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LBV(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)とは

LBV(レイト・ボトルド・ヴィンテージ)とは

LBVはポートのヴィンテージを遅めに樽熟成して瓶詰めする酒精強化ワインのスタイルです。製法、特徴、飲み方、ペアリング、保存を初心者向けにわかりやすく解説します。

LBVの基本

LBVは Late Bottled Vintage の略で、単一ヴィンテージ(同じ年に収穫されたブドウ)を原料とするポートです。収穫年が明確である点はヴィンテージポートと共通しますが、樽での熟成期間が長め(一般に4〜6年が多い)で、ボトリングしてからすぐに楽しめるように造られる点が特徴です。ヴィンテージポートのように瓶熟で開花するタイプではなく、樽熟である程度の調和が取れているため、購入後に比較的早く飲めます。

酒精強化ワインの製法とポートの位置づけ

酒精強化ワインとは、発酵中または発酵後にブランデー(ここではグレープスピリッツ)を添加してアルコール度数を高めたワインです。添加のタイミングにより残糖量と味わいが変わります。ポートは発酵途中でグレープスピリッツを添加して糖分を残すため、甘みを伴う濃厚な味わいになるのが一般的です。

ポートワインの主なスタイル

タイプ製法の特徴味わいの傾向
ルビー若いワインを主体に短期熟成で瓶詰め華やかな果実味、濃い色調
トウニー長期樽熟成で酸化的に変化ナッツやドライフルーツの香り、複雑さ
ヴィンテージ優れた年の単一ヴィンテージを瓶熟成するタイプ長期熟成で複雑化、開花に時間がかかる
LBV単一ヴィンテージを数年樽熟成して瓶詰めヴィンテージ由来の果実味と樽熟成の調和

LBVの特徴と種類

LBVは造り手やボトリング時の処理によって表情が分かれます。主な違いは濾過の有無です。濾過されたLBVは瓶詰め後すぐにクリアな状態で楽しめ、開けてからの安定感があります。一方、濾過していない(ボトルコンディションの)LBVは瓶内での澱が残ることがあり、デキャンタ(デキャンタを使用)して澱を除くと開花する香りが楽しめます。

  • 濃縮した黒系果実の果実味
  • チョコレートやコーヒー、黒糖などの甘みを伴うニュアンス
  • トウニーほど強くないがナッツやドライフルーツの風味
  • 適度なタンニンと長い余韻

LBVの選び方

選ぶ際のポイントはラベルの表記と濾過の有無です。ボトルにヴィンテージ年があることを確認し、"filtered" や "unfiltered" の表記(もしくは濾過に相当する日本語記載)がある場合はその性格を想定できます。濾過されたタイプは購入後すぐに楽しみやすく、濾過されていないタイプは開ける際にデキャンタージュを検討すると良いでしょう。

飲み方とサービス温度

LBVはやや冷やして提供すると果実味と甘みのバランスが良くなります。適温は10〜14℃が目安です。グラスはチューリップ型グラスを推奨します。濾過されていないLBVはデキャンタに移し替えて澱を残さないようにすると、香りが開きやすくなります。

料理との相性

LBVは甘みと濃厚な果実味を持つため、デザートだけでなく塩気や旨みのある料理とも相性が良いです。ペアリング表現は味覚の同調・補完の視点が有効です。例えば、濃厚なチョコレート菓子とは同調して果実味と甘さが響き合います。一方で、羊肉のような旨みの強い肉料理とは補完的に合わせると脂の重さをワインの甘みが引き締め、味わいにバランスが生まれます。

  • 濃厚なチョコレートやチョコレートケーキ(同調)
  • ブルーチーズや熟成チーズ(補完)
  • ナッツやドライフルーツの盛り合わせ(同調)
  • ラムや煮込み料理のしっかりした一皿(補完)

保存と開栓後の扱い

未開封のLBVは比較的長期保存に耐えますが、保存は直射日光を避け温度変動の少ない場所が望ましいです。開栓後は濾過の有無で扱いが変わります。濾過されたLBVは冷蔵庫で数日から1週間程度を目安に楽しめます。濾過されていないタイプは澱が出る場合があるため、開けたら早めに飲むか、デキャンタして香りを楽しみながら提供すると良いでしょう。

LBVの楽しみ方のヒント

  • 少量ずつゆっくり味わう:濃厚なため少量でも満足感が高い
  • チューリップ型グラスで香りを拾う:果実やスパイスを感じやすくなる
  • 食後のコーヒー代わりに:甘さと余韻が食後の余韻を豊かにする
  • 料理とのペアリングで味わいの幅を試す:同調・補完の組み合わせを楽しむ

まとめ

LBVはヴィンテージ由来の果実味と樽熟成の調和を楽しめるポートのスタイルです。ヴィンテージ表示がありながら比較的手軽に飲める点が魅力で、濾過の有無やボトリングの方針で表情が変わります。デキャンタや適温、チューリップ型グラスを用いることで香りと味わいが引き立ち、料理とは味覚の同調・補完の視点で合わせると相性が良くなります。

  • LBVは単一ヴィンテージを数年樽熟成して瓶詰めしたポートで、比較的早く楽しめる
  • 濾過の有無で飲み方が変わるため、ラベル表記を確認してデキャンタ等を検討する
  • 提供は10〜14℃、チューリップ型グラスを推奨。ペアリングは味覚の同調・補完を意識する

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