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メトド・クラシコとは|イタリアの瓶内二次発酵

メトド・クラシコとは|イタリアの瓶内二次発酵

メトド・クラシコの基本と工程、イタリアにおける位置づけ、シャンパーニュとの違い、楽しみ方やペアリングを初心者向けに解説します。

メトド・クラシコとは

メトド・クラシコ(metodo classico、イタリア語で「伝統的な方法」)は、基酒に糖分と酵母を加えて瓶内で二次発酵させる製法です。日本語では「瓶内二次発酵」と呼ばれることが多く、瓶内で造られる細かい泡と、澱(おり)との接触による旨みや複雑さが特徴です。ここでの「澱」は発酵後の酵母の残りで、一定期間接触させることでワインに厚みや香りの変化をもたらします。

用語の補足:テロワールと人的要素

メトド・クラシコを語る際には、畑の個性が結果に影響します。テロワールは「土地・気候・人的要素の総体」を指します。人的要素には「慣習・知識・継承」が含まれ、栽培や収穫のタイミング、醸造の伝統がワインの個性に反映されます。クリマは「自然条件と歴史的利用が結びついた」小区画、ミクロクリマは「畑レベルの」局所的な気候条件として理解すると、産地表現の違いがより明確になります。

工程の流れと主要なポイント

  • 基酒の醸造:果実味や酸のバランスを整える
  • 補糖と酵母添加(リキュール・ド・ティラージュ):瓶内で二次発酵を起こすために必要
  • 瓶内二次発酵:瓶内で炭酸ガスが生成され、泡が生まれる
  • 澱と接触させた熟成(シュール・リー的な扱い):旨みやテクスチャーを付与
  • 澱抜き(デゴルジュマン)とドサージュ:澱を取り除き、糖分で仕上げる

工程の中で特に注目すべきは澱との接触期間とドサージュ(最終的な甘さの調整)です。澱との接触により厚みや複雑な風味が生まれ、ドサージュの量で表現はドライ寄りからやや甘口まで変わります。使用される品種は地域によって異なりますが、代表的にはピノ・ノワールやシャルドネが多く、白ブドウ品種と黒ブドウ品種の組み合わせでボディと酸を両立させます。

工程のポイント別の注意点

  • 収穫のタイミング:酸と糖のバランスを見て決める
  • 酵母管理:二次発酵の安定性を左右する
  • 瓶内熟成期間:長くするとより複雑になる傾向がある
  • ドサージュ量:甘さと余韻の印象を左右する
項目メトド・クラシコシャルマ方式シャンパーニュ(注意)
二次発酵場所瓶内タンク(閉鎖タンク)瓶内(ただし使用はシャンパーニュのアペラシオン規定に依る)
泡の性質きめ細かく長持ち比較的若く軽快きめ細かく複雑(アペラシオン規定あり)
熟成の役割澱接触で旨みが増す酵母由来の複雑さは少ない澱接触による複雑さが重視される(規定あり)

イタリアにおける位置づけと表記

イタリアではメトド・クラシコは高品質なスパークリングワインの製法として定着しています。代表的な産地にはフランチャコルタやトレンティーノ、オルトレポ・パヴェーゼなどがあり、これらの地域ではDOCやDOCGといった表記が用いられることがあります。ラベル表記では製法や熟成期間が明記される場合があり、瓶内熟成の長さや使用品種を見て選ぶと特徴がつかみやすくなります。

シャンパーニュとの関係

シャンパーニュと同じく瓶内二次発酵を用いる点で製法は近いものの、アペラシオンや気候、テロワールの違いから味わいは変わります。シャンパーニュというアペラシオンは、定義された原産地において、その土地特有のテロワールと、定められた栽培・醸造規定に基づいて造られたスパークリングワインにのみ使用が認められている。イタリアのメトド・クラシコは「イタリア流の伝統的手法」に基づきつつ、各産地のテロワールを反映します。

楽しみ方とペアリングの考え方

メトド・クラシコは泡のきめ細かさと澱由来の旨みが特徴で、食事との相性が広いです。ペアリングでは「同調」「補完」「橋渡し」のフレームを使うと考えやすく、同調では香ばしい料理と樽香のある熟成タイプが響き合います。補完ではワインの酸味が脂の重さをリフレッシュし、橋渡しではワインの果実味がソースや果実をつなげます。例えば、軽めの魚介は酸味が魚介の風味を引き立て、クリーミーな前菜にはワインの泡が口中をさっぱりさせる役割を果たします。

  • 前菜や生ガキ:酸味と泡が風味を引き立てる(補完)
  • ローストした白身や鶏肉:香ばしさがワインの熟成香と同調する(同調)
  • フルーツソースの料理:果実味が橋渡しとなる(橋渡し)

よくある疑問と簡潔な回答

メトド・クラシコとシャンパーニュの違いは何ですか

主な違いは産地と規定、そしてテロワールです。シャンパーニュは特定のアペラシオン規定に基づく製品名であり、イタリアのメトド・クラシコは各地のテロワールと伝統的な手法で造られます。結果として同じ瓶内二次発酵でも酸味の輪郭やミネラル感、果実の表現が異なります。

長期熟成の違いは?

瓶内熟成期間が長いほど澱由来の旨みや、熟成香が出やすくなります。熟成年数の表記やラベルの説明を参考にすると、購入時にイメージしやすくなります。

まとめ

  • メトド・クラシコは瓶内二次発酵を用いる伝統的製法で、澱との接触による旨みときめ細かい泡が特徴。
  • 産地や使用品種、瓶内熟成期間が味わいを決める。テロワール(土地・気候・人的要素の総体)が反映される点に注目。
  • シャンパーニュはアペラシオンとして保護された名称で、製法は近いが規定とテロワールの違いで表現が変わる。

さらに深く知るにはラベルの「製法」「熟成期間」「使用品種」を確認すると、メトド・クラシコの個性がつかみやすくなります。

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