カバ生産者別味わい比較表|スタイルの違い

カバ生産者別味わい比較表|スタイルの違い

カバ生産者ごとのスタイルの違いを比較し、製法ごとの特徴や甘辛度、適したグラス・ペアリングをわかりやすく解説します。

カバとは

カバはスペインで造られる代表的なスパークリングワインの一つです。ラベルに記されるアペラシオンは、ここでは「法的に保護・規定された原産地呼称」としてのDO Cavaを指します。産地や生産者ごとに製法や熟成期間が異なり、それが香りや泡の性格、味わいの厚みを左右します。

カバの主な製法

  • 瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル): 瓶内で二次発酵を行い、澱抜きを経る製法。きめ細かい泡と複雑な熟成香が生まれる傾向がある。
  • タンク内二次発酵(シャルマ方式): 大型タンクで二次発酵を行い、フレッシュな果実味を保つ。比較的フルーティで早飲み向き。
  • 炭酸ガス注入(ガス注入法): 完成したワインに炭酸を注入する方法。手軽で果実味主体のライトなスタイルになることが多い。

生産者別味わい比較表

生産者代表的な製法味わいの傾向甘辛度の目安推奨グラスペアリングアペラシオン
Freixenet(フレシネ)瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル)を中心に一部シャルマを併用爽やかな果実味と程よい熟成香のバランス。飲みやすさを重視する傾向ブリュット〜エクストラ・ドライフルート型魚介や前菜と味覚の同調・補完が得意法的に保護・規定された原産地呼称(DO Cava)
Codorníu(コドーニュ)瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル)が中心フルーティで清潔感のある酸味と軽やかな余韻ブリュットチューリップ型白身魚や軽い前菜と味覚の同調・補完法的に保護・規定された原産地呼称(DO Cava)
Raventós i Blanc(ラベントス・イ・ブラン)瓶内二次発酵(長期熟成を行うことが多い)ミネラル感と複雑な熟成香。骨格がしっかりしている傾向ブリュット〜ブリュット・ナチュールチューリップ型貝類やクリーミーな料理と味覚の同調・補完法的に保護・規定された原産地呼称(DO Cava)
Gramona(グラモナ)瓶内二次発酵(長期澱熟成)熟成によるナッツやトースト系のニュアンスが豊かでリッチブリュット・ナチュール〜ブリュットチューリップ型濃厚な魚料理や和食の旨味と味覚の同調・補完法的に保護・規定された原産地呼称(DO Cava)
Recaredo(レカレド)瓶内二次発酵(長期澱熟成、澱抜きを実施)非常にドライでミネラル主体、熟成香が強いタイプが多いブリュット・ナチュール〜ブリュットチューリップ型塩味のある料理や貝類と味覚の同調・補完法的に保護・規定された原産地呼称(DO Cava)
Juvé & Camps(ユベ・イ・カンプス)瓶内二次発酵と一部シャルマの併用フレッシュな果実味と上品な熟成感のバランスブリュットフルート型揚げ物やチーズと味覚の同調・補完法的に保護・規定された原産地呼称(DO Cava)

表の読み方と生産者の選び方

表は「製法→味わい→甘辛度→グラス→ペアリング」の流れで読むと選びやすくなります。製法は味わいの大枠を決めます。メトード・トラディショネル主体の生産者は泡のきめ細かさと熟成香が得意です。シャルマ方式主体は果実味が前に出てフレッシュです。ガス注入法はライトで日常使い向きです。

  • 食事重視なら、料理との味覚の同調・補完を基準に選ぶ。魚介なら酸味やミネラルを持つものを。
  • お祝い向きや贈答なら、メトード・トラディショネルで長期熟成を経たスタイルを選ぶと複雑さが楽しめる。
  • グラスは注ぐ目的で選ぶ。繊細な泡と香りのバランスを重視するならチューリップ型、立ち上がる泡と軽快さを楽しむならフルート型。

製法の詳細

以下は主要な製法と、その味わいへの影響です。用語は初出で簡潔に説明しています。瓶内二次発酵(メトード・トラディショネル)は、一次発酵で造ったワインを瓶に詰めて再び瓶の中で発酵させる方法です。二次発酵で生じたCO2がワインに溶け込み泡になります。二次発酵後は澱と接触させる期間があり、最後に澱抜き(デゴルジュマン)を行います。これによりきめ細かい泡と熟成によるブリオッシュやナッツのニュアンスが生まれます。

表記味わい残糖量(g/L)
ブリュット・ナチュール極辛口0-3g/L
エクストラ・ブリュット辛口0-6g/L
ブリュット辛口0-12g/L
エクストラ・ドライやや辛口12-17g/L
セックやや甘口17-32g/L
ドゥミ・セック甘口32-50g/L
ドゥー極甘口50g/L以上

シャルマ方式(タンク内二次発酵)は密閉タンクで二次発酵を行い、発生した炭酸をワインに保持します。フレッシュな果実味を残しやすく、早飲み向きのスタイルが多いです。炭酸ガス注入(ガス注入法)は完成したワインに炭酸を加える方法で、コストを抑えつつ軽やかな飲み口を実現します。

カバとシャンパーニュの違い

カバとシャンパーニュはどちらも瓶内二次発酵で造られるスタイルがありますが、法的な定義や伝統、認可品種、熟成規定に違いがあります。以下にシャンパーニュに特有のルールを示します。

  • 定義: シャンパーニュ地方で、定められた規定に基づき瓶内二次発酵で造られたスパークリングワイン。
  • 認可品種: シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが主に認められている。
  • 熟成規定: ノン・ヴィンテージは最低15ヶ月、ヴィンテージは最低36ヶ月の瓶内熟成が規定されている。
  • 生産者区分: NM、RM、CMなどの区分がある。

まとめ

  • 製法で味わいは大きく変わる: メトード・トラディショネルは熟成と複雑さ、シャルマ方式はフレッシュな果実味を与える。
  • 生産者ごとの傾向を知って選ぶ: 長期澱熟成を行う生産者はナッツやトースト系の熟成香が出やすく、短熟の生産者は果実味が前に出る。
  • ペアリングでは味覚の同調・補完を意識する: 料理の要素とワインの酸味やミネラル、熟成香がどのように響き合うかを基準にグラス選びも含めて選ぶ。

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