第二アロマとは|発酵由来の香りを解説
発酵過程で生まれる「第二アロマ」を初心者向けに解説。香りの特徴、見つけ方、温度とグラス選び、具体的な手順と失敗回避まで網羅します。
第二アロマとは
ワインの香りは大きく分けて一次香(果実香)、第二アロマ(発酵由来の香り)、第三アロマ(熟成由来の香り)に分類されます。第二アロマは発酵過程で生じる香りの総称で、酵母が作るエステル由来のフルーツや花のニュアンス、マロラクティック発酵(MLF)によるバターやクリーミーなニュアンス、シュール・リーによる旨み成分などが含まれます。専門用語は次のとおりです。マロラクティック発酵(MLF): 乳酸菌がリンゴ酸を乳酸に変え、酸味を穏やかにしバターのようなニュアンスを与える工程。シュール・リー(Sur Lie): 発酵後の澱と接触させる熟成方法で、旨みや口当たりの厚みを生みます。
第二アロマを見つけるための準備
視覚と嗅覚の準備
まずは落ち着いた環境で行います。強い香りのある香水や香りの強い料理がある場所は避けてください。グラスは透明なものを用い、光が当たる場所で色合いも確認すると理解が深まります。
グラスと温度の選び方
グラス形状は香りの出方に影響します。フルボディの赤はチューリップ型、ライトボディの赤はバルーン型、白ワイン全般はチューリップ型、スパークリングはフルート型を推奨します。温度に関しては次の点を常に意識してください。温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。
| ワインタイプ | 適温 | 推奨グラス | 冷却の目安 |
|---|---|---|---|
| フルボディ赤 | 16-18℃ | チューリップ型 | 冷蔵庫から出して30分前 |
| ミディアムボディ赤 | 14-16℃ | チューリップ型 | 冷蔵庫から出して20〜30分前 |
| ライトボディ赤 | 12-14℃ | バルーン型 | 冷蔵庫から出して20分前 |
| フルボディ白 | 10-12℃ | チューリップ型 | 冷蔵庫から出してすぐ |
| ライトボディ白 | 8-10℃ | チューリップ型 | よく冷やす |
| スパークリング | 6-8℃ | フルート型 | 冷蔵庫で3時間以上または氷水に20〜30分 |
| 甘口・デザートワイン | 6-8℃ | チューリップ型 | よく冷やす |
具体的な手順
- グラスは洗って水滴を完全に拭き取る。香りを邪魔するため洗剤の残りや湿りは避ける。
- ボトルを静かに開ける。スパークリングは静かに開栓する。
- まず少量(約20〜30ml)を注ぎ、軽く香りをかぐ。一次香と第二アロマの違いを意識する。
- グラスを軽く回してから再度香りをかぐ。発酵由来の香り(バター、クリーム、イースト、パン、酵母ニュアンス)を探す。
- 温度が低すぎると感じたら、室温で5〜20分置いて温度を上げる。逆に高すぎる場合は氷水に10〜20分浸ける。
- 比較のためにもう一度注ぎ直す(同じワインを別のグラスで比べると違いが明瞭になる)。
実践のコツと代替案
専門器具がない場合でも工夫で第二アロマを楽しめます。温度計がなければ冷蔵庫内の場所で調整してください。例えば冷蔵庫の上段はやや高め、野菜室は約8℃程度です。グラスがない場合は透明で口の開きが小さめのコップを用いると香りが逃げにくくなります。
- 温度計がない場合: ボトルを手で触って冷たさを確認。白は冷たいが冷たすぎない、赤はひんやりする程度が目安。
- グラスが限られる場合: チューリップ型がなければバルーン型で代用。フルート型がなければ細長めのグラスで代用。
- 急冷の代替: 氷水(氷+水)にボトルを浸すと20〜30分で効果が出る。冷凍庫は忘れると凍るリスクがあるため短時間のみ推奨。
やってはいけないこと
- 強く振る: 炭酸以外のワインでも香りが飛びやすくなる。静かに扱う。
- 氷を常用する: 氷が溶けるとワインが薄まり風味が損なわれる(カジュアルな場面を除く)。
- 高温放置: 日本の夏の室温(約25〜30℃)は赤ワインにとって高すぎる。必要なら冷やす。
- 香りを無視して一気に飲む: 第二アロマは繊細なので香りを確認してから味わう。
よくある失敗例と対策
例1: 白ワインを冷やしすぎて香りが閉じてしまう。対策は10-12℃程度に戻してから再評価する。例2: 赤ワインを高温で提供してアルコール感が目立つ。対策は16-18℃に冷やし直し、グラスに注いで軽く空気に触れさせる。例3: グラスが汚れていると香りがうまく立たない。対策は中性洗剤で洗い、水滴を拭き取る。
さらに楽しむために
複数のワインを並べて香りを比べると第二アロマの違いが分かりやすくなります。例えば同じ品種でマロラクティック発酵あり・なしを比べると、バターやクリームのニュアンスが有無で明確に分かれます。別の方法として、同一ワインを異なる温度で試すと、低温時に閉じる香り、高温時に強まるアルコール感の違いが学べます。
まとめ
- 第二アロマは発酵由来の香り。MLFやシュール・リーなどが主要な要因になる。
- 香りを引き出すには適切なグラスと温度管理が重要。タイプ別適温を守ることで発酵香が見つけやすくなる。
- 具体的な手順で少量ずつ観察する。強く振る、氷を常用するなどは避け、代替案を活用して失敗を防ぐ。
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