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リダクション(還元)|閉じた香りの原因と対処法
リダクション(還元)はワインで「閉じた」「硫黄臭」を感じる要因です。発生のメカニズム、家庭でできる対処法、ワイナリーでの処理や予防策をわかりやすく解説します。
リダクション(還元)とは
リダクション(還元)はワインの酸化側とは反対の状態を指し、酸素が少ない環境で一部の揮発性硫黄化合物などが支配的になって香りが閉じる現象を指します。香りの印象としては「閉じている」「不快な硫黄臭」「マッチやゴム、腐った卵に似た香り」を感じることがあります。
主要な香りの特徴と原因
| 感じる香り | 想定される原因 | 備考 |
|---|---|---|
| 腐った卵のような硫黄臭 | 硫化水素(H2S)の存在。発酵中の酵母ストレスや窒素不足で生じやすい | 比較的速やかに空気に触れさせると改善する場合がある |
| ゴム、マッチ、火薬に似た香り | メルカプタン類やジメルカプタンなどの硫黄系揮発成分 | 軽度ならエアレーションで和らぐことが多い |
| 蒸れた缶詰や煮詰めた野菜に似た香り | ジメチルスルフィド(DMS)など。ブドウや醸造条件に由来することがある | 時間経過で変化することがある |
| 閉じた香り、果実が見えにくい | 全体として還元的な状態にあるため酸化による開放が必要 | デキャンタやグラスでの時間経過を確認する |
いつ起きやすいか
- 発酵中:酵母の栄養不足や温度ストレスで硫黄性の香りが出ることがある
- 澱や樽での還元的な熟成:酸素供給が限られる環境で還元傾向が残る場合がある
- 瓶内熟成:密閉された状態で硫黄系の揮発物が目立つことがある
- 亜硫酸(SO2)処理後:処理方法やタイミングによって一時的に還元的な印象が出る場合がある
家庭でできる確認と簡易対処
購入後や抜栓直後に「硫黄臭」や「閉じた香り」を感じたら、まずはグラスとデキャンタで確認します。短時間の空気との接触で改善することが多いため、以下の手順で段階的に試してください。
- 小さなグラスに注ぎ、20〜30秒強く空気に触れさせて香りを確かめる
- 改善が見られない場合はデキャンタに移し、30分ほど置いてから再確認する
- グラスを大きめのチューリップ型グラスに替えて数分待つと香りが開くことがある
- まずは少量ずつ試して、味わいが戻るかを確認する
ワイナリーや専門家が行う処置と注意点
深刻な還元臭は家庭のエアレーションだけでは改善が難しい場合があります。ワイナリーでは銅清澄(銅を用いた処理)によって硫化水素や一部のメルカプタン類を除去することがあります。ただし銅処理は適切な手順と管理が必要なため、消費者が自分で行うことは推奨されません。
また、還元傾向を改善するために酸素管理やブレンド、再発酵による調整など複合的な対応が取られます。これらはワインの全体バランスに影響するため、専門家が判断して行う必要があります。
予防策(ワイナリーと消費者それぞれ)
ワイナリー側の対策
- 発酵時の酵母栄養管理と温度管理で硫黄系揮発物の発生を抑える
- SO2(亜硫酸)の適切な使用とタイミングの管理
- 樽やタンクの酸素管理を計画的に行い、過度な還元状態を避ける
- 瓶詰め前の検査と必要に応じた処理(銅清澄など)
消費者側の注意点
- 保存は適切な温度と光や振動を避ける条件で行う
- 抜栓後はまずグラスで様子を見てからデキャンタを検討する
- 購入元に不安がある場合は販売店に相談する(ワインが元々の状態であるか確認)
- 還元臭が強く改善しない場合は専門家や販売店に相談する
チェックリスト:テイスティング時の確認項目
- 抜栓直後の香りを軽く確認する
- グラスで強めに空気に触れさせて再確認する
- デキャンタに移して時間経過を観察する(30分単位)
- 香りの種類(腐卵、ゴム、缶詰のような蒸れた香り)をメモする
- 改善がない場合は販売店や生産者に相談する
補足:還元と酸化はワインの酸素状態に関わる両極です。適正な酸素管理は香りの安定に重要ですが、過度な酸素曝露は逆に酸化を招きます。
まとめ
- リダクション(還元)は酸素が不足した状態で硫黄系揮発成分が目立ち、閉じた香りや不快な硫黄臭を生むことがある
- 家庭ではグラスでの空気接触、デキャンタや適切なグラスで時間をかけて観察すると改善する場合が多い
- 深刻な場合や継続する場合は販売店や生産者、専門家による処置(例:銅清澄など)が必要であり、専門家に相談することが重要である