テイスティングシートの使い方|プロの評価項目を解説
テイスティングシートの使い方を初心者向けに解説。準備から記入手順、温度とグラスの選び方、失敗回避まで具体的に実践できるハウツー記事です。
テイスティングシートとは
テイスティングシートはワインを観察・評価するための記録フォーマットです。項目は一般に外観、香り、味わい、バランス、余韻、総合評価などに分かれます。初めて聞く用語は、本文の初出時に簡潔に説明します。例えばタンニンは渋みの主成分で、アロマは香りを指します。
テイスティングの準備
グラスと温度の基本
適切なグラスと温度で評価することがテイスティングの精度を高めます。温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。
| タイプ | 適温 | グラス | 冷蔵庫から出す目安 |
|---|---|---|---|
| フルボディ赤 | 16-18℃ | チューリップ型 | 30分前 |
| ミディアムボディ赤 | 14-16℃ | チューリップ型 | 20〜30分前 |
| ライトボディ赤 | 12-14℃ | バルーン型 | 20分前 |
| フルボディ白 | 10-12℃ | チューリップ型 | 飲む直前 |
| ライトボディ白 | 8-10℃ | チューリップ型 | 飲む直前 |
| スパークリングワイン | 6-8℃ | フルート型 | 冷蔵庫で3時間以上または氷水に20〜30分 |
| 甘口ワイン | 6-8℃ | チューリップ型 | 冷蔵庫でよく冷やす |
テイスティングシートの基本項目と書き方
外観の記入
色合いや濃淡、粘性を観察して記入します。色の表現は「若いルビー」「レンガ色がかった」など具体的に。粘性は杯を回したときにグラスの壁に残る液滴の動きで判断します。
香りの記入
アロマは第一印象と時間経過で変わります。グラスを軽く回して息を整え、短く深呼吸するように香りを取ります。果実、花、スパイス、樽由来のニュアンスなどを具体的にメモします。
味わいの記入
味わいは入口、ミドル、後口で分けて記録します。酸味、甘味、渋み(タンニン)、アルコールのバランスを短い語で評価し、具体的なフレーバーを添えます。余韻は長さと質を数値や短い語で書くと比較しやすくなります。
具体的な手順
- 準備する: 適切なグラス、ワイン、テイスティングシート、温度計(あると便利)を用意する。
- 温度の確認: ワインタイプに合わせて冷蔵や氷水で冷やす。目安は表の数値を参照する。
- 注ぐ: グラスは満たし過ぎない。目安はグラスの1/3以下。
- 外観観察: 光に透かして色や粘性を確認し、シートに記入する。
- 香り確認: グラスを軽く回し、短く2回ほど香りを吸い込んで記入する。
- 味わい確認: 少量を含み、口内で転がして入口・ミドル・後口を確認して記入する。
- 評価記入: バランスや余韻をまとめ、総合評価をつける。
時間や順序を守ることで再現性が高まります。香りは温度と時間経過で変化します。冷たいと閉じやすく、温度が上がると香りが開きます。
温度管理の実践と代替案
正確な温度管理はサーモメーターを使うと最も確実です。なければ冷蔵庫の位置や手の感覚を使って目安にします。具体的な急冷方法と目安時間を示します。
- 冷蔵庫: 白は冷蔵庫で直前まで保冷。スパークリングは冷蔵庫で3時間以上が目安。
- 氷水: 氷と水を混ぜた氷水にボトルを浸すと20〜30分で急冷できる。
- クーラースリーブ: 冷凍庫で冷やしたスリーブを使えば短時間で冷やせる。
- サーモメーターがない場合: ボトルを手で触って「冷たいが凍っていない」状態を白ワインの目安にする。赤は「ひんやりする」程度が目安。
失敗しやすい点と回避策
- 高温のまま放置する: 日本の室温は夏に25〜30℃になる。赤ワインが熱く感じたら冷蔵庫で30分ほど冷やす。
- 冷やし過ぎる: 高級なフルボディ白を6℃以下で飲むと香りが閉じてしまう。10〜12℃が適温の目安。
- グラスを満たし過ぎる: 香りが十分に立たず評価がしにくくなる。1/3以下を守る。
- 香りを急ぎすぎる: 深呼吸で短時間に複数回香りを取ると混乱する。最初はじっくり一呼吸ずつ。
- 氷で直接薄める: 基本は避ける。カジュアルな場では許容されるが、評価時は風味が変わるためNG。
実践例と記入サンプル
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 外観 | 透明度高いルビー、粘性中程度 |
| 香り | 赤い果実、スミレ、控えめな樽香 |
| 味わい | 入口は果実味、ミドルは酸とタンニンの調和、後口にスパイス |
| 余韻 | 中程度、果実の余韻が残る |
| 総合評価 | バランス良好。温度16〜18℃で香りが開いた |
ワインを比較するコツ
比較する際は同じグラス、同じ温度、同じ注ぎ量で行うと公正です。時間経過による変化を追う場合は、同じワインを一定間隔で再評価してシートに追記すると違いが分かりやすくなります。
ワインの適温の標準値を守るだけで、同じワインでも印象が大きく変わります。まずは表の温度を基準にして記録を続けてください。
まとめ
- 適切な温度とグラスを整えることで、評価の再現性が高まる。タイプ別の適温は表を参照する。
- シートは外観、香り、味わい、余韻、総合評価の順で書くと簡潔にまとまる。具体的な語を使うと比較が容易になる。
- 失敗は温度と注ぎ方に起因することが多い。高温放置や冷やし過ぎ、グラスの満たし過ぎに注意する。
"温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。