エフュイヤージュとは|除葉作業の意味
エフュイヤージュ(除葉作業)の意味と目的、実際の方法、注意点、テロワールとの関係を初心者にもわかりやすく解説します。
エフュイヤージュとは
エフュイヤージュは仏語のeffeuillageに由来する用語で、日本語では除葉作業と呼ばれます。主に房周りや冠芽周辺の葉を取り除き、果房に光を当てたり、葉群の内側の通気を良くしたりする作業です。初出時に説明すると、除葉作業は単なる葉の除去ではなく、ブドウの成熟や健康管理を目的とした栽培技術の一つです。
目的と期待される効果
- 日照の改善:果実に直接日が当たり、表皮の色づきや糖度の向上に寄与することがある
- 通気の向上:房周りの湿度を下げ、うどんこ病や灰色かび病などの病害発生リスクを抑える効果が期待される
- 熟度の均一化:房内部の空気循環が改善されることで、果粒の成熟ムラを減らす目的で行われる
- スキン・フルーツの性格付け:香りやタンニンの抽出に影響を与え、ワインのスタイル調整に用いられる
- 収穫作業の効率化:房の視認性が上がり、収穫や選果が行いやすくなる
実際の方法とタイミング
除葉の方法は軽い摘葉から房周りの大きな開口まで幅があります。手作業で一枚ずつ取る方法が基本で、小規模な区画や良質ワインでは手作業が主流です。機械で行う場合は速度や刃の設定で除去量を調整します。重要なのは目的に合わせて範囲と強さを決めることです。
タイミングの目安
| 時期 | 狙い |
|---|---|
| 開花直後〜果房形成期 | 若い葉や節間の密度を調整し、果房の基礎的な日照と流通を確保する |
| ヴェレゾン(色づき)前後 | 色づきや糖度の向上、病害リスク低減を狙う主要な時期 |
| 成熟期直前 | 最終的な日照調整や収穫前の観察性を高めるが、過度は日焼けリスクを招く |
注意点とリスク
- 過度な除葉は日焼けや果実の乾燥を招くことがある
- 風や高温が強い地域ではミクロクリマを悪化させる場合がある
- 収量と品質のバランスを崩さないよう、目的を明確にして実施する
- 新しい慣行を導入する際は小区画で試験的に行うとよい
例えば日照を増やした結果、日中の直射光が強く果皮が焼けることがあります。また、葉は光合成で糖を生産する器官でもあるため、除去量が多すぎると成熟に悪影響を与える可能性があります。したがって、除葉は気候傾向や品種特性、ブドウの生育状況を見て行う必要があります。
テロワールとの関係
エフュイヤージュはテロワールと密接に関係します。ここで用語を再確認すると、テロワールは土地・気候・人的要素の総体です。人的要素には「慣習・知識・継承」を含むため、どのように除葉を行うかはその土地の栽培技術や歴史的実践に基づきます。
畑ごとの局所的な気候はミクロクリマ(畑レベルの局所的な気候条件)として作用します。除葉はミクロクリマを意図的に変化させる手段の一つで、例えば早朝の通気を良くして湿度を下げるなど、病害管理や成熟促進に寄与します。一方で、クリマ(自然条件と歴史的利用が結びついた最小単位のテロワール区画)やリュー・ディ(品質区分を伴わない歴史的な畑名)の特性を損なわない配慮も必要です。
シャンパーニュにおける補足
「シャンパーニュ」というアペラシオンは、定義された原産地において、その土地特有のテロワールと、定められた栽培・醸造規定に基づいて造られたスパークリングワインにのみ使用が認められている。シャンパーニュ地方では湿潤な気候のため灰色かび病のリスクが高く、除葉を行うことで果房周辺の通気を改善し病害リスクを下げる目的で実施されることがあります。ただし、シャンパーニュでもタイミングと方法は生産者の方針やクリマごとの条件で異なります。
まとめ
- エフュイヤージュは除葉作業で、日照と通気を改善して成熟や病害管理を助ける栽培技術である
- 効果は産地・品種・ミクロクリマによって異なるため、目的に応じたタイミングと範囲の設定が重要である
- テロワール(土地・気候・人的要素の総体)やクリマ、リュー・ディとの関係を踏まえて、人的要素としての慣習・知識・継承を尊重しつつ実施する