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オレンジワインの色の秘密|なぜオレンジ色になるか

オレンジワインの色の秘密|なぜオレンジ色になるか

オレンジワインの色は白ブドウの果皮接触(マセラシオン)で抽出されるフェノールや酸化の影響で生まれます。製法と味わい、合わせ方を初心者向けに解説します。

オレンジワインとは

オレンジワインは白ブドウ品種を用いながら、赤ワインのように果皮や種と接触させて醸すスタイルです。英語ではアンバーワインとも呼ばれます。果皮接触(マセラシオン)により色素やフェノール成分が抽出され、香りや味わいに複雑さが加わります。専門用語は初出時に説明すると、マセラシオンは果皮・種子・茎などと果汁を接触させる工程を指します。

色が生まれる仕組み

果皮からの抽出とフェノール類

白ブドウの果皮にはタンニンやフェノール類、カロテノイドなど色素が含まれます。果皮を長時間浸すと、これらが果汁に移り、色が濃くなります。接触時間が短ければ薄い金色、長ければ琥珀色やオレンジ色に近づきます。また、果皮の種類や成熟度により抽出される成分の質も変わります。

酸化と色の変化

果皮接触中や熟成中に空気と触れると、ワイン中のフェノールが酸化されて色が濃く、琥珀がかったトーンになります。酸化は香りや味わいにも影響を与え、ナッツやドライフルーツのニュアンスが増すことがあります。酸化を抑える管理をすると比較的明るい色調が残ります。

要素色への影響風味への影響
果皮接触時間短い→淡色、長い→濃色短い→柑橘系、長い→スパイスやタンニン
果皮の成熟度未成熟→淡色〜緑がかった色、完熟→暖色系未成熟→青さ、完熟→熟した果実味
酸化管理酸化させると琥珀色にナッツ系やドライフルーツの香りが増す
発酵温度・容器高温・樽→濃くなる傾向樽由来の香りや厚みが増す

醸造のバリエーションがもたらす色と味

マセラシオンの方法と時間

マセラシオンはコールドマセラシオン(低温)や常温での浸漬、さらに発酵と併行する方法などがあります。果皮と接触する時間は数日から数ヶ月まで幅があり、色合いやタンニンの抽出量を大きく左右します。短時間の接触は飲みやすさを残し、長時間は構造感と複雑さを生みます。

熟成と酸化管理

熟成容器や空気との接触量を変えることで、色と香りの変化をコントロールします。オーク樽や大きな陶器は微量の酸素を通し、ゆっくりとした酸化を促します。ステンレスタンクで管理すれば酸化を抑え、より明るい色調を保てます。

テイスティングとサービス

色は視覚的な期待感を作り、香りや味わいのヒントになります。オレンジワインはライトボディからフルボディまで幅があります。グラスはチューリップ型グラスが基本で、香りが取りやすく色も映えます。サーブ温度は8〜14℃が目安で、軽めは低め、厚みがあるものはやや高めに。

  • 外観:色調の深さと粘性を確認
  • 香り:柑橘、乾いた花、ナッツ、ドライフルーツなどの層を探す
  • 味わい:酸味、タンニンの質感、余韻の長さを評価

ペアリング例

オレンジワインは個性が強いため、料理との組み合わせで面白さが生まれます。ペアリングを表現する際は「味覚の同調・補完」を用いると伝わりやすいです。

  • グリルした根菜と同調:香ばしさと土香が響き合う
  • スパイス料理と補完:スパイスの輪郭をワインが支える
  • 熟成チーズと補完:ナッツ香と旨みが互いに引き立つ

関連:酒精強化ワインとの違い

酒精強化ワインとは、発酵中または発酵後にブランデー(グレープスピリッツ)を添加してアルコール度数を高めたワインです。添加のタイミングにより残糖量と味わいが変わります。発酵中に添加すると糖分が残り甘口に、発酵後に添加するとドライな味わいになります。

代表的な酒精強化ワインのルールとして、シェリーはスペイン・ヘレス地区のD.O.認定産地で造られ、ソレラシステムやフロール(産膜酵母)を用いる点が特徴です。ポートはポルトガル・ドウロ渓谷が主要産地で、発酵途中にグレープスピリッツを添加して残糖を残す製法が基本で、ルビーやトウニー、ヴィンテージ、LBVなどのタイプがあります。

よく使われる品種と日本の甲州

オレンジワインに用いられる白ブドウ品種は多彩です。ピノ・グリ/ピノ・グリージョ、リースリング、ヴィオニエ、アルバリーニョなどが使われます。日本では甲州を果皮接触で仕込むスタイルもあり、独特の旨みと琥珀色を生むことがあります。品種ごとの果皮特性が色と風味に影響します。

まとめ

  • オレンジワインの色は果皮接触で抽出されるフェノール類やカロテノイド、酸化の程度で決まる
  • マセラシオンの方法・時間、熟成容器、酸化管理で色と風味は大きく変化する
  • ペアリングでは味覚の同調・補完の視点を使うと、料理との相性が見つけやすい

参考:テイスティング時は最初に色を観察し、その後香りと味わいを順に評価すると、色が示すヒントを生かせます。

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