ラマート(銅色ワイン)|ピノ・グリの特殊製法
ラマートはピノ・グリ/ピノ・グリージョを皮と短時間接触させて生まれる銅色の白ワイン。製法と味わい、合わせ方を初心者向けに解説します。
ラマートとは
ラマートはイタリア語で「銅色」を意味し、ピノ・グリ/ピノ・グリージョという白ブドウ品種を用いて果皮と一定時間接触させることで生まれる色合いと風味を指します。通常の白ワインよりも淡い琥珀〜銅色を呈し、果実味に加えて皮由来のスパイシーさやほのかな渋みが感じられます。品種分類は白ブドウ品種にあたり、グリ系の皮色変異を活かしたスタイルです。
製法と香味のしくみ
スキンコンタクト(皮と接触させる工程)
ラマートの特徴は発酵前後にブドウの皮と果汁を接触させることです。接触時間は数時間から数日まで幅があり、短めなら淡い銅色、長めならより濃い色合いとしっかりしたフェノールを得られます。皮から抽出される色素や微量のタンニンがワインに骨格を与え、果実味と複雑さを両立させます。果皮接触はオレンジワイン製法の一種ですが、ラマートは色や抽出を控えめにする点が特徴です。
ピラジンと成熟の関係
ピラジン(メトキシピラジン)は香り成分の一つで、未熟→ピーマン香、完熟→カシス香が前面にといった変化を伴います。ピノ・グリ/ピノ・グリージョでは一般的にピラジンは控えめですが、栽培条件や成熟度により香りの印象は変わります。ラマートでは皮由来の香味と果実香が重なり、トーストやスパイスのニュアンスを感じることがあります。
マロラクティック発酵とシュール・リーの影響
マロラクティック発酵(MLF)を行うと酸味が穏やかになり、まろやかな口当たりやクリーミーなニュアンスが加わります。またシュール・リー(澱と接触させる熟成)を取り入れると厚みと旨みが増し、皮接触による複雑さと相まって深みのある味わいになります。これらの工程は生産者の意図に応じて組み合わせられます。
味わいの特徴とテイスティングのポイント
色は淡い銅色〜アンバー。香りは白い果実や洋梨、黄桃に加え、皮由来のナッティやハーブ、スパイスが感じられます。口当たりは白ワインより骨格があり、ほどよい酸と控えめなタンニンが調和します。余韻に苦味やミネラル感が残ることが多く、冷やしすぎない温度で香りを楽しむのがポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイプ | 白ブドウ品種(グリ系) |
| 色 | 淡い銅色〜アンバー |
| ボディ傾向 | ライト〜ミディアム(皮接触で厚みが出る) |
| グラス | チューリップ型グラス推奨 |
| 適温 | 10〜14℃が目安(やや高めにすると香りが立つ) |
ペアリングの考え方
ラマートは果皮由来の旨みと控えめなタンニン感があるため、幅広い料理と合わせやすいのが魅力です。軽い白身魚や甲殻類と同調する一方で、トマトソースや中華の照り焼きなどの旨みの強い料理と補完し合います。ペアリングのフレームワークでは、同調・補完・橋渡しのいずれでも効果的に働きます。
- 軽くグリルしたカサゴや鯛と同調する(魚介の旨みとワインの酸が響き合う)
- サーモンのマリネやスモークサーモンと補完し合う(脂と皮由来の骨格が調和する)
- 豚のローストや鶏の塩焼きと合わせると、旨みが橋渡し役になる
タンニン×肉: 味覚の同調・補完 ラマートに見られる微量のタンニンは肉料理と合わせたとき、ワインの風味と料理の風味が同調し、全体として旨みが引き立ちます。赤ワインほどの強い渋みではないため、魚介ベースの料理や軽い肉料理とも親和性が高いのが特徴です。
サービスと保管のコツ
提供温度は10〜14℃が目安です。冷やしすぎると香りが閉じるため、飲む直前に冷蔵庫から出して数分置くと良いでしょう。グラスはチューリップ型グラスを推奨します。瓶内での短時間の空気との接触(デキャンタは不要)で香りが開きやすくなります。開栓後は冷蔵保存し、数日で味わいが変化するため早めに飲むのがおすすめです。
産地と歴史のポイント
ラマートはイタリア北東部、特にフリウリやヴェネト周辺で親しまれてきたスタイルです。ピノ系は色の変異が多く、ピノ・グリ/ピノ・グリージョはピノ・ノワールとの関連性も示されています。これらの親族関係はDNA解析で明らかにされており、品種系統に関する重要な知見は※UCデービス キャロル・メレディス博士の研究に基づいています。栽培面積や国別のデータは出典:OIVで確認できます。
よくある疑問に簡潔に答える
- ラマートとオレンジワインの違い: ラマートは主にピノ・グリ系で短時間の皮接触により淡い銅色を得るスタイル。オレンジワインはより長時間の皮接触で濃い色と強いタンニンを得る傾向がある。
- 熟成は必要か: 多くは若いうちに楽しむスタイルだが、シュール・リーや樽を用いるものは熟成による深みが出る。
- 保存期間: 開栓後は冷蔵保存で数日が目安。長期保存向きではないが、造りによっては数年の熟成耐性がある場合もある。
まとめ
- ラマートは白ブドウ品種のピノ・グリ/ピノ・グリージョを皮と接触させて得る銅色のワインで、皮由来の旨みと果実味が同居する。
- 香りの変化にはピラジンの影響があり、未熟→ピーマン香、完熟→カシス香が前面にといった成熟度の違いが味わいに出る。
- ペアリングではタンニン×肉: 味覚の同調・補完が働き、魚介から軽い肉料理まで幅広く合わせやすい。