オーストリアのオレンジワイン|シュタイヤーマルク
オーストリア・シュタイヤーマルク地方のオレンジワインを解説します。製法、味わい、テイスティング、ペアリングまで初心者にも分かりやすく紹介します。
シュタイヤーマルクの概要
シュタイヤーマルクはオーストリア南東部に広がるワイン生産地で、標高差や多様な土壌により個性的な白ブドウが育ちます。ここで造られるオレンジワインは、地元の白ブドウ品種を果皮と接触させる醸造法で造られ、色調は琥珀や深いオレンジになることが多いです。昼夜の寒暖差が香りの立ちや酸のバランスに寄与し、果皮由来のタンニンやスパイス感が現れる傾向があります。
オレンジワインとは
オレンジワインは白ブドウを用いながら、赤ワインのように果皮と長時間接触させて醸造するスタイルです。果皮接触(マセラシオン)により色素やタンニン、香り成分が抽出され、複雑で骨格のあるワインになります。発酵容器やマセラシオン時間、温度管理によって仕上がりは大きく変わります。
主に使われる白ブドウ品種
- グリューナー・ヴェルトリーナー:スパイスやハーブの要素と相性がよく、皮由来のテクスチャーが出やすい
- ピノ・グリ/ピノ・グリージョ:果実味と厚みがあり、オレンジワインで豊かなボディになる
- ソーヴィニヨン・ブラン:ハーブ感や柑橘のニュアンスが皮接触で複雑化し、個性が際立つ
製法と発酵のポイント
オレンジワインの醸造では、ブドウの選別、破砕、果皮との接触時間(数日〜数週間)、その後の圧搾と熟成の組み合わせが味わいを決めます。発酵は野生酵母を使う造り手も多く、発酵容器はステンレス、オーク樽、アンフォラ(素焼き壺)などが選ばれます。酸とタンニンのバランスが重要で、亜硫酸(SO2)を控えめにする場合は衛生管理と酸の確保に注意が必要です。
酒精強化ワインの補足
参考として、酒精強化ワインとは発酵中または発酵後にブランデー(グレープスピリッツ)を添加してアルコール度数を高めたワインを指します。添加のタイミングにより残糖量と味わいが変わります。ポートは発酵途中に添加するため残糖が残り甘口になる一方、シェリーは発酵後に添加することでドライなタイプが多くなります。
| 添加タイミング | 結果 | 代表例 |
|---|---|---|
| 発酵中(早期) | 糖分が残り甘口になる | ポート |
| 発酵後 | ドライな味わいになる | シェリー |
テイスティングの特徴とサービス
外観は琥珀〜深いオレンジ。香りはドライフルーツ、ナッツ、茶葉、スパイス、土っぽさなど多彩です。口当たりは白ワインよりもボディ感があり、果皮由来のタンニンが骨格を作ります。酸とタンニンの調和で余韻が長く感じられることが多いです。サービス温度はやや冷やして10〜14℃前後、軽めのものはやや低めに、ヘヴィなものは室温寄りに。グラスはチューリップ型グラスを推奨します。
ペアリング(味覚の同調・補完)
- ローストした根菜や豚肉のロースト:ワインの酸味が脂の重さを補完し、香ばしさが同調する
- 熟成チーズやナッツを使った前菜:ナッツや熟成香がワインのナッツ香と同調する
- エスニックなスパイシー料理:果皮由来のスパイス感が料理の香りを補完する
- 和食の照り焼きや味噌料理:旨みと塩気がワインの果実味と同調する
選び方と楽しみ方
初心者はまずマセラシオン時間が短めのものや、果皮由来のタンニンが穏やかなタイプから試すと入りやすいです。ラベルで使用品種やマセラシオンの記載を確認し、供給者の解説があるワインを選ぶと選択が楽になります。飲む際はチューリップ型グラスを使い、最初はやや冷やして香りの変化を楽しんでください。濃厚なものはデキャンタを使うと開くことがあります。
まとめ
- シュタイヤーマルクのオレンジワインは果皮接触による複雑さとしっかりした骨格が魅力。
- 製法(マセラシオン時間や発酵容器)で味わいが大きく変わるため、ラベルの情報を参考に試してみるとよい。
- ペアリングは味覚の同調・補完の視点で選ぶと相性が良く、チューリップ型グラスで適温にして楽しむと香りが立つ。