プロセッコ・トランキッロとは|スティルワイン
プロセッコ・トランキッロは発泡を伴わないプロセッコのスタイルです。グレーラ主体で造られ、フレッシュな果実味を生かしたスティルワインとして楽しめます。
プロセッコ・トランキッロとは
プロセッコ・トランキッロは、一般にグレーラ主体のセパージュで造られる白ワイン分類の一つで、瓶内やタンク内での二次発酵を行わないため、スティルワイン(静かなワイン)に分類されます。イタリアの規格ではプロセッコ(D.O.C.やD.O.C.G.など)として認められた産地規定の下で、スパークリングだけでなくトランキッロとしての流通もあります。名前の「トランキッロ」は「静か」を意味し、泡立ちがほとんどないか極めて弱いスタイルを指します。
基本情報とスタイル
味わいの傾向はフレッシュな果実味が中心で、柑橘や青りんご、白い花の香りが感じられることが多いです。アルコールや熟成の度合いによっては、より豊かな果実感やほのかなハーブ感が現れます。通常は軽やかなライトボディからミディアムライトの範囲に位置します。プロセッコ・トランキッロは冷やして飲むと果実味が際立ち、前菜や軽い魚料理と相性が良いスタイルです。
- 主な品種はグレーラ中心(単一またはブレンド)
- 二次発酵を行わないスティルワイン
- フレッシュで爽やかな果実味が主体
- 軽快な飲み口で日常向きにも使いやすい
製法と技術の違い
プロセッコ全般の製法を理解すると、トランキッロの位置づけが明確になります。スパークリングのプロセッコは主にシャルマ方式(タンク内二次発酵)で造られますが、トランキッロは二次発酵を行わず、一次発酵後に発泡を抑えて瓶詰めします。以下の表は代表的な製法の違いを整理したものです。
| 製法 | 正式名称/通称 | 説明 |
|---|---|---|
| 瓶内二次発酵 | メトード・トラディショネル | 瓶内で二次発酵を行い、澱抜きを経る方式。きめ細かい泡と複雑な熟成香が特徴(主にシャンパーニュ等)。 |
| タンク内二次発酵 | シャルマ方式 | 大型タンクで二次発酵を行い、フレッシュな果実味を保つ方式。プロセッコの多くがこの方式で造られる。 |
| 炭酸ガス注入 | ガス注入法 | 完成したワインに炭酸を注入する方法。軽い発泡を手軽に与える際に用いられる。 |
甘辛度表示とトランキッロの立ち位置
甘辛度表示は主にスパークリングワインで見られる表記ですが、糖分の違いはスティルタイプのワインにも影響します。以下の表は甘辛度の目安です。トランキッロは通常辛口寄りから中程度の甘さで造られることが多く、果実味の印象を重視するため極端な甘口は少ない傾向があります。
| 表記 | 残糖量(g/L) |
|---|---|
| ブリュット・ナチュール | 0-3 |
| エクストラ・ブリュット | 0-6 |
| ブリュット | 0-12 |
| エクストラ・ドライ | 12-17 |
| セック | 17-32 |
| ドゥミ・セック | 32-50 |
| ドゥー | 50以上 |
味わいと香りの特徴
トランキッロは発泡を伴わないため、泡による香りの拡散が抑えられます。その結果、果実や花の繊細なニュアンスがよりストレートに感じられることが多いです。酸味は程よく、果実味とのバランスで軽やかな印象を与えます。樽熟成を受けるタイプは少数ですが、そうしたスタイルでは豊かなコクやバニラ、トーストのニュアンスが加わります。テイスティングする際は香りの立ち方と酸の質感に注目すると良いでしょう。
合わせる料理と楽しみ方
プロセッコ・トランキッロは軽やかな料理との相性が良く、食事の幅が広がります。ここでは味わいの相性を「味覚の同調・補完」という表現で整理します。
- 前菜やサラダ:ワインの酸味が野菜のフレッシュさと同調する
- 白身魚やカルパッチョ:果実味が魚介の甘みを補完する
- 軽めのパスタやリゾット:全体のバランスを崩さず料理と同調する
- フレッシュチーズ:ワインの酸味がチーズのコクを補完する
サービングではしっかり冷やすと果実味が引き立ちます。グラスはフルート型でもチューリップ型グラスでも楽しめます。フルート型は清涼感と果実のシャープさを感じやすく、チューリップ型グラスは香りの広がりを楽しみやすい選択です。
選び方と保存のポイント
選ぶ際はラベルのセパージュ表記や生産地域、製法表記を確認するとよいでしょう。軽快な果実味を求めるならステンレスタンク主体で造られたものを、少し厚みを欲するなら一部樽熟成を行う生産者のものを探してみてください。保存は冷暗所で立てて保管するのが基本です。開栓後は酸化を防ぐため速やかに飲むことをおすすめします。
まとめ
プロセッコ・トランキッロは、プロセッコの中でも発泡を持たないスティルワインで、フレッシュな果実味を素直に楽しめるスタイルです。製法や甘辛度を理解すると、料理との組み合わせや選び方が明確になります。日常の食卓に気軽に取り入れられるワインとして、前菜や軽い魚料理と合わせると相性が良いでしょう。
- プロセッコ・トランキッロは二次発酵を行わないスティルワインである
- 製法によりシャルマ方式のスパークリングと区別され、果実味が中心になる
- ペアリングは味覚の同調・補完を意識し、前菜や白身魚、軽いチーズとよく合う