赤ワインFAQ5分で読める

赤ワインの沈殿物は何?|飲んでも大丈夫?

赤ワインの沈殿物は何?|飲んでも大丈夫?

赤ワインの瓶底に見える白や茶色の沈殿物は多くが無害な酒石や澱です。種類別の見分け方、購入時の注意、デキャンタや保存の実践的な対処法を具体的に解説します。

沈殿物とは何か

沈殿物は大きく分けて「酒石(酒石酸塩)」「澱(オリ)」「酸化や長期熟成によるフェノールの重合物」の3種類が多く見られます。酒石は白い結晶でボトル内で出ることがあり無害です。澱は酵母やタンニン由来の褐色の粒で、長期熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンやネッビオーロ(バローロ)など黒ブドウ品種主体のワインでよく見られます。酸化が進んだ場合は風味が落ちるため飲用を避けた方が良いことがあります。

どのワインに沈殿が出やすいか

主に長期熟成タイプや無濾過(アンフィルター)表記のワインに沈殿が出やすいです。具体的には長期熟成のボルドー(カベルネ・ソーヴィニヨン主体)、バローロ(ネッビオーロ)、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(サンジョヴェーゼ)などで見られます。一方、若いメルローやピノ・ノワール、チリやスペインのデイリーワイン(1,000円台〜2,000円台)は沈殿が少ない傾向です。

購入時の選び方・見分け方

ラベルと産地での判断

ラベルで「無濾過(アンフィルター)」や「長期熟成」「ヴィンテージ」の表記があるものは、沈殿が出る可能性が高くなります。産地ではボルドー、ピエモンテ、トスカーナの長期熟成系が該当します。初めてで沈殿を避けたいなら、チリやスペインの若いメルロー、ピノ・ノワールなど、1,000円台〜2,000円台のデイリーワインを選ぶと良いでしょう。

店頭でできるチェック方法

  • 瓶を立てた状態で光にかざして澄み具合を確認する。
  • ヴィンテージ(年号)が古いボトルは沈殿の可能性が高いことを念頭に置く。
  • 店員に「沈殿がありますか」と確認する。古酒はデキャンタして出してくれる店もある。

楽しみ方・保存方法

開栓前の準備(実践的)

沈殿を避けたい場合は開栓前にボトルを直立で24〜48時間保管すると沈殿が底に落ち着きます。長期熟成ワインを買ったら、少なくとも数時間は立てておくのが実践的です。

デキャンタと注ぎ方(実践手順)

  • ボトルを直立のままライトやろうそくの光にかざす。
  • コルクを抜いたらゆっくりと静かにデキャンタに注ぐ(ボトルの口に向けて一定の速度で)。
  • 沈殿が近づいたら注ぐのを止め、残った液は使わない。

デキャンタによる空気接触は若いワインの開くスピードを早め、長期熟成ワインでは香りの複雑さを引き出します。若いフルボディ(例: カベルネ・ソーヴィニヨン系)は1〜2時間のデキャンタを推奨することが多く、古い繊細なワインは15〜60分を目安に短めにします(出典: 日本ソムリエ協会)。

保存温度と開栓後の扱い

赤ワインの適温保存は概ね12〜16°Cが理想とされます。提供温度はライトボディで13〜15°C、ミディアムボディで14〜16°C、フルボディで15〜18°Cが目安です(出典: 日本ソムリエ協会)。開栓後はバキュームポンプや窒素ガススプレーを使うと酸化を遅らせ、冷蔵庫で保存すれば3〜5日程度風味を保ちやすくなります(出典: 日本ソムリエ協会)。

トラブル・疑問への対処法

沈殿は害があるか

ほとんどの場合、沈殿は無害です。ただし口当たりがざらついたり、渋みが和らぐどころか強く感じることがあるため、飲む前に除くかデキャンタで分けるのが実用的です。

味がおかしい・カビ臭がする場合

コルク臭(TCA)や明らかにカビ臭、酢酸のような強い酸味がある場合は品質不良の可能性が高く、摂取を避けて購入店へ相談してください。これは沈殿とは別の問題です。

すぐにできる実践的な対処法

  • 開栓前に24〜48時間立てる。
  • デキャンタやコーヒーフィルターで漉す(フィルターを使う場合はゆっくり注ぐ)。
  • 残りは冷蔵庫保存し、バキュームで密封して3〜5日以内に飲み切る(出典: 日本ソムリエ協会)。
  • 明らかに異臭・異味がある場合は購入店に相談する。
種類見た目・特徴対処法
酒石(酒石酸塩)白〜透明の結晶。舌でざらつきを感じる。無害。気になる場合は漉して除去。
澱(オリ)茶色や黒っぽい粒。長期熟成ワインに多い。デキャンタで注ぎ分ける。残りは捨てる。
酸化・劣化由来の沈殿香りが弱く、酸や揮発性の強い匂いがすることがある。飲用を避け、購入店へ相談。

まとめ

  • 沈殿物は多くの場合無害で、酒石や澱が主な正体。気になる場合はデキャンタや漉しで除く。
  • 長期熟成の黒ブドウ品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ等)や無濾過ワインで沈殿が出やすい。初心者はメルローやピノ・ノワール、1,000円台〜2,000円台の若いワインが扱いやすい。
  • 開栓前は直立で24〜48時間、保存は12〜16°C、提供温度はライト13〜15°C〜フル15〜18°Cが目安。開栓後はバキュームや冷蔵で3〜5日を目安に(出典: 日本ソムリエ協会)。

出典: 日本ソムリエ協会(サービス温度・デキャンタ時間・開栓後の保存に関する推奨)。

関連記事