赤ワインがコルク臭い|ブショネとは?
赤ワインが「コルク臭い」原因は多くの場合ブショネ(TCA)。見分け方、購入時の回避策、保存と対処法を具体的に解説します。
ブショネとは?
ブショネはワインが「湿った段ボール」「カビっぽい新聞紙」「地下室のような匂い」を帯びる現象です。原因物質の多くは2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)で、天然コルクそのもの、またはワイナリーや貯蔵環境から微量に移ることがあります。TCAはごく微量でも検出されるとワインの果実味やアロマを覆い隠します。
原因と発生メカニズム
TCAは塩素化されたフェノール類と微生物が反応して生成されることが多く、古いコルクや処理されていないコルク、またはワイナリー設備の汚染が原因となります。天然コルクの中にはTCAが残留する場合があり、近年ではDIAM処理やスクリューキャップ、合成コルクの採用でリスク低減が進んでいます。
嗅覚閾値と発生率(出典)
TCAの嗅覚閾値は個人差がありますが、一般的に数ng/L(ナノグラム/リットル)レベルとされます(出典: UCデービス ワイン科学関連文献)。天然コルク由来のブショネ発生率は研究や地域で差がありますが、1〜5%程度と報告されることが多いです(出典: OIV 各種報告・ワイン研究) 。
見分け方とその場での対処法
家やレストランでの簡単チェック
- グラスに少量注ぎ、鼻を近づけて香りを確認。湿った段ボール、カビ、新聞紙、埃っぽさが強ければブショネの可能性が高い。
- ワインの果実香(チェリー、カシス、プラム等)がほとんど感じられず、香りが平坦なら要注意。
- レストランでは提供スタッフに伝え、同じボトルを別のグラスに注いで香りを再確認してもらう。
対処の優先順位
- 購入店やワイナリーに連絡して交換・返金を依頼する。多くの専門店や輸入元は対応してくれます。
- レストランでは新しいボトルを開けてもらう。開封済みの場合は別のボトルへの切替えを求める。
- 少し気になる程度で、強めの料理(熟成チーズや濃い赤身肉)と合わせるとワインの風味が味覚の同調・補完により気になりにくくなる場合がある。ただしTCA自体は除去できないため根本解決にはならない。
選び方・購入時の注意
クロージャー(栓)の選択
コルク臭リスクを避けたいなら、スクリューキャップ、合成コルク、DIAM処理された天然コルクといったクロージャーを選ぶのが有効です。ニュージーランド(マールボロ)やオーストラリア、チリの中にはスクリューキャップ採用が多い生産者があり、デイリー〜2,000円台のワインでも見つかります。
購入先と価格帯の目安
- 信頼できる専門店や評価の高いインポーターから購入する。流通管理がしっかりしている店の方が問題対応がスムーズ。
- デイリー向け(1,500〜3,000円)でもスクリューキャップ品や管理の良い輸入元を選べば安心。
- ギフトや長期保存を考える場合は、クロージャー情報を確認して天然コルクでもDIAM処理等の表示があるものを選ぶ。
楽しみ方・保存の実践的アドバイス
保存温度と湿度
長期保存は温度を一定に保つのが重要です。目安として貯蔵温度は約12℃前後、湿度は60〜75%程度が望ましいとされています(出典: 日本ソムリエ協会)。家庭ではワインセラーや冷蔵庫の専用ゾーンがあると安心です。
提供温度とグラス
赤ワインの温度はワインのスタイルで変えます。ライトボディは12〜14℃、ミディアムボディは14〜16℃、フルボディは16〜18℃が目安です(出典: 日本ソムリエ協会)。グラスはチューリップ型グラスやバルーン型グラスを使うと香りが立ちやすいです。
トラブル・よくある疑問
デカンタや時間で改善しますか
ブショネはワイン全体に行き渡るため、デキャンタや空気に触れさせても根本的には改善しません。軽度のマスクは起きる場合がありますが、TCA自体を除去する方法は家庭ではほぼありません。
健康への影響はありますか
TCAは嗅覚や味覚を損なうが、通常の検討範囲では健康被害を引き起こす物質とはされていません。味や香りが不快な場合は飲まずに交換を求めるのが妥当です。
具体的なケース別アドバイス
- スーパーで購入したデイリー品:まずは購入店で返品・交換。購入時のレシートやボトルの写真を用意しておくと手続きがスムーズ。
- 飲食店で提供されたボトル:スタッフに伝えて別ボトルに交換してもらう。多くの店はすぐに対応する。
- ギフトで受け取った場合:購入元に連絡して返品・交換の相談。贈り主に状況を伝えると配慮が得られやすい。
参考:見分けるための簡易表
まとめ
- ブショネは主にTCAが原因で、湿った段ボールやカビのような香りが特徴。検出閾値はng/Lレベル(出典: UCデービス等)。
- 購入時はスクリューキャップやDIAM処理のコルクを検討し、専門店や信頼できる輸入元から買うと対応が楽。価格帯はデイリー(1,500〜3,000円)でも対策品が多い。
- 見つけたらまず交換・返金を依頼。デキャンタでの根本解決は期待できないが、強めの料理と合わせると味覚の同調・補完で気になりにくくなる場合がある。
出典: UCデービス ワイン科学関連文献、OIV各種報告、及び日本ソムリエ協会のサービステンプレート(提供温度・保存条件)を参照。