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パイスとは|チリ最古のブドウ品種

パイスとは|チリ最古のブドウ品種

パイスはチリに伝わる最古級の黒ブドウ品種。軽やかな果実味と素朴な酸を持ち、郷土料理と味覚の同調・補完を生むワインです。入手難易度や代替品も解説します。

パイスの基本情報

項目内容
タイプ黒ブドウ品種
主な産地チリ(伝統的にマイポやコキンボなどの古木)
味わいの傾向ライト〜ミディアムボディ、赤系果実、土っぽさ、程よい酸
グラスチューリップ型グラス
希少度・入手性(日本)やや入手困難。専門店や輸入商で見つかることが多い

パイスの起源と歴史

パイス(Pais、スペイン語ではPaísまたはListán Prietoとして知られる)は、16世紀のスペイン植民地期にスペインから南米へ持ち込まれたとされる黒ブドウ品種です。DNA解析により、Listán Prietoと同一系統であることが示され、チリやメキシコ、カリフォルニアの

伝統的な植え付けは植民地時代のミッション用や家庭用ワインに由来します。系統や起源に関する研究はワイン学の総合的なまとめである『Wine Grapes』(J. Robinson, J. Harding, J. Vouillamoz, 2012)に詳述されており、UC Davisの研究者らによるDNA解析も本系統の同定に寄与しています(出典: Wine Grapes, J. Robinson et al., 2012 / UC Davis研究)。

栽培面積と産地の特徴

現代のチリでは、パイスは主要産地の主力品種ではありません。広域で再植樹が進んだ結果、栽培面積は伝統的なレベルにとどまる傾向があります。栽培面積や動向はOIV(国際ブドウ・ワイン機構)の年次統計やチリの農業統計で把握できます(出典: OIV年次統計 / チリ農業統計)。

産地限定性の理由としては、かつて植えられた古木が地域文化に根ざしている一方で、収量や市場性の面からカベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種へ置換された歴史があります。そのためパイスは主に伝統的な小規模畑や地元向け生産に残る傾向があります(出典: Wine Grapes, J. Robinson et al., 2012 / チリ産地研究)。

味わいとテイスティングの特徴

香りと味わいの傾向

パイスは一般にライトからミディアムボディで、赤系果実(チェリー、ストロベリー)や軽い土っぽさ、時にスパイスや野性味を感じます。タンニンは穏やかで、酸味がほどよく残るタイプが多いです。若飲みでも楽しめる一方で、ローカルな造り手によっては古木由来の複雑味が出るものもあります。

サービスとグラス

軽快さを生かすため、チューリップ型グラスでサーブすると果実香がまとまりやすく、酸味と果実味のバランスが感じやすくなります。冷やし過ぎは香りを閉じるため、やや冷たい程度(軽く冷やす)で提供するのが良いでしょう。

料理との相性(ペアリング)

パイスは素朴な酸と軽やかな果実味が特徴のため、郷土料理や家庭料理とよく合います。ペアリングでは「味覚の同調・補完」の観点で考えると効果的です。

  • 鶏の煮込み料理 — 味覚の同調・補完:酸味が脂の重さをリフレッシュし、果実味が料理の甘みと響きます
  • シーフードパエリア — 味覚の橋渡し:海の風味とトマトの風味をワインがつなぎます
  • タコのグリルやサラダ — 味覚の同調:軽い酸が魚介を引き立てます

希少品種としての入手性と代替案

日本でのパイスは専門の輸入業者やワインショップで見つかることが多く、一般のスーパーでの流通は限られます。入手難易度は「やや入手困難」。数は少ないものの専門店やオンラインで稀に取り扱われています。

代替提案:入手しやすく、似た味わいを楽しめる品種としてガメイとグルナッシュを挙げます。ガメイは軽やかな赤系果実と柔らかなタンニンが特徴で、パイスの雰囲気に近いです。グルナッシュは暖かい産地で果実味が豊かになり、料理との相性も良好です。

よくある質問

  • パイスはどんな料理に合いますか? — 日常の煮込みや焼き物、トマトベースの料理と相性が良く、味覚の同調・補完が働きます。
  • 長期熟成できますか? — 一般的には早飲み向けが多く、長期熟成よりも若いうちのフレッシュさを楽しむスタイルが中心です。
  • どこで買えますか? — 専門のワインショップや輸入商、オンラインショップで取り扱いがあります。

出典・参考:Wine Grapes(J. Robinson, J. Harding, J. Vouillamoz, 2012)、UC Davisのぶどう研究、OIV年次統計、チリの産地研究資料。歴史的・系統情報は特に『Wine Grapes』を参照しました(出典: Wine Grapes, J. Robinson et al., 2012 / UC Davis研究 / OIV年次統計)。

まとめ

  • 歴史ある黒ブドウ品種で、スペイン由来のListán Prieto系統に由来する(出典: Wine Grapes, J. Robinson et al., 2012 / UC Davis研究)。
  • 味わいはライト〜ミディアムボディで赤系果実と程よい酸が特徴。チューリップ型グラスで香りがまとまりやすい。
  • 日本ではやや入手困難。代替としてガメイやグルナッシュが似た雰囲気を楽しめる。

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