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TBA(トロッケンベーレンアウスレーゼ)とは

TBA(トロッケンベーレンアウスレーゼ)とは

TBA(トロッケンベーレンアウスレーゼ)はドイツ語圏の貴腐ワイン格付けで、完熟と貴腐菌による凝縮した甘みと豊かな風味が特徴のデザートワインです。

TBAの基本情報

TBAは「トロッケンベーレンアウスレーゼ」の略称で、主にドイツやオーストリアで用いられる高糖度の貴腐ワインの格付けです。貴腐菌により果汁が凝縮し、非常に濃密で長い余韻を持つ甘口のデザートワインに仕上がります。格付けの位置づけや細かな規則は国や州によって異なりますが、一般に極めて高い糖度を持つブドウを原料とします。

製法とブドウの状態

貴腐化と収穫方法

貴腐菌(ボトリティス・シネレア)が果皮に付着すると、水分が蒸散して糖分と風味成分が凝縮します。TBAでは通常、貴腐化した房を選んで丁寧に手摘みするため、収穫は時間と手間がかかります。結果として得られる果汁は非常に濃厚で、発酵を進めても高い残糖を残すことが多いです。

発酵と残糖の扱い

高糖度果汁は発酵が止まりやすく、自然に高い残糖となります。アルコールを高めるためにブランデーを添加する酒精強化ワインとは異なり、多くのTBAは酒精強化を行わずに甘さを残して仕上げます。酒精強化を行う場合は添加のタイミングによって味わいが変わる点が重要です。

酒精強化ワインの基本

酒精強化ワインとは、発酵中または発酵後にブランデー(グレープスピリッツ)を添加してアルコール度数を高めたワインです。添加のタイミングにより残糖量と味わいが大きく異なります。発酵中に添加すれば糖分が残り甘口になり、発酵後に添加すればよりドライな味わいになります。

シェリーとポートの特徴(参考)

シェリーの特有ルール

シェリーはスペイン・アンダルシア州ヘレス地区で造られる酒精強化ワインで、D.O.の認定を受けています。主要品種にはパロミノとペドロ・ヒメネスがあり、ソレラシステムと呼ばれる段階的なブレンド熟成法や、フロールと呼ばれる産膜酵母による生物学的熟成が特徴です。タイプにはフィノ、マンサニージャ、アモンティリャード、オロロソ、ペドロ・ヒメネスなどがあります。

ポートの特有ルール

ポートはポルトガル・ドウロ渓谷を主要産地とする酒精強化ワインです。製法は発酵途中でグレープスピリッツを添加して発酵を止め、残糖を残す点が特徴です。代表的なタイプにルビー、トウニー、ヴィンテージ、LBVなどがあります。

TBAの味わいと楽しみ方

TBAは糖度と凝縮感が非常に高く、蜂蜜、アプリコットのコンポート、トフィー、ナッツのニュアンスを感じることが多いです。酸味が適度に残ることで甘さがだれず、長い余韻につながります。香りの複雑さと甘さのバランスが魅力です。

  • バニラやキャラメルの風味を持つアイスクリーム — 同調:甘さと風味が響き合う
  • ナッツを使ったタルトや焼き菓子 — 補完:ナッツの香ばしさが甘さを引き立てる
  • フォアグラや濃厚なチーズの一部 — 補完:甘さが塩味や脂を引き立てる
  • ブルーベリーやアプリコットのコンポート — 同調:果実味が馴染む

サービス温度とグラス

TBAは冷やしすぎないほうが香りの複雑さを楽しめます。適温は10〜12℃程度が目安です。グラスはチューリップ型グラスのような小ぶりで口当たりを集中させる形が向きます。少量をゆっくり味わうのが楽しみ方の基本です。

項目内容
カテゴリ貴腐ワイン(デザートワイン)
原料貴腐化した白ブドウ品種(状況により異なる)
甘さ極めて高い残糖
サービス温度10〜12℃程度
グラスチューリップ型グラス

保存と開封後の扱い

TBAは糖と酸のバランスが良いため、未開封であれば比較的長期保存が可能です。開封後は冷蔵庫で保存し、数週間から場合によっては数か月は風味を保ちますが、徐々に酸化のニュアンスが出てくるため、早めに楽しむのが無難です。

まとめ

  • 貴腐菌による果実の凝縮が生む極めて甘く複雑なデザートワインであること
  • 多くは酒精強化を行わず高い残糖で仕上げるが、酒精強化ワインとは製法が異なること
  • サービスは10〜12℃、チューリップ型グラスで少量ずつ味わうと香りと余韻が引き立つこと

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