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ダルマチアのプラヴァッツ・マリ|アドリア海沿岸

ダルマチアのプラヴァッツ・マリ|アドリア海沿岸

ダルマチア沿岸原産のプラヴァッツ・マリを初心者向けに解説。品種の特徴、産地性、味わい、ペアリングと日本での入手性や代替品までを網羅します。

プラヴァッツ・マリとは

プラヴァッツ・マリ(Plavac Mali)はダルマチア沿岸で古くから栽培される黒ブドウ品種です。名前はスラヴ語で「小さな青」を意味し、成熟すると濃い紫〜黒色の果実をつけます。ワインは一般にフルボディ寄りで、黒系果実、ドライハーブ、スパイス、時に海風を思わせるミネラリティを感じることがあります。

基本データの早見表

項目内容
タイプ黒ブドウ品種(赤ワイン用)
主な産地クロアチア・ダルマチア沿岸(ペラシュティカ、シュベトヴィド等)
味わいの傾向フルボディ〜ミディアムフル、黒系果実、スパイス、乾いたハーブ
グラス推奨チューリップ型またはバルーン型グラス
入手性(日本)やや入手困難(専門輸入品中心)
代替品の提案ジンファンデル、シラー/シラーズ

味わいとテイスティングのポイント

香りと風味

典型的にはブラックチェリーやブラックベリーなど濃い果実香に、ドライハーブ、黒胡椒、時にタバコやオーク由来のトースト香が重なります。アルコール度が高めで暖かさを感じるものが多く、果実の凝縮感が特徴です。

ボディと構成要素

ボディはミディアムフルからフルボディ寄り。タンニンはしっかりめですが熟成や醸造法(ステンレスタンク主体か樽熟成か)によって柔らかくなります。マロラクティック発酵が行われると酸味が穏やかになり、円やかな口当たりが生まれます(マロラクティック発酵の作用については標準説明テンプレート参照)。

産地と歴史

プラヴァッツ・マリは主にクロアチアのダルマチア海岸線に集中して栽培されます。沿岸の地中海性気候と石灰質やカルスト地形の土壌が、この品種の乾いた果実味とミネラル感を育みます。栽培面積や産地分布の詳細は国際統計や各国統計を参照してください(出典: OIV、クロアチア国家統計)。

DNA解析により、プラヴァッツ・マリはクロアチア固有種と近縁であり、Crljenak Kaštelanski(ジンファンデルの原系)とDobričićの交配に由来すると報告されています。この系譜はUCデービスの研究などで確認されています(出典: UCデービス キャロル・メレディス博士の研究)。また地元文献やワイン委員会も長年にわたりダルマチアの伝統品種としての歴史を記しています(出典: クロアチアワイン協会資料)。

産地限定性と希少性の理由

プラヴァッツ・マリが主要産地に限られる理由は複数あります。第一にこの品種は乾燥で日照の強い地中海性気候を好み、寒冷地や湿潤地では本来のポテンシャルを出しにくい点。第二に歴史的にダルマチアの小規模生産者が中心で、国外へ大規模に移出されなかったこと。第三に植栽面積が限定され、主に地元需要や観光向け供給が中心となっている点です(出典: OIV、クロアチア国家統計)。

料理との組み合わせ(ペアリング)

プラヴァッツ・マリは濃厚な肉料理や強めのスパイス料理と好相性です。ここではペアリングの枠組みを用いて提案します。

  • ラムのロースト:ワインの風味と素材の野性味が同調し相乗効果をもたらす。
  • グリルした赤身肉:タンニンの苦味が味わいを複雑にし、肉の旨みを引き出す(味覚の同調・補完)。
  • 地中海風の煮込み料理(トマトとハーブ):果実味がソースの酸味と橋渡しになり、全体の調和が生まれる。

サービングと保存のヒント

供出温度はやや高めの常温に近い目安が合います。若いタイプはデキャンタをすると果実の開きが早まります。グラスはチューリップ型かバルーン型を用いると香りの広がりと構造のバランスが取りやすいでしょう。保存は温度変化の少ない場所で、長期熟成には信頼できるセラーがあると良いです。

日本での入手性と代替案

入手性:日本ではプラヴァッツ・マリはワイン専門店や輸入業者、オンラインの専門ページで見かける程度で、一般の量販店ではほとんど流通していません。入手難易度はやや高めです。

代替提案:プラヴァッツ・マリに近い濃厚でスパイシーな果実味を求める場合、ジンファンデルやシラー/シラーズが入手しやすく、味わいの代替として有効です。特にジンファンデルは品種系譜の近さから共通する厚みや熟した黒果実感を持ちます。

購入時のポイントと価格帯感覚

購入時はヴィンテージと生産者の表記を確認しましょう。地場品種は小ロット生産のため、品質差が出やすい傾向があります。価格表記は固定金額を避け、一般的にはデイリー~プレミアムの幅で流通することが多い点に留意してください。

まとめ

  • プラヴァッツ・マリはダルマチア沿岸原産の黒ブドウ品種で、濃厚な黒果実とスパイスを持つ。
  • 日本での入手はやや困難。代替にはジンファンデルやシラー/シラーズが適する。
  • 産地限定性は地中海性気候と土壌への適応、歴史的な小規模生産に由来する(出典: OIV、クロアチア国家統計、UCデービスの研究)。

出典:DNA解析に関する記述はUCデービス キャロル・メレディス博士の研究を参照。栽培面積・産地分布の参照先はOIVおよびクロアチア国家統計、歴史的背景はクロアチアワイン協会の資料を基にしています。

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