トカイ・アスーの等級|プットニョシュとは
トカイ・アスーの等級「プットニョシュ」をわかりやすく解説します。由来やラベルの読み方、製法のポイント、飲み方とペアリングまで初心者向けにまとめました。
トカイ・アスーとは
トカイ・アスーはハンガリー北東部トカイ地方で造られる貴腐ワインです。貴腐菌(Botrytis cinerea)によって凝縮したブドウを用いることで、凝縮した糖分と複雑な風味が生まれます。デザートワインに分類され、その甘さと酸が調和したバランスが特徴です。なお、酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)とは製法が異なり、トカイ・アスーは一般にブランデー添加で甘さを出すわけではありません。酒精強化ワインとは、発酵中または発酵後にグレープスピリッツを添加してアルコール度数を高めるワインの総称で、添加のタイミングで残糖や味わいが変わります(発酵中添加で甘口、発酵後添加でドライ)。
プットニョシュの意味と由来
プットニョシュ(puttonyos)は伝統的にアスー果を収めた“プットニョシュ”という容器を基にした表示で、ラベル上の数字はその容器の数に相当します。簡潔に言えば、プットニョシュの数が多いほどアスー果の量が多く、ワインはより濃厚で甘く感じられます。歴史的な表示と現代の表示規定は一致しない場合があるため、ラベルや生産者情報で製法や甘さの目安を確認することが大切です。
等級の見方とラベルの読み方
ラベルで注目する点は「Aszú」「Aszú Eszencia」「Eszencia」「Aszú + 数字」などの表記です。Aszúと明記されたものは貴腐果を使用したワインを指し、数値表記があれば甘さや濃さの目安になります。生産者や表示規定により表記が異なることがあるため、購入前に生産者の説明を読むと選びやすくなります。
| 等級表示 | 甘さの目安 | おすすめのシーン |
|---|---|---|
| 低めの等級(例: 低い表示) | やや控えめな甘さ、デザートの前菜向き | 果物や軽めの菓子と合わせる |
| 中間の等級(例: 中間表示) | しっかりした甘さ、デザート向き | タルトやフルーツソースのデザートと同調 |
| 高めの等級(例: 高い表示) | 非常に濃厚で甘い、食後酒向き | 焼菓子や濃厚なデザート、数種のチーズと補完 |
| エサンツィア(Eszencia) | 極めて高糖度で極甘口 | ごく少量をデザートやシガーとともに楽しむ |
製法のポイント
アスー果の扱い
成熟したブドウが貴腐菌により乾燥して凝縮したアスー果は、手摘みで選別されます。選別したアスー果はそのままペースト状にして、ベースとなるワインやマスト(果汁)に加え、一定時間浸漬・醸しを行います。この工程でブドウの糖と香り成分が溶け出し、独特の濃厚さが生まれます。
発酵と熟成の特色
アスー由来の糖分は高いため発酵はゆっくり進みます。結果として残糖が多く残り、甘口のプロファイルになります。熟成では樽やステンレスを併用し、酸と甘さのバランスを整えます。なお、前述のとおりトカイ・アスーは通常、酒精強化(スピリッツ添加)で甘さを出すタイプではありません。シェリーやポートのような酒精強化ワインは、添加のタイミングや熟成方法で味わいが異なる点を比較すると理解が深まります。シェリーは産膜酵母フロールやソレラ・システムを特徴とし、ポートは発酵途中でグレープスピリッツを添加して残糖を残す製法が特徴です。
飲み方とペアリング
サービス温度は冷やしすぎない程度が良く、10〜14℃程度が目安です。グラスはチューリップ型グラスのような、香りを閉じすぎず広がりを楽しめる形が向きます。量は少量ずつゆっくり楽しむのが基本です。ペアリングでは「味覚の同調・補完」の観点で考えると合わせやすいです。例えば、濃厚な甘さは塩気のあるチーズと補完し合い、酸味のあるタイプは脂の重さをリフレッシュします。焼菓子やフルーツタルト、ブルーチーズ、フォアグラ風の前菜などが定番です。
選び方のポイント
- ラベルにあるAszúやEszencia表記を確認する
- プットニョシュ表記や生産者の説明で甘さの目安を把握する
- 少量ボトルや試飲で自分の好みを確かめる
まとめ
- プットニョシュは伝統的にアスー果の量で甘さの目安を示す指標で、数字が大きいほど濃厚で甘く感じられる。
- トカイ・アスーは貴腐により糖が凝縮して生まれるデザートワインで、通常は酒精強化で甘さを作るタイプではない。
- ラベル表記(Aszú、Eszencia、数値など)と生産者情報を確認して、自分に合う甘さや飲み方を選ぶとよい。