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ワインの香りの取り方|第一・第二・第三アロマ

ワインの香りの取り方|第一・第二・第三アロマ

ワインの香りの取り方を第一・第二・第三アロマに分けて解説。具体的手順・グラス選び・温度管理・代替方法や失敗例まで初心者向けにまとめます。

ワインの香りをとるとは

「香りをとる」とは、ワインが持つ香りの層を順序立てて観察することです。香りは時間経過や温度、空気との接触で変化します。香りの変化を追うことで、品種や製法、熟成状態などワインの背景情報を読み取れます。専門用語は初出時に説明します。アロマ=香り、ブーケ=熟成香です。

第一アロマ・第二アロマ・第三アロマ

第一アロマ(立ち上る果実香)

第一アロマはグラスに注いだ直後に感じる香りです。若い果実や花のニュアンスが中心で、ブドウ品種固有の香りがはっきり現れます。最初に短く軽く嗅ぎ分けることで、果実の種類(例:柑橘、ベリー、青リンゴ)が把握できます。

第二アロマ(空気で開く香り)

第二アロマはワインがグラス内で空気と触れることで現れる香りです。スワリング(グラスを軽く回す)や少し時間を置くことで、ハーブ、スパイス、発酵由来の複雑な香りが立ちます。ここで香りをじっくり観察すると、ワインのスタイルや醸造処理の手がかりが増えます。

第三アロマ(熟成や樽由来の香り)

第三アロマは熟成により生じる香りで、乾燥果実、ナッツ、土、トースト、バニラなどが含まれます。古いワインや樽熟成したワインで顕著に現れます。長時間置いたり、デキャンタ(デキャンタ)を使うと第三アロマがより明瞭になります。

具体的な手順:香りを段階的にとる方法

  • 1. グラスにワインを注ぐ(注ぎ量はグラスの1/3程度)。グラス形状はタイプに合わせる(後述)。
  • 2. 注いだ直後に軽く一度だけ短く嗅ぐ。これが第一アロマの確認です。
  • 3. 軽くスワリング(グラスを手首で回す)してから鼻先に近づけて深く嗅ぐ。第二アロマを探します。
  • 4. 5〜10分置いて再度嗅ぐ。香りの変化と新たな要素(第三アロマ)を確認します。
  • 5. 小さく口に含み、吐き出す際に鼻から香りを抜くと香りの連動がわかりやすくなります。

実践ポイント:嗅ぐときは鼻をグラスの縁近くに置き、深呼吸するように短く・長くを使い分けます。最初は短いクイックノーズで第一アロマ、次にゆっくり吸い込んで第二・第三アロマを掴みます。

専門器具がないときの代替方法

  • 専用グラスがない場合は、透明で縁がすぼまった普通のワイングラスを使うと香りが集まりやすいです。
  • デキャンタがない場合はボトルを少し大きめのピッチャーに慎重に移すか、グラスを複数回移し替えて空気に触れさせると代用できます。
  • 温度計がない場合はボトルを手で触り「冷たいけれど凍っていない」「ひんやりする」と感じるかで白・赤の目安にします。

グラスと温度のポイント

グラス形状と温度は香りの捉え方に直結します。グラスは香りを閉じ込めたり開かせたりする役割があり、温度は香りのボリュームや渋みの感じ方を左右します。以下の表はタイプ別の適温と推奨グラス、冷やしの目安です。

タイプ適温推奨グラス冷やしの目安
フルボディ赤16-18℃チューリップ型冷蔵庫から出して30分前
ミディアムボディ赤14-16℃チューリップ型冷蔵庫から出して20〜30分前
ライトボディ赤12-14℃バルーン型冷蔵庫から出して20分前
フルボディ白10-12℃チューリップ型冷蔵庫から出してすぐ
ライトボディ白8-10℃チューリップ型冷蔵庫でよく冷やす
スパークリング6-8℃フルート型冷蔵庫で3時間以上または氷水で20〜30分
甘口・デザートワイン6-8℃チューリップ型冷蔵庫でよく冷やす

温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。

やってはいけないこと(失敗回避)

  • 過度なスワリングでアルコールが立ちすぎる:軽く回す程度に留める。
  • 冷やしすぎて香りが閉じる:特に高級な白は10-12℃程度が目安。
  • グラスを汚れたまま使う:洗剤の香りや油分が残ると香りが変わる。ぬるま湯ですすぎしっかり乾かす。
  • 嗅ぐときに鼻をグラスに突っ込みすぎる:香りを潰す場合があるので縁から少し離して行う。

失敗を避けるコツは、時間経過を観察することです。最初の1回で判断せず、注いでから数分おきに嗅ぎ比べると香りの層が明確になります。

ワインを嗅ぐときのワンポイント

  • 香りは短時間で変わるため記憶しやすい言葉(柑橘、ベリー、樽、ナッツ等)でメモすると良い。
  • 食事と合わせると香りの感じ方が変わるため、香りだけで評価する場合は単独で嗅ぐ。
  • 嗅覚は疲れるので、複数本を続けて嗅ぐときは水で口をゆすぐなどして休ませる。

まとめ

  • 香りは第一(注いだ直後)→第二(空気で開く)→第三(熟成由来)と段階で観察する。
  • グラス形状と温度を整えることで香りの捉え方が大きく変わる(例:フルボディ赤は16-18℃、グラスはチューリップ型)。
  • 実践は簡単:短く嗅ぐ→スワリング→時間を置いて再嗅覚を繰り返す。専門器具がなくても代替法で対応可能。

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