ワインの香りの取り方|第一・第二・第三アロマ

ワインの香りの取り方|第一・第二・第三アロマ

ワインの香りの取り方を第一・第二・第三アロマの観点から解説します。温度(数値)やグラス選び、具体的な手順、代替案、失敗回避まで初心者にも分かりやすくまとめました。

第一・第二・第三アロマとは

ワインの香りは層構造を持ち、観察の順序を意識すると捉えやすくなります。第一アロマはブドウ自体の香りで、果実、花、ハーブなどが含まれます。第二アロマは発酵や酵母由来の香りで、パンやイースト、発酵香が該当します。第三アロマは熟成で生まれる香りで、樽由来のバニラやトースト、長期熟成によるドライフルーツや土のニュアンスなどです。

香りを引き出す準備

グラス選びと扱い

グラスは香りを集める器具です。標準ガイドに従い、フルボディ赤はチューリップ型、ライトボディ赤はバルーン型、白ワイン全般はチューリップ型、スパークリングはフルート型を基本に選びます。グラスは指紋や油分があると香りが判別しにくくなるため、使う前に温かくないぬるま湯で軽くすすぎ、布で拭くか自然乾燥させると良いでしょう。

温度管理の基本

温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。以下はタイプ別の適温の標準値です。

ワインタイプ適温(℃)推奨グラス
フルボディ赤16-18チューリップ型
ミディアムボディ赤14-16チューリップ型
ライトボディ赤12-14バルーン型
フルボディ白10-12チューリップ型
ライトボディ白8-10チューリップ型
スパークリング6-8フルート型
甘口・デザートワイン6-8チューリップ型

実践:香りの取り方 手順

ここからは、実際に香りを取るための具体的な手順です。準備ができたら、順を追って試してください。各ステップで温度やグラスの影響を意識すると、第一〜第三アロマを層ごとに判別しやすくなります。

  • 1. ボトルを開ける前にラベルを読み、ブドウ品種や樽熟成の有無を確認する。樽熟成があると第三アロマが現れやすいです。
  • 2. 適温に調整する。例:フルボディ赤は16℃〜18℃、ライトボディ白は8℃〜10℃。急冷する場合は氷水(氷+水)にボトルを20〜30分浸す。
  • 3. グラスに注ぐ(注ぐ量はグラスの1/3程度)。香りを立たせたいときは注いでから30秒ほど置くと第二アロマが出やすくなる場合がある。
  • 4. 観察する(視覚)。色や澄み具合を見て、ワインの年齢感や濃さの手掛かりにする。
  • 5. 静かに香りを嗅ぐ(第一印象)。グラス底から軽く顔を離して、やや遠くで全体の香りを捉える。ここで果実や花の印象(第一アロマ)を探す。
  • 6. スワリング(軽くグラスを回す)。空気と触れさせることで第二アロマや樽香が開く。適度な回転で波紋を作るように回す。
  • 7. 再度嗅ぐ(層を追う)。スワリング後はグラス口近くで深く嗅ぎ、発酵由来の香りや熟成香(第二・第三アロマ)を意識する。
  • 8. 口に含みながら鼻で香りを追う(エアロネーゼ)。口内で香りを開かせ、呼気で鼻に抜ける香りを確認すると第三アロマの余韻が分かりやすい。

専門器具がない場合の代替案

  • グラスが無い場合は口が広めのコップを使う。香りは大きめの容器ほど広がるため、口が狭すぎないものを選ぶ。
  • サーモメーターが無い場合は:白ワインは冷蔵庫から出してすぐ(約8-10℃)、赤ワインは冷蔵庫から出して20〜30分置く(約14-18℃の目安)。
  • デキャンタ(デカンター)が無い場合は、ボトルからグラスへ注ぎ替えるだけでも空気に触れるので効果がある。

やってはいけないこと

  • 温度を無視して飲む:高すぎるとアルコール感が立ち、低すぎると香りが閉じる。必ず適温にする。
  • グラスを手の体温で強く温める:軽く手で持つ程度なら問題ないが長時間は温度上昇を招く。
  • 強く息を吹き込むように嗅ぐ:香りを潰して詳細が分かりにくくなる。リラックスして数回に分けて嗅ぐ。
  • 氷を無造作に入れる:希釈され風味がぼやける。どうしても冷やしたい場合は氷水で急冷するか、クーラースリーブを使う。

タイプ別の香りの例と実践ポイント

ワインタイプ第一アロマ(原料)第二アロマ(醸造)第三アロマ(熟成)適温(℃)
ライトボディ赤(例: ピノ・ノワール)赤系果実、チェリー、イチゴ軽いスパイスや発酵香土や乾いたハーブ12-14
フルボディ赤(例: カベルネ・ソーヴィニヨン)黒系果実、ブラックベリーローストやスパイス、ココアのニュアンスタンニン由来の皮革感やタバコ香16-18
ライトボディ白(例: ソーヴィニヨン・ブラン)柑橘、グリーンハーブフレッシュな発酵香ミネラル感やハーブのドライなニュアンス8-10
フルボディ白(例: 樽熟成シャルドネ)熟したリンゴや洋ナシバター、パン生地のような発酵香バニラ、トースト、ヘーゼルナッツ10-12
スパークリング青リンゴやレモンの皮トーストやイースト感(瓶内二次発酵由来)熟成したナッツやトースト6-8

よくある失敗と対策

  • 香りが分からない:グラスを変えてみる、温度を少し上げる(赤は数℃、白は数℃)と香りが開くことがある。
  • アルコール感が強く感じる:温度が高すぎる可能性がある。冷蔵庫で10〜20分冷やして再試飲する。
  • 香りがぼやける:グラスに油分が付いていることが多い。ぬるま湯で洗い直してから再度試す。
  • 香りが一方向しか感じられない:時間経過で香りは変化する。注いでから数分おいて再確認する。

まとめ

ワインの香りは層になっていて、第一アロマ→第二アロマ→第三アロマの順に意識すると捉えやすくなります。温度管理(数値)と適切なグラス選びが重要です。以下は覚えておきたい重要ポイントです。

  • 適温を守る:フルボディ赤16-18℃、ミディアムボディ赤14-16℃、ライトボディ赤12-14℃、フルボディ白10-12℃、ライトボディ白8-10℃、スパークリング6-8℃。温度により香りと味のバランスが変わる。
  • 順を追って香りを取る:まず第一アロマ(原料)、次にスワリングで第二アロマ、最後に時間経過と口内で第三アロマを確かめる。
  • 実践と代替案を活用する:専門器具がなくても氷水や広めのコップ、グラスの扱い方でかなりの香りを読み取れる。やってはいけないことを避けることで精度が上がる。

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