ワインの色の違い|赤・白・ロゼはどう決まる?
ワインの色の違いを、皮の接触時間や発酵・MLFなどの科学的視点からわかりやすく解説。赤・白・ロゼ・スパークリング・酒精強化・オレンジの6タイプを比較します。
ワインの色はどう決まるか
ワインの色は主にブドウの皮に含まれる色素(アントシアニン)によって生まれます。黒ブドウ品種でも果汁は透明に近く、皮と接触する時間(マセラシオン)で色が抽出されます。長く皮と接触させれば濃い赤色になり、短ければ淡いピンクのロゼになります。白ワインは原則として圧搾して果汁のみを発酵させるため、色は淡くなります。オレンジワインは白ブドウを皮と一緒に発酵させることで、琥珀がかった色やタンニンが生まれる点が特徴です。
色に影響する主な要素
主な要素は次の通りです。①皮と果汁の接触時間(マセラシオン)=色とタンニンの量を決める。②圧搾のタイミング=早く圧搾すると色の抽出が少ない。③発酵温度=高温は抽出を促す傾向がある。④熟成方法=樽や酸化条件により色合いが変わる。⑤酸化や澱との接触=時間経過で色が変わる場合がある。
発酵とマロラクティック発酵(MLF)の役割
発酵は酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解する過程です。これによりブドウ果汁はワインへと変わります。マロラクティック発酵(MLF)は乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換される過程で、酸味が穏やかになり口当たりがまろやかになります。赤ワインではMLFを実施することで渋みの印象が和らぎ、熟成での味わいのバランスが整いやすくなります。
ワインの主な6タイプ
- 赤ワイン:黒ブドウ品種を皮や種とともに発酵させて造る。色は濃く、タンニンやコクが特徴。
- 白ワイン:主に白ブドウ品種の果汁のみを発酵させる。酸味と果実味が中心でタンニンは少ない。
- ロゼワイン:黒ブドウ品種を短時間だけ皮と接触させて造る。淡いピンク色で軽やかな味わい。
- スパークリングワイン:発酵で生じた炭酸を閉じ込めた泡のあるワイン。製法や甘辛度で多様。
- 酒精強化ワイン:発酵中または発酵後にブランデー等を加えアルコール度数を高めたワイン(例:ポート、シェリー)。
- オレンジワイン:白ブドウ品種を皮ごと発酵させることでオレンジ色を帯びたワイン。タンニンと複雑さがある。
色と味わい、ペアリングの考え方
色は味わいの指標の一つです。一般に濃い色のワインはタンニンや熟成の要素が強い傾向があり、軽い色はフレッシュで果実味が前面に出やすいです。ペアリングでは「同調」「補完」「橋渡し」のいずれかを意識すると選びやすくなります。例えば、樽熟成の香ばしい赤ワインはグリル料理と香りが同調しやすく、酸味のある白ワインは脂の重さを補完して軽やかに感じさせます。
| 種類 | 色 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 赤ワイン | 赤〜紫 | タンニンと果実味のバランスが中心。熟成で変化。 |
| 白ワイン | 黄〜淡い金 | フレッシュな酸と果実味。冷やして飲むことが多い。 |
| ロゼワイン | 淡いピンク | 軽やかで果実味が主体。幅広い料理に合う。 |
| スパークリングワイン | 様々(泡) | 爽快な泡立ち。製法で風味が変わる。 |
| 酒精強化ワイン | 様々 | 高アルコールで保存性が高く、デザートにも合う。 |
| オレンジワイン | オレンジ〜琥珀 | 皮の接触によりタンニンと複雑さが生まれる。 |
ワインの歴史で押さえておきたい事実
ワインの起源は古く、約8,000年前に現在のジョージアでブドウの発酵が行われていた痕跡が見つかっています(出典: 考古学的調査)。また、1976年にスティーブン・スパリュア主催で行われた「パリスの審判」は、ブラインドテイスティングで新世界ワインが注目を集めるきっかけになりました(出典: Steven Spurrier, 1976年の公開品評会)。品種や血統の解明にはDNA解析が重要な役割を果たしており、例えば1990年代の研究ではUCデービスのカロル・メレディス博士らがブドウの親子関係をDNAで明らかにしました(出典: UCデービス カロル・メレディス博士らの研究)。
初心者が知っておくと便利なポイント
- 色は味を予測するヒントになるが決定要因ではない。製法や熟成で大きく変わる。
- ロゼは皮接触時間が短いだけで造れるため、軽やかで食事に合わせやすい。
- オレンジワインは白ブドウを皮ごと扱うため、白ワインとも赤ワインとも異なる個性を持つ。
まとめ
ワインの色の違いは主に皮と果汁の接触時間で決まります。発酵やMLFなどの醸造プロセスが味わいに影響を与え、同じ品種でも製法で大きく異なる表情を見せます。以下の3点を押さえておくと、色と味わいの関係が理解しやすくなります。
- 皮接触時間が色とタンニンを決める:長ければ赤寄り、短ければロゼに近い。
- 発酵とMLFが味わいを調整する:酵母は糖をアルコールと二酸化炭素に分解し、MLFはリンゴ酸を乳酸に変換して酸味を穏やかにする。
- 6タイプの特徴を知る:赤・白・ロゼ・スパークリング・酒精強化・オレンジそれぞれの造り方と用途を把握する。
参考: ワイン起源の考古学的発見(ジョージア)、1976年のパリスの審判(Steven Spurrier主催)、DNA解析研究(UCデービス カロル・メレディス博士ら)。詳細データや年代を示す場合は各研究の一次資料を参照してください。