クレマン・ド・ボルドーの品種|メルロー・セミヨン
クレマン・ド・ボルドーで用いられるメルローとセミヨンの特徴、製法、テイスティング、料理との味わいの同調・補完まで解説します。
クレマン・ド・ボルドーの概要
クレマン・ド・ボルドーはボルドー地域で造られるスパークリングワインの呼称で、アペラシオンとして保護されています。シャンパーニュとは異なり、生産規模や許容品種、熟成規定が異なりますが、品質志向のクレマンは多くの場合、瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル)を採用し、澱抜きを経ることで複雑さを獲得します。クレマンのスタイルはブラン(白)、ロゼ、場合によっては色調の濃いものまで幅があり、使用するブドウ品種や製法で表情が大きく変わります。
代表品種:メルローとセミヨン
メルロー(黒ブドウ品種)の特徴
メルローは黒ブドウ品種で、クレマンに用いると果実味と柔らかな口当たりをもたらします。赤系果実やベリーのニュアンスを感じさせ、酸とタンニンのバランスが取りやすいため、ロゼや色味のあるクレマンで存在感を示します。泡との相性では果実の甘みが泡の繊細さと同調し、飲み心地を滑らかにします。
セミヨン(白ブドウ品種)の特徴
セミヨンは白ブドウ品種で、ワインに丸みとボリュームを与えます。熟すとハチミツやナッツに近いニュアンスを帯びることがあり、クレマンではクリーミーなテクスチャーや長めの余韻を作る役割を果たします。メルローの青みを抑え、全体の構成を整えるブレンド要素として有用です。
| 品種 | 分類 | クレマンでの役割 | 味わいの特徴 |
|---|---|---|---|
| メルロー | 黒ブドウ品種 | 果実味と柔らかさを与え、ロゼや構成の骨格を支える | 赤系果実、滑らかな口当たり、穏やかなタンニン |
| セミヨン | 白ブドウ品種 | ボリュームと丸みを付与し、長い余韻を作る | 蜂蜜やナッツを思わせるニュアンス、クリーミーな質感 |
製法とスタイル
クレマン全般においては複数の製法が使われます。代表的な三方式は次の通りです。瓶内二次発酵はきめ細かい泡と熟成由来の複雑さを生み、タンク内二次発酵は果実味のフレッシュさを保ちます。簡便なスタイルでは炭酸ガス注入が用いられます。
- 瓶内二次発酵: メトード・トラディショネル、澱抜きを経る。
- タンク内二次発酵: シャルマ方式、フレッシュな果実味を保つ。
- 炭酸ガス注入: ガス注入法。手早く泡を付ける方法。
クレマン・ド・ボルドーでは品質志向の生産者がメトード・トラディショネルを採用することが多く、瓶内での澱と接触する時間を設けることで、セミヨン由来の厚みやメルロー由来の果実香に複雑さが加わります。澱抜き(デゴルジュマン)後にドサージュを行い、甘辛度を調整して出荷します。
甘辛度表示
| 表記 | 残糖量(g/L) |
|---|---|
| ブリュット・ナチュール | 0-3 |
| エクストラ・ブリュット | 0-6 |
| ブリュット | 0-12 |
| エクストラ・ドライ | 12-17 |
| セック | 17-32 |
| ドゥミ・セック | 32-50 |
| ドゥー | 50以上 |
テイスティングとサービス
クレマン・ド・ボルドーは冷やして供し、香りや泡立ちを楽しみます。温度やグラスの選び方で印象が変わるため、用途に応じたサービスが大切です。
- 適温: 6〜10℃。ブランはやや低め、ロゼや果実味が強いタイプはやや高め。
- グラス: フルート型 or チューリップ型。香りの広がりを意識して選ぶ。
- 注ぎ方: 静かに注ぎ、泡立ちを観察して楽しむ。
料理との組み合わせ
メルロー主体のロゼ調クレマンは肉や香ばしい料理と味覚の同調・補完が得意です。セミヨン主体のブランはクリーミーな魚介やリッチな前菜と同調し、酸味が魚介の風味を引き立てる場面もあります。以下は具体例です。
- 生牡蠣や白身魚のカルパッチョ: セミヨン主体のブランと酸味が風味を引き立てる。
- 揚げ物(天ぷら、フライ): 泡のシャープさが油の重さをリフレッシュして補完する。
- 鶏や豚のグリル: メルローの果実味と香ばしさが同調する。
- チーズ(白カビやフレッシュ系): セミヨンの丸みがチーズのコクと同調する。
よくある質問
クレマン・ド・ボルドーのラベルを見る際は、製法(瓶内二次発酵=メトード・トラディショネルの表記など)、甘辛度表示、使用品種の記載をチェックするとスタイルの把握に役立ちます。生産者や熟成期間で味わいは変わるため、気になるワインは味の傾向に注目してみてください。
まとめ
- メルローは黒ブドウ品種として果実味と柔らかさを与え、ロゼや構成の骨格に働きかける。
- セミヨンは白ブドウ品種として丸みとボリュームをもたらし、クリーミーな質感や長い余韻を支える。
- 製法は味わいを決める重要要素で、瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル、澱抜きを経る)を採用することで複雑な風味ときめ細かい泡が生まれる。
関連記事
- スパークリングワイン
クレマン・ド・ロワールおすすめ10選|爽やかな味わい
ロワールのクレマンを初心者向けに解説します。製法やスタイル、選び方と用途別おすすめ10選、ペアリングや楽しみ方まで丁寧に紹介します。
- スパークリングワイン
クレマン・ド・ボルドーとは|ボルドーの泡
クレマン・ド・ボルドーはボルドーの法的に保護・規定された原産地呼称によるスパークリング。瓶内発酵の繊細な泡が魅力です。
- スパークリングワイン
クレマン・ド・ボルドーおすすめ5選|リッチな味わい
クレマン・ド・ボルドーの魅力と選び方、製法の違いを解説し、リッチな味わいのおすすめ5選とペアリングを紹介します。初心者にも分かりやすくまとめました。