ワインとは(総論)5分で読める

ワインの造り方|ぶどうがお酒になるまでの流れ

ワインの造り方|ぶどうがお酒になるまでの流れ
#入門

ワインの造り方を初心者向けに解説。ぶどうの収穫から発酵(酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解)、乳酸発酵(乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換)、主要6タイプ別の特徴と選び方までを紹介します。

ワインとは

ワインはブドウを発酵させて造るアルコール飲料です。ぶどうに含まれる糖分を酵母の働きでアルコールに変えるため、原料に水や穀物を加えずに造れるのが特徴です。産地や品種、醸造法の違いで味わいは大きく変わり、料理との相性を楽しむ文化があります。

ワインの歴史

ワインの起源は約8,000年前にさかのぼるとされ、ジョージアでの考古学的調査により古代の醸造痕跡が見つかっています(出典: 約8,000年前、ジョージア(考古学的調査))。近代では1976年のパリスの審判があり、1976年にスティーブン・スパリュア主催のブラインドテイスティングで新世界ワインが注目を浴びました(出典: 1976年、スティーブン・スパリュア主催)。品種の起源や交雑の解明にはDNA解析が有効で、例えば1996年のDNA解析でカベルネ・ソーヴィニヨンがカベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交雑であることが明らかになっています(出典: UCデービス キャロル・メレディス博士の研究)。

ワインの種類(6タイプ)

  • 赤ワイン:黒ブドウを皮や種とともに発酵させて色と渋みを引き出すタイプ。
  • 白ワイン:果汁のみを発酵させ、すっきりとした酸味や果実味が特徴。
  • ロゼワイン:黒ブドウを短時間皮と接触させて造るピンク色のワイン。
  • スパークリングワイン:発酵由来の炭酸を含む泡のあるワイン。
  • 酒精強化ワイン:発酵中または発酵後にブランデー等を加えアルコール度を高めたワイン(シェリー、ポート等)。
  • オレンジワイン:白ブドウを皮ごと発酵させ、タンニンと複雑さを持つスタイル。古代ジョージアのクヴェヴリ製法に起源がある。
タイプ色・特徴合う料理の例
赤ワイン赤〜紫/タンニンとコク赤身肉、煮込み料理
白ワイン黄〜淡い金色/酸と果実味魚介、鶏肉、クリーム系
ロゼワインピンク/軽やかでフルーティーサラダ、軽い魚料理
スパークリングワイン様々/泡と爽快感前菜、寿司、揚げ物
酒精強化ワイン様々/高アルコールで複雑デザート、チーズ、保存食
オレンジワインオレンジ系色/タンニンと複雑さ発酵食品、和食、スパイス料理

ワインの造り方(基本工程)

収穫から瓶詰めまでの主要工程

基本の流れは次の通りです。1) 収穫:熟度を見て手摘みや機械で収穫。2) 除梗・破砕:茎を取り除き果実を潰す。3) 圧搾・マセラシオン:白は果汁を先に圧搾、赤は皮と種を一緒に発酵して色とタンニンを抽出。4) 発酵:酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解してアルコールを生成。5) 乳酸発酵(必要に応じて):乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換され、酸味がまろやかになる。6) 澄清・熟成:ステンレスタンクやオーク樽で風味を整える。7) 瓶詰め:必要な濾過や調整をして瓶詰めする。

赤ワインのポイント

  • マセラシオン(醸し):皮と果汁を一緒に置き、色素とタンニンを抽出する。抽出時間や温度で味わいが変わる。
  • 発酵管理:比較的高めの温度(20〜30℃程度)で発酵させることが多く、酵母の選択や酸素管理が重要。
  • 圧搾:発酵後に果皮を圧搾して果汁を回収。
  • 熟成:オーク樽での熟成は香りとタンニンの質を変える。ステンレスは果実味を残す。

白ワイン・ロゼのポイント

白ワインは収穫後すぐに圧搾して果汁のみを発酵させるため、フレッシュさや酸が活きます。発酵温度は低め(8〜18℃程度)で果実香を残すのが一般的です。ロゼは黒ブドウを短時間皮と接触させることで色を得るため、控えめなタンニンとフルーティーさが特徴になります。

スパークリング・酒精強化・オレンジの造り方の特徴

スパークリングワインは瓶内二次発酵(シャンパーニュ方式)やタンク内二次発酵(シャルマ方式)などで炭酸を閉じ込めます。酒精強化ワインは発酵を途中で止めるか後から蒸留酒を加えてアルコールを高める手法で、長期保存や特殊な風味を得ます。オレンジワインは白ブドウを皮ごと長時間醸し、タンニンと複雑さを引き出すことが特徴です。古代のクヴェヴリ製法はジョージア起源として知られ、今日のオレンジワインの潮流にもつながっています。

発酵と乳酸発酵の科学的説明

発酵とは酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解するプロセスであり、アルコール生成と香りの前駆体生成が進みます。一方、乳酸発酵(MLF)は乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換される工程で、酸の性質が変わり味わいがまろやかになります。これらのプロセスは温度、pH、酸素管理、微生物管理によって制御されます。

ワインの選び方と保存のポイント

  • 品種で選ぶ:まずは好きなブドウ品種(例 カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング)を見つける。
  • 産地で選ぶ:同じ品種でも産地による違いを楽しむ。
  • 価格帯で選ぶ:1,000〜3,000円台のワインでも好みの一本が見つかる。
  • 保存:温度変動の少ない涼しい場所で横置きが基本。開封後は冷蔵保存し、できるだけ早めに飲む。

料理との相性

ワインと料理の相性は、酸味・甘味・渋味・塩味などのバランスで決まります。例えば赤ワインは肉料理と、白ワインは魚介やクリーム系と相性がよく、スパークリングは前菜や揚げ物と合わせやすいです。まずは「美味しい」と感じる組み合わせを中心に試してみましょう。

まとめ

  • ワインはぶどうの発酵から生まれる。酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解することが基本工程。
  • MLF(乳酸発酵)は乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換され、酸の印象をまろやかにする。
  • 主要6タイプ(赤、白、ロゼ、スパークリング、酒精強化、オレンジ)の造り方と特徴を知ると選び方が楽になる。

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