マス・デ・モニストロルとは|シングルヴィンヤード
マス・デ・モニストロルはシングルヴィンヤードを生かしたスパークリング生産者。単一畑の個性と製法ごとの違いを分かりやすく解説します。
マス・デ・モニストロルとは
マス・デ・モニストロルは、シングルヴィンヤード(単一畑)由来のブドウを重視してスパークリングを造る生産者名です。シングルヴィンヤードは同じ畑から収穫したブドウだけを使うことを意味し、土壌や微気候といったテロワールの特徴がワインに反映されやすくなります。名前に「シングルヴィンヤード」とある場合は、畑固有の個性を味わうことが目的と考えるとよいでしょう。
シングルヴィンヤードの意義
単一畑が伝えること
単一畑ワインはブドウの成熟度や土壌の特徴、傾斜や排水性などがダイレクトに香りや味わいに現れます。スパークリングの場合、瓶内での熟成や澱との接触が加わることで、畑の個性と熟成による複雑さが重なり合った表現が生まれます。生産者は収穫や醸造工程で畑の特徴を尊重することが多く、ブレンド主体のワインとは違う「個性の明瞭さ」を楽しめます。
製法とスタイル
瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル)
瓶内二次発酵は果実酒を瓶詰めして瓶の中で二度目の発酵を行う方法です。発酵で生じた炭酸ガスがワインに溶け込み、きめ細かい泡と持続性のある泡立ちをもたらします。二次発酵後、澱(酵母の死骸)と接触して熟成させ、最後に澱抜きを経ることでクリアなボトル表情に仕上げます。スパークリングで複雑な焼き菓子やナッツのニュアンスが出るスタイルは、この工程の影響が大きくなります(専門用語: メトード・トラディショネル、澱抜き)。
タンク内二次発酵(シャルマ方式)
シャルマ方式は大きな密閉タンク内で二次発酵を行う手法です。瓶内法に比べて工数が少なく、果実由来の新鮮な香りやフレッシュな果実味を保ちやすいのが特徴です。結果として爽やかで果実味が前面に出るスパークリングが多く、食前酒やフルーツ系の料理と相性が良い傾向があります。
炭酸ガス注入(ガス注入法)
ガス注入法は完成した静置ワインに炭酸を注入する方法です。最も手早く泡を与えられ、価格帯や用途に応じた軽やかな泡立ちのスパークリングが作られます。フレッシュさや飲みやすさを重視する場面で用いられますが、泡の質と持続性は瓶内二次発酵より差が出る場合があります。
甘辛度の目安
| 表記 | 残糖量(g/L) |
|---|---|
| ブリュット・ナチュール | 0〜3 |
| エクストラ・ブリュット | 0〜6 |
| ブリュット | 0〜12 |
| エクストラ・ドライ | 12〜17 |
| セック | 17〜32 |
| ドゥミ・セック | 32〜50 |
| ドゥー | 50以上 |
シングルヴィンヤードのスパークリングは辛口寄りの構成が多いですが、造り手の意図で残糖をやや多めにすることもあります。ラベルの表記と味わいのバランスを確認すると選びやすくなります。
テイスティングのポイント
- 外観:色調は淡いレモン〜ゴールド。瓶内熟成が長いと褐色がかったニュアンスが出ることがある
- 香り:畑固有の果実香に加え、瓶内熟成でブリオッシュやナッツの香りが加わることがある
- 味わい:酸味と果実味のバランス、泡のきめ細かさと余韻を確認する
- 余韻:畑由来のミネラル感や熟成香がどの程度残るかを見る
料理との組み合わせ
マス・デ・モニストロルのようなシングルヴィンヤード・スパークリングは、料理と合わせるときに味覚の同調・補完を意識すると相性が見つかりやすいです。たとえば果実味が前に出るタイプはフレッシュな前菜やサラダと同調します。一方、瓶内二次発酵由来の熟成香があるものは、香ばしいチーズや揚げ物と補完し合い、互いの魅力を引き立てます。
- 生牡蠣や白身魚のカルパッチョ:酸味とミネラルが魚介の風味と同調する
- 天ぷらやフライ:泡と酸味が油の重さを味覚の補完でリフレッシュする
- 熟成チーズや香ばしいナッツ:熟成香が味わいを補完し合う
サービスとグラス選び
提供温度はしっかり冷やして6〜8℃が目安です。グラスはフルート型またはチューリップ型を使うと泡の立ち方と香りのバランスが取りやすくなります。フルート型は視覚的な泡立ちの美しさを楽しめ、チューリップ型は香りを広げつつ泡を保つのに向いています。抜栓は静かに行い、「ポン!」ではなく静かにコルクを抜くのが望ましいです。
購入の目安とラベルの読み方
ラベルで注目すべき点は「シングルヴィンヤード」の表記と製法表示です。瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル)と明記があれば澱抜きを経る工程を含むスタイルで、泡の質や熟成香に期待できます。また、アペラシオンについては、法的に保護・規定された原産地呼称の表記や地名が示されているか確認すると産地の規律やスタイルが分かります。ノン・ヴィンテージ(NV)かヴィンテージ表記かも、ブレンドの意図や熟成方針の手掛かりになります。
まとめ
- シングルヴィンヤードは単一畑由来の個性を味わうための表記で、畑の特徴がワインに現れやすい
- 製法で泡と風味が変わる:瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル)は複雑さ、シャルマ方式はフレッシュさ、ガス注入法は手早い泡立ち
- ペアリングは味覚の同調・補完を意識する:果実味は前菜と同調、熟成香は揚げ物やチーズと補完し合う