有機栽培とビオディナミ|自然派ワインの製法

有機栽培とビオディナミ|自然派ワインの製法

有機栽培とビオディナミ(ビオディナミ)は、化学合成資材を極力避け、畑の生態系を重視する栽培法です。自然派ワインの特徴と醸造上の注意点を初心者向けに解説します。

有機栽培とビオディナミとは

有機栽培は、化学合成の農薬や化学肥料の使用を制限し、有機質資材や輪作、土壌改良を中心に畑を管理する方法です。目的は土壌の微生物や有機物を豊かにして、健全なブドウを育てること。認証制度があり、ラベル表示で確認できます。一方、ビオディナミは有機栽培の原理を受け継ぎつつ、畑をひとつの有機的な生態系とみなし、堆肥や天体暦に基づく作業タイミングなど独自の実践を組み合わせます。ビオディナミは畑の相互作用を重視し、土の力を引き出すことを目指します。

有機栽培の基本

  • 土壌重視:堆肥や cover crop(緑肥)で微生物を育てる
  • 化学資材の制限:合成農薬・化学肥料を極力使用しない
  • 予防管理:樹の健全性を高め病害を未然に防ぐ
  • 認証:JASなどの有機認証で基準が定められる

ビオディナミの基本

ビオディナミは20世紀初頭にルドルフ・シュタイナーが提唱した農法にルーツがあります。畑を生きた全体と捉え、堆肥の処方や動植物との共生、作業日程に天体の影響を考慮する点が特徴です。実務では有機資材に加え、牛角やハーブを使った準備物を用いることがあり、畑の微細な管理によってブドウの個性を出すことを目指します。効果は気候や土壌、栽培者の技術に左右されるため、実際には各生産者ごとの差が大きい点に注意してください。

自然派ワインの醸造で押さえるポイント

自然派ワイン(ナチュラルワイン、ビオワインとも併記されることがあります)は、ぶどう本来の表現を尊重する方針で造られます。醸造上の主要な選択は、酵母の種類(野生酵母/培養酵母)、補酸や補糖の有無、SO2(亜硫酸)の使用量、濾過の有無などです。発酵については、酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解するプロセスが基本で、この過程はワインのアルコール度や香りを決めます。さらに熟成過程でマロラクティック発酵(MLF)が起きると、乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換され、酸味が穏やかになり口当たりがまろやかになります。

  • 野生酵母発酵は個性が出やすいが管理が難しい
  • 低SO2や無濾過は風味が豊かだが保存性に配慮が必要
  • オーガニック原料でも醸造工程での選択が最終的なスタイルを決める

ワインタイプと自然派での表現

自然派の手法はあらゆるワインタイプに適用できます。以下は主要な6タイプと自然派での特徴の概略です。

  • 赤ワイン:黒ブドウ品種の皮や種とともに発酵し、果実味やタンニンが表現される
  • 白ワイン:果汁のみを発酵し、フレッシュさやミネラル感が出る
  • ロゼワイン:短時間だけ皮と接触させて淡い色を得る
  • スパークリングワイン:瓶内二次発酵やシャルマ方式で泡を得ることが多い
  • 酒精強化ワイン:発酵途中または後にブランデーなどでアルコールを加えるスタイル
  • オレンジワイン:白ブドウを皮ごと発酵させ、タンニンや複雑さが出る
項目有機栽培ビオディナミ
目標化学物質を避けて健全な土壌を維持畑を生態系として整え、土の力を引き出す
栽培手法有機資材・輪作・病害管理堆肥処方・天体暦・準備物の使用
認証JASなどの有機認証が存在Demeterなどのビオディナミ認証が存在
醸造への影響安定した原料供給が可能畑の個性が強く出ることがある

歴史的背景と出典

ワインの起源は約8,000年前、ジョージア(考古学的調査)に遡るとされます(出典: 考古学的調査)。近代的評価の転換点として、1976年にスティーブン・スパリュア主催の「パリスの審判」があり、これにより新世界ワインの注目度が高まりました(出典: 1976年、スティーブン・スパリュア主催)。またブドウ品種の系譜や起源に関する研究では、DNA解析が有用であり、UCデービスのCarol A. Meredith博士らの研究などが品種間の関係解明に貢献しています(出典: UCデービス Carol A. Meredithらの研究)。

初心者へのワンポイントアドバイス

  • まずは味わいで選ぶ:有機やビオディナミ表示はスタイルの目安
  • 保管に注意:低SO2のワインは開栓後の保存に気を付ける
  • 生産者をチェック:畑の考え方や醸造法を確認すると好みが見つかる

まとめ

  • 有機栽培は土壌の健康を守り、化学合成資材を抑えてブドウを育てる
  • ビオディナミは畑を生態系として捉え、独自の準備物や暦を使って個性を引き出す
  • 醸造では酵母発酵(酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解)やMLF(乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換)が味わいに重要な影響を与える

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