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グリーンハーベストとは|収量制限で品質向上

グリーンハーベストとは|収量制限で品質向上

グリーンハーベストは、未熟房の摘除で収量を抑え、果実の熟度と凝縮感を高める農作業です。効果・タイミング・注意点を初心者向けに解説します。

グリーンハーベストとは

グリーンハーベストは、収穫前に未熟な房や過剰な房を手作業で摘み取る作業です。収量制限の一種で、ブドウの木が持つ資源(養分、水分)を残した房へ集中させ、糖度や色素、アロマの凝縮を促します。栽培上の選択的な施策であり、単独で品質を決めるものではなく剪定や葉面管理、土壌管理など他の工程と組み合わせて効果を発揮します。

目的と効果

品質への影響

主な効果は以下の通りです。まず果実が残ることで糖度やポリフェノールの蓄積が進みやすくなり、香りの凝縮や色合いの安定につながります。タンニンは完熟に伴って角が取れ、渋みが和らぐ傾向が期待できます。また熟度が揃うことで収穫時の選果が容易になり、醸造上の品質管理がしやすくなります。

  • 長所: 果実の凝縮感が増す。成熟が揃いやすく、収穫管理がしやすい。
  • 長所: 高品質を目指す際の選択肢として有効。特に高密植や豊産年に効果を発揮。
  • 短所: 収量が確実に減るため経済的負担が増す。
  • 短所: タイミングや取り方を誤ると果実の光合成が不足し、未熟な風味が残る可能性がある。
  • 短所: 手作業が中心で労働力コストが高い。

実際の方法とタイミング

グリーンハーベストの実施時期は地域や品種、当年の生育状況で変わります。一般に花落ち後から果実肥大期の中盤にかけて行うことが多いです。早すぎると木の回復力が強く、結実が再び進むことがあります。遅すぎると既に果実の成分が固定されて効果が出にくくなります。取り方は房ごと摘む、房の一部を切り詰める、枝ごと選択するなど多様です。手入れは人的要素(慣習・知識・継承)に基づく判断が重要です。

時期実施の目安期待される効果注意点
開花直後〜結実期花落ち直後に生育過多を判断して摘房着果を減らして果実間の競合を抑える早すぎると再結実や樹勢の強さで効果が薄れる
果実肥大期中盤ベリーが小さい段階で過剰房を除去糖度や凝縮感の向上が期待できる遅すぎると熟度の向上が限定的
ベリー成熟期直前最終的な選果として行う成熟の均一化、病果の除去に有効実施後の回復機会が少なくリスク高

どの品種・産地で行われるか

グリーンハーベストは高い凝縮感を求める場合に採用されやすく、ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなどの品種で実施例が多く見られます。ただし実施の可否は品種特性だけで決まるわけではありません。ミクロクリマ(畑レベルの局所的な気候条件)や土壌、樹齢、密植度といったテロワールの要素が重要です。さらに人的要素としての慣習・知識・継承も意思決定に影響を与えます。

シャンパーニュ補足: 「シャンパーニュ」というアペラシオンは、定義された原産地において、その土地特有のテロワールと、定められた栽培・醸造規定に基づいて造られたスパークリングワインにのみ使用が認められています。シャンパーニュ生産者は、収量管理や剪定法を含む規定に従う必要があります。

注意点とトレードオフ

グリーンハーベストは有効な管理手段ですが、万能ではありません。主な注意点は次の通りです。収量の減少は直接的な経済的影響をもたらします。特に年毎の変動が大きい場合はリスクになります。また労力のかかる作業であり、人手不足では実施が難しい。さらに実施タイミングを誤ると未熟な香りが残ったり、果実が十分に成熟しないことがあります。したがって剪定や葉面管理、灌水管理と合わせた総合的な判断が必要です。

まとめ

  • グリーンハーベストは未熟房の摘除による収量制限で、果実の熟度と凝縮感を高める手法です。
  • 効果は品種やミクロクリマ、土壌、樹齢、人的要素(慣習・知識・継承)に左右されるため、総合的な判断が必要です。
  • 実施時期と方法を誤ると逆効果になるため、剪定や葉面管理と組み合わせ、経済的な影響を考慮して行ってください。

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