営するBordeaux Indexによれば、ブルゴーニュの全体的な取引額は減少しているものの、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)など、名門生産者による銘柄には変わらず高い関心が寄せられています。
フランスのワイン業界が直面する苦境は、関係団体が「史上最も深刻な危機の一つ」と形容するほどの事態に陥っています。2025年の収穫を目前に控えた今、セラーはワインで溢れ、消費市場は飽和。生産コストの上昇、気候リスク、国際的な貿易摩擦など、さまざまな要因が重なり、特に若い生産者にとっては「壊滅的」とも言える経済状況です。 こうした中、フランス農業大臣アニー・ジュヌヴァールとワイン生産団体(AGPVや若手農家組織Jeunes Agriculteursなど)は今月会合を開き、緊急支援策の必要性を訴えました。
ワインは、ボトルに詰められた瞬間から眠るわけではありません。グラスに注がれるその瞬間まで、ワインは静かに、しかし確実に変化を続けています。とりわけ、熟成を前提に設計された高品質なワインでは、年月をかけた変化こそが最大の魅力です。今回は、その「ボトルの中の変化」を科学的視点で探っていきます。
ワイン造りにおいて「シュール・リー(Sur Lie)」という技法は、多くのワイン愛好家にとって馴染み深いものですが、実際の製法やその影響については誤解も多いようです。
ワインと魚介類の組み合わせにおいて、多くの愛好家が悩まされるのが「生臭み」。この現象は単なる感覚ではなく、科学的に解明されつつあります。今回は、メルシャンの研究をもとに、なぜこの生臭みが発生するのか、どんなワインと魚介が相性が良く、どの組み合わせで避けるべきなのかを深掘りします。
世界で最も愛される赤ワイン品種「ピノ・ノワール」。ドメーヌ・ルロワのミュジニーが一本700万円を超える時代に、7000円以下で見つかる高評価のピノ・ノワールがあることをご存じですか?ワイン・サーチャーが発表した2025年版の「最もお買い得なピノ・ノワール」をご紹介します。
今年のDWWA(Decanter World Wine Awards)でプラチナを超え、わずか0.3%の頂点に立ったのが「Best in Show」。世界57か国、18,000本以上の中から選ばれた50本は、真にグローバルな至高のセレクションです。
今年のDWWA(Decanter World Wine Awards)では、驚異の97点を獲得したワイン137本が「プラチナ」に選ばれました。出品数のわずか0.8%──選ばれし一本はまさに“選ばれし舌”を満足させる価値を持ちます。
近年のワイン界では、「自然との共生」を掲げ、極力手を加えないワイン造りが注目されています。除草剤や殺菌剤の使用を抑え、ブドウ本来の生命力と土地の個性を引き出す――そんな哲学を支える新たな選択肢が、今静かに勢力を伸ばしています。その名は「PiWi(ピーヴィー)」。
ワイン界にとって、2024年はまたも逆風の年となりました。国際ブドウ・ワイン機構(OIV)が発表したところによると、世界のワイン消費量は前年比3.3%減の2億1,400万ヘクトリットルに落ち込み、1961年以来の最低水準を記録。これは3年連続の減少であり、近年のトレンドを象徴しています。
かつてバターやポップコーンの香りが魅力とされたシャルドネは、今や“鋼のようなミネラル感”と“ピュアな酸”が主役に。世界中でワインスタイルが軽快で緊張感ある方向へとシフトする中、最も劇的に変貌を遂げたのがこの“白の女王”シャルドネです。
サロンは、メニル・シュール・オジェ村のシャルドネだけで造られる、孤高のシャンパーニュ。その醸造は、傘下のローラン・ペリエの熟練シェフ・ド・カーヴ、オリヴィエ・ヴィニュロンが指揮する。今回、ローラン・ペリエとともにその現地を訪れ、4度目となる「サロン2013」の試飲と、ラグジュアリー・シャンパーニュの裏側にある精緻な造りに触れた。
シャンパーニュと品質向上中の世界のスパークリングワインをブラインド・テイスティングで審査する「泡の戦い」(Battle of the Bubbles)がロンドン・ワイン・フェアで行われ、イングリッシュ・スパークリングワイン「ナイティンバー 1086 2010」がトップに立った。
ルイ・ロデレールは「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド」のトップに6年連続で選ばれた。2位から4位はクリュッグ、ボランジェ、ビルカール・サルモンで変わらなかった。
2025年4月、ロンドンで開催された世界最大級のワイン・コンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」において、日本を代表するワインメーカー、メルシャンとサントリーが相次いで金賞に輝き、日本ワインの確かな存在感を国際舞台で改めて印象づけました。
2025年4月、ロンドンで開かれた世界最大級のワイン・コンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」には、世界30か国以上から200人を超える審査員が集い、日本からも多数の審査員やワインが参加しました。筆者自身も今年、正式なジャッジとしてこの場に立ち、日本ワインが国際的にどう評価されているのかを肌で実感しました。