第三アロマとは|熟成由来のブーケを解説
第三アロマ(熟成由来のブーケ)について、発生要因・代表的な香り・実践的な嗅ぎ方・温度とグラス選びを初心者向けに解説します。手順や代替案、やってはいけないことも明記。
第三アロマとは
第三アロマは熟成由来の香りで、英語でいうtertiary aromaに相当します。一次アロマ(ブドウ由来)や二次アロマ(発酵由来)と区別されます。熟成により生まれるため「ブーケ」や「熟成香」と表現されることが多いです。初めて聞く人にもわかるよう、簡潔に説明します。
第三アロマが生まれるしくみ
第三アロマは複数の要因が重なって生まれます。主な要因は樽熟成、瓶内熟成、酸の変化や微生物による影響です。マロラクティック発酵(MLF)はリンゴ酸が乳酸に変わる過程で、酸味が穏やかになりバターやクリームのようなニュアンスが生まれます。シュール・リーは澱と接触させる熟成で旨みや複雑さを与えます。これらが時間をかけて結びつき、ナッツやトースト、タバコ、ハチミツといった第三アロマにつながります。
第三アロマの代表的な香り
- フルボディ赤:タバコ、皮革、ドライベリー、コーヒーのような香り
- ミディアム〜ライト赤:ドライフルーツ、スパイス、乾いた草のニュアンス
- フルボディ白:ハチミツ、アーモンド、トースト、バター様のニュアンス
- ライト白:はちみつやドライフルーツの控えめなニュアンス
- スパークリング:ビスケット、トースト、イースト香(瓶内二次発酵由来)
第三アロマを感じるための準備
香りは温度やグラスで開き方が変わります。次の標準を参考にし、ワインタイプごとに適温とグラスを合わせてください。グラス形状はチューリップ型、バルーン型、フルート型のいずれかを選びます。
"温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。
ワインタイプ別適温の標準値を守ると、第三アロマが最も明瞭になります。フルボディ赤は16-18℃、ミディアムボディ赤は14-16℃、ライトボディ赤は12-14℃、フルボディ白は10-12℃、ライトボディ白は8-10℃、スパークリングと甘口・デザートワインは6-8℃です。グラス選びはガイドに従うと良いでしょう。
具体的なテイスティング手順
- 温度を整える:冷蔵庫やワインクーラーで適温にする。例:フルボディ赤は16-18℃に調整する。
- ボトルを開ける:古いワインはゆっくり開栓する。コルク片の混入を避けるためにコルクを観察する。
- デキャンタージュ:古い赤はデキャンタで空気に触れさせる(目安15〜60分、熟成度に応じて)。代替案:デカンタがない場合は耐熱ガラスのピッチャーや別ボトルへ何度か注ぎ替える。
- グラスに注ぐ:白はチューリップ型、ライト赤はバルーン型、フルボディ赤はチューリップ型、スパークリングはフルート型を使う。
- 観察と香り:最初に静かに香りを嗅ぎ、次に軽くスワリングして香りの変化を追う。鼻先に近づけ過ぎないよう注意する。
- 味わい:少量を口に含み、香りとの関係を観察する。温度が低すぎないか高すぎないかを確認する。
代替案とやってはいけないこと
専門器具がない場合の代替案と失敗例を示します。代替案としては、急冷は氷水(氷+水)にボトルを20〜30分浸す方法、デキャンタがない場合は別の耐熱容器に移し替えて空気に触れさせる方法があります。やってはいけないこととしては、過度に温める、氷を直接ボトルに大量投入して希釈する、開栓後すぐに高温の場所に置くことです。
失敗を避けるためのチェックリスト
- 温度を確認する(可能ならワインサーモメーターを使用)
- グラスは清潔で香り移りがないものを使う
- デキャンタや代替手段で適度に空気に触れさせる
- 香りを確かめるときは深呼吸しすぎない(嗅覚が疲れる)
| ワインタイプ | 適温 | 推奨グラス | 代表的な第三アロマ |
|---|---|---|---|
| フルボディ赤 | 16-18℃ | チューリップ型 | タバコ、皮革、コーヒー、ドライベリー |
| ミディアムボディ赤 | 14-16℃ | チューリップ型 | スパイス、ドライフルーツ、トースト |
| ライトボディ赤 | 12-14℃ | バルーン型 | ベリーのドライ化、乾いた草のニュアンス |
| フルボディ白 | 10-12℃ | チューリップ型 | ハチミツ、アーモンド、バター様のニュアンス |
| ライトボディ白 | 8-10℃ | チューリップ型 | 白桃のドライ化、はちみつの控えめな香り |
| スパークリング | 6-8℃ | フルート型 | ビスケット、トースト、イースト香 |
よくある誤解と補足
第三アロマが強い=良いワインではありません。熟成による香りは好みの問題であり、若いワインの一次・二次アロマの鮮烈さを好む人も多くいます。また、温度やグラスによって香りの印象は大きく変わる点を覚えておくとよいでしょう。
まとめ
- 第三アロマは熟成由来の香りで、樽熟成や瓶内熟成、MLFなどが関与することが多い。
- 適温(例:フルボディ赤16-18℃、フルボディ白10-12℃)と適切なグラス(チューリップ型等)で香りが開きやすくなる。
- 実践的な手順(温度管理、デキャンタ/代替案、嗅ぎ方)を守ることで第三アロマの評価が安定する。