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アメリカのオレンジワイン|カリフォルニアの動き

アメリカのオレンジワイン|カリフォルニアの動き

カリフォルニアで注目を集めるアメリカのオレンジワインの特徴、醸造法、酒精強化ワインとの違い、ペアリングや保存を初心者向けに解説します。

アメリカのオレンジワインの現状

ここで言うアメリカのオレンジワインは主にカリフォルニアで造られるものを指します。白ブドウ品種を果皮と長時間接触させることで色と渋みを引き出す手法が基本です。生産者によってはアムフォラ(素焼きの壺)や古樽、ステンレスタンクを使い、酸化寄りか還元寄りかのスタイルに分かれます。近年は多様なブドウで試作が繰り返され、酸とタンニンのバランスを工夫したものが注目されています。

オレンジワインとは

オレンジワインは白ブドウを黒ブドウの赤ワインのように果皮と一緒に発酵させる醸造法で、果皮由来の色素やタンニンがワインに移るため琥珀色や濃いオレンジ色になります。英語ではアンバーワインとも呼ばれます。香りは柑橘、ドライフルーツ、ナッツ、スパイスなど幅が広く、ボディ感や余韻に渋みが感じられることがあります。

酒精強化ワインとの違い

オレンジワインは基本的に酒精強化を行わない通常の醸造法で造られます。一方、酒精強化ワインとは発酵中または発酵後にブランデーなどのグレープスピリッツを添加してアルコール度数を高めたワインを指します。添加タイミングにより残糖量と味わいが変わります。発酵中に添加すると糖が残り甘口になりやすく、発酵後に添加するとドライな味わいになります。

添加タイミング結果代表例
発酵中糖分が残り甘口になりやすいポート
発酵後ドライな味わいになりやすいシェリーの一部

シェリーとポートの基本ルール

参考として、酒精強化ワインの代表であるシェリーとポートにはそれぞれ固有のルールがあります。シェリーはスペイン・アンダルシア州ヘレス地区のD.O.認定産地で、主要品種はパロミノやペドロ・ヒメネス、ソレラシステムやフロール(産膜酵母)による熟成が特徴です。ポートはポルトガル・ドウロ渓谷産で、発酵途中にグレープスピリッツを添加して残糖を残す方法で造られます。

  • シェリー: 産地はスペイン・アンダルシア州ヘレス地区(D.O.認定)、主要品種はパロミノとペドロ・ヒメネス、ソレラシステムとフロールが特徴
  • ポート: 産地はポルトガル・ドウロ渓谷、製法は発酵途中でグレープスピリッツを添加して残糖を残す
  • タイプ: シェリーはフィノやオロロソなど、ポートはルビーやトウニーなど複数のタイプがある

カリフォルニアでの造り方の傾向

カリフォルニアの生産者は伝統的な手法と実験的な手法を組み合わせ、果皮接触時間を短くしてライトなスタイルにしたり、長時間接触で濃厚に仕上げたりします。容器はステンレス、古樽、アムフォラなどが用いられ、それぞれ酸化の度合いやミネラル感に影響します。使用する白ブドウ品種は幅広く、土地ごとのテロワールを反映した個性づくりが進んでいます。

テイスティングのポイントとグラス

オレンジワインは色合い、香り、口当たりに注目します。色は琥珀や濃いオレンジ、香りは柑橘、ピーチ、ドライフルーツ、アーモンドやスパイスなど。口に含むと果皮由来の渋みが感じられ、余韻に旨みやミネラルが広がることが多いです。提供するグラスはチューリップ型グラスが使いやすく、香りを集めつつ飲み口を整えます。適温は10〜14℃が目安です。

ペアリングの考え方

オレンジワインは幅広い料理と合わせやすく、ペアリングでは「味覚の同調・補完」のフレームが有効です。たとえば旨みや塩気と同調させる料理、スパイスや発酵食品と補完し合う組み合わせがよく合います。脂や辛味のある料理にはワインの酸味やタンニンのような要素が補完的に働きます。

  • シンプルな焼き魚や白身の料理と: 味覚の同調・補完(繊細な旨みとワインの酸味が調和する)
  • 発酵食品(キムチ、ザワークラウト)と: 味覚の補完(スパイスや旨みがワインの複雑さと響き合う)
  • ナッツやハードチーズと: 味覚の同調(ナッツ香と果皮由来の風味が共鳴する)
  • スパイスを効かせた鶏肉やラムのスパイス焼きと: 味覚の補完(香りの複雑さが料理を引き立てる)

選び方と保存のコツ

初心者は果皮接触時間が短めのものや軽めのボディから試すと取り組みやすいです。ラベルでは果皮接触の時間や容器(アムフォラ、古樽など)の記載が参考になります。開封後は酸化が進みやすいので冷蔵保存し、2〜5日を目安に飲み切ると香りの変化を楽しめます。長期保存を想定する場合は酸化を意図したスタイルかどうかを確認してください。デキャンタを使うと香りが開きやすくなる場合があります。

まとめ

  • オレンジワインは白ブドウを果皮と接触させて造るため、琥珀色と果皮由来の渋みや複雑な香りが特徴。
  • 酒精強化ワインとは別のカテゴリで、添加タイミングにより残糖や味わいが変わることを理解しておくと比較がしやすい。
  • カリフォルニアでは容器や接触時間の実験が盛んで、チューリップ型グラスで香りを楽しみ、味覚の同調・補完を意識したペアリングを試してみてください。

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