
2025.06.24
シャンパーニュvs世界のスパークリング、トップは「ナイティンバー 1086 2010
シャンパーニュと品質向上中の世界のスパークリングワインをブラインド・テイスティングで審査する「泡の戦い」(Battle of the Bubbles)がロンドン・ワイン・フェアで行われ、イングリッシュ・スパークリングワイン「ナイティンバー 1086 2010」がトップに立った。
昨年のロンドン・ワイン・フェアで、ヨーロッパを代表するワインとその他の地域のワインをペアリングしてブラインド・テイスティングした「ロンドンの審判」(The Judgement of London)に続く企画で、先月19日に行われた。
スティーヴン・スパリュアの1976年の「パリスの審判」にオマージュをささげている。
マスターソムリエ協会CEOのロナン・セイバンMSとコンサルタントのサラ・アボットMWが共同で、26種のシャンパーニュと高級スパークリングワインを、8か国4大陸から集めた。
ヴィンテージ、ノンヴィンテージ、マルチヴィンテージを網羅した。品種、テロワール、熟成期間、スタイルの相関関係を考慮してワインをペアリングして、13組のペアを2フライトに分けて試飲した。
審査員はオズ・クラーク、アンソニー・ローズ、ピーター・リチャーズMWら16人。
セイバンMSはペアのどちらが優れているかに焦点を当てたり、ワインの正体を推測したり、シャンパーニュとわかっても偏見に左右されたりせずに、本来の品質で評価するよう奨励した。
最高得点のシャンパーニュは「ドン・ペリニヨン 2013」、世界で最高得点のスパークリングは「ナイティンバー 1086 2010」、最もお買い得なワインは「クラウディ・ベイ ペロリュス ロゼ」だった。
カテゴリー別では、シャンパーニュが2782点で、世界のスパークリングの2418点を15%上回った。総合優勝はシャンパーニュ。
審査員は各ワインを100点満点で採点し、各ワインの合計点と、シャンパーニュとグローバル・スパークリングの各グループの最終総合点を算出した。
ワイン1組のテイスティングにに約8分間が与えられ、テイスティングノートの提出は求められなかった。
シャンパーニュが総合優勝した一方で、1位と2位はイングリッシュ・スパークリングワインだった。シャンパーニュは3位のドン・ペリニヨンを筆頭に、トップ10に6銘柄が入った。
価格の面では、カリフォルニアのロデレール・エステート、南アフリカのグラハム・ベックが9位と10位にそれぞれ入ったのが目立つ。
トップ10のワインは以下の通り
1)2010 Nyetimber 1086 英国
2)2016 Gusbourne 51°North 英国
3)2013 Dom Perignon Champagne
2006なら弊社に在庫ございます!

ドン・ペリニヨン 2006
¥65,300 (税込)
スパークリング - 辛口ピノ・ノワール、シャルドネ
フランス/シャンパーニュ地方
4)2010 Ruinart Dom Ruinart Champagne
5)2013 Taittinger Comtes de Champagne
6)Krug Grande Cuvee 172eme Edition Champagne

クリュッグ / グランド・キュヴェ 172 エディション N.V.
7)2008 Bollinger RD Champagne
RDの在庫は無いのですが、グランダネなら!

ボランジェ / ラ・グラン・ダネ 2002
8)Egly-Ouriet V.P. Vieillissement Prolonge Champagne
9)Roederer Estate Quartet 米国
10)2019 Graham Beck Cuvee Clive 南アフリカ
試飲順のペアリング
フライト1
- Gramona, Enoteca Brut Nature, Corpinnat, Catalunya, Spain 2011 Eric Rodez, Cuvee de Crayeres, Champagne, France NV
- Bollinger, RD, Champagne, France 2008 House of Arras, EJ Carr Late Disgorged, Tasmania, Australia 2009
- Laurent-Perrier, Rose, Champagne, France NV Cloudy Bay, Pelorus Rose, Marlborough, New Zealand NV
- Ca’del Bosco, Cuvee Annamaria Clementi, Franciacorta, Italy 2016 Taittinger, Comtes de Champagne, Blanc de Blancs Brut, Champagne, France 2013
- Billecart-Salmon Cuvee Elisabeth Salmon Rose, Champagne, France 2012 Cruse Wine Co, LC18 Tradition Rose, Sonoma Coast, California, USA NV
- Graham Beck, Cuvee Clive, Western Cape, South Africa 2019 Ruinart, Dom Ruinart, Champagne, France 2010
フライト2
- Roederer Estate, Quartet, Anderson Valley, Mendocino County, California, USA NV Krug, Grande Cuvee (172eme edition), Champagne, France NV
- Agrapart, Mineral Grand Cru Blanc de Blancs Extra Brut, Champagne, France 2018 Quartz Reef, Blanc de Blancs, Bendigo, Central Otago, New Zealand 2017
- Pol Roger, Cuvee Sir Winston Churchill, Champagne, France 2018 Gusbourne, 51° North, England 2016
- Nino Franco, Rustico, Valdobbiadene, Prosecco Superiore, Veneto, Italy 2015 Egly-Ouriet, VP Vieillissement Prolonge, Grand Cru Extra Brut, Champagne, France NV
- Weingut Karthauserhof, Karthauserhof Brut, VDP Sekt, Ruwer, Germany NV Drappier, Quattuor, Blanc de Blancs, Champagne, France NV
- Recaredo, Turo d’en Mota, Corpinnat, Penedes, Spain 2011 Roederer, Philippe Starck, Brut Nature, Champagne, France 2015
- Dom Perignon, Champagne, France 2013 Nyetimber, 1086 Prestige Cuvee, West Sussex, England 2010
26種のワインリストを眺めると、選定した2人のきめ細かい目配りとバランスの良さが印象に残る。コルピナットのグラモナ、マイケル・クルーズのトラディション・ロゼ、セントラル・オタゴのクォーツ・リーフ、レカレドのカバなど、レストランでブラインドで出されたら、驚きと発見の多い銘柄が含まれている。
ゴードン・ラムゼイ・グループのヘッド・ソムリエを務めたセイバンMSは、英国の名門ホテルグループなどのワイン部門の責任者を務め、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードのコ・チェアやマスター・ソムリエ協会の審査員も務めている。
市場が求める最新のワインリストを作っているソムリエ。
日本にはいない。世界のトップを行く人材だ。
今回のリストには目の肥えた愛好家やプロを相手に英国で活躍するマスター・ソムリエとマスター・オブ・ワインのセンスが光っている。
日本に増えているブラインド・テイスティングの愛好家や選手には格好の訓練材料となるだろう。