第二アロマとは|発酵由来の香りを解説
発酵由来の香り「第二アロマ」を初心者向けに解説します。発生過程、代表的な香り、テイスティング手順、適温・グラス選び、実践での注意点まで網羅。
第二アロマとは
第一アロマはブドウ自体が持つ果実や花の香りを指します。それに対して第二アロマは発酵や澱、熟成の過程で生成される香りを指します。代表的にはバターやクリーム、ヨーグルトのような乳製品的な香り、パンやトーストを思わせる香ばしさ、酵母や発酵果実のニュアンスなどです。これらはワインの風味を深め、テイスティング時に「複雑さ」を感じさせる要素となります。
第二アロマが生まれる主な工程
アルコール発酵と酵母の影響
アルコール発酵では酵母が糖を分解してアルコールと香り成分を生みます。酵母の種類や発酵温度・栄養状態により、発酵由来の香りの傾向が変わります。酵母由来の香りはフルーツを濃縮したようなニュアンスや、イースト香として感じられることがあります。
マロラクティック発酵(MLF)
マロラクティック発酵(MLF)は、乳酸菌の働きによりワイン中のリンゴ酸が乳酸に変換される過程です。これにより酸味が穏やかになり、まろやかな口当たりとバターやクリームのようなニュアンスが生まれます。
シュール・リーと澱の影響
シュール・リーは発酵後の澱(酵母の死骸)とワインを接触させて熟成させる製法です。澱から旨み成分が溶け出し、厚みのある味わいとトーストやブリオッシュのような複雑な香りが生まれます。
香りの見つけ方とテイスティングの手順
第二アロマを的確に捉えるには観察と手順が大切です。以下の具体的な手順で進めると、発酵由来の香りを見つけやすくなります。温度管理とグラスの選択も重要です。温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。
- グラスは事前に温度に合わせておく(冷やしすぎや温めすぎは避ける)。
- 外観を観察する。澱の有無や色調で熟成度合いを想像する。
- 軽くスワリングして香りを揮発させる。まずは大きく一呼吸して第一印象を取る。
- グラスを鼻に近づけ、深呼吸で嗅ぐ。発酵由来のバターやトースト、酵母のニュアンスを探す。
- 口に含んで味わいと香りの関係を見る。酸味・タンニンとの関係で第二アロマが引き立つことを確認する。
グラス選びは香りを集める役割があります。標準ガイドに従うと、香りのディテールを掴みやすくなります。グラス形状は適切なものを選びましょう:チューリップ型、バルーン型、フルート型。
| ワインタイプ | 適温(℃) | 推奨グラス |
|---|---|---|
| フルボディ赤 | 16-18℃ | チューリップ型 |
| ミディアムボディ赤 | 14-16℃ | チューリップ型 |
| ライトボディ赤 | 12-14℃ | バルーン型 |
| フルボディ白 | 10-12℃ | チューリップ型 |
| ライトボディ白 | 8-10℃ | チューリップ型 |
| スパークリング | 6-8℃ | フルート型 |
| 甘口・デザートワイン | 6-8℃ | フルート型 |
実践例と代替案
実践例:樽熟成されたシャルドネ風の白ワインで第二アロマを確認する手順の一例です。まず冷蔵庫で10〜12℃に冷やし、チューリップ型グラスに注ぎます。軽くスワリングして鼻を近づけ、バターやトーストのような香りを探します。口に含み、酸味と香りのつながりを確かめます。温度が上がると香りが開きやすくなるため、飲む途中で室温に置いた変化も観察します。
- 温度計がない場合:白ワインは冷蔵庫で冷やし、ボトルが冷たいが凍っていない状態を目安にする。赤ワインは手でボトルを持って『ひんやりする』程度を目安にする。
- チューリップ型グラスがない場合:口が少しすぼまった中程度のワイングラスで代用する。香りを閉じすぎないよう浅めに注ぐ。
- ワインクーラーがない場合:氷+水の入ったバケツで20〜30分冷やす。短時間で冷やしたいときは氷水にボトルを浸す。
- 香りを確認する前に強く振りすぎる:一時的にアルコール感が目立ち、香りの輪郭を見失う。
- 白ワインを過度に冷やす:10℃以下にすると香りが閉じることがある。
- 赤ワインを暑い室温で放置する:25℃以上ではアルコール感が強くなる。
- 氷を直接入れて飲む(本格的なテイスティング時):薄まりやすくなるため避ける。
よくある失敗と対策
- 失敗:酵母香が分からない→ 対策:無香料のクラッカーや白パンを口に含み香りの違いを比較してみる。
- 失敗:香りがアルコールに埋もれる→ 対策:温度が高すぎる可能性があるため、白は10〜12℃、赤は目的のレンジに冷やす。
- 失敗:香りが単調に感じる→ 対策:デキャンタで短時間の空気接触を試し、香りの変化を観察する。
まとめ
- 第二アロマは発酵や澱との接触、MLFなどの工程で生まれる。バターやトースト、酵母のニュアンスが含まれる。
- 適切な温度とグラス(チューリップ型、バルーン型、フルート型)で香りが開きやすくなる。温度管理はワインのバランスに直結する。
- 実践は手順を守ることが大切。専門器具がなくても代替案で確認でき、やってはいけないことを避ければ発酵由来の香りを見つけやすい。