ワインとは(総論)5分で読める

収穫から瓶詰めまで|ワイン醸造の全工程

収穫から瓶詰めまで|ワイン醸造の全工程
#入門

収穫から瓶詰めまで、ブドウの扱い方から発酵・MLF・熟成・瓶詰めまでの工程を初心者向けに解説します。

収穫から瓶詰めまでの流れ

ワインはブドウが原料であり、畑で始まり瓶で完結します。収穫(ハーベスト)で品質が決まり、醸造所で行う工程の選択が最終的な味わいを左右します。以下では各工程の目的と実務を順に見ていきます。

主要6タイプのワイン

  • 赤ワイン:黒ブドウを皮と共に発酵させ、タンニンや色素を抽出して造る。代表品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール。
  • 白ワイン:主に白ブドウの果汁のみを発酵させる。酸味と果実味が際立つ。代表品種はシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。
  • ロゼワイン:黒ブドウを短時間皮と接触させて色と香りを引き出す。軽やかで食事に合わせやすい。
  • スパークリングワイン:発酵中に発生する二酸化炭素を閉じ込めた泡のあるワイン。シャンパーニュ、カヴァ、プロセッコなど製法や産地で多様。
  • 酒精強化ワイン:発酵中または発酵後に蒸留酒を加えてアルコール度数を高めたワイン(例:ポート、シェリー、マデイラ)。
  • オレンジワイン:白ブドウを皮ごと発酵させることでタンニンと色素を抽出したワイン。ジョージア由来の伝統的なクヴェヴリ製法と親和性が高い。

ワインの歴史的背景と出典

ワインの起源は約8,000年前、ジョージアの考古学的調査による発見にまで遡ります(出典: 考古学的調査、約8,000年前、ジョージア)。近代の転機として1976年に行われたパリスの審判は有名で、主催はスティーブン・スパリュアです(出典: 1976年、スティーブン・スパリュア主催)。ブドウ品種の遺伝的関係や系譜についてはDNA解析の研究が進み、例えばカリフォルニア大学デービス校(UC Davis)のCarole Meredith博士らの研究が品種判別に貢献しています(出典: UC Davis, Carole Meredithらの研究)。これらの出典はワインの起源と現代的理解を補強します。

醸造工程の詳細

収穫(ハーベスト)

収穫は糖度、酸度、風味のバランスを見て決めます。手摘みは房の選別が容易で品質管理に有利、機械収穫は効率的です。収穫時の果実の温度や時間帯(早朝が好まれることが多い)も品質に影響します。

除梗・破砕(除梗と軽い破砕)

除梗で茎を取り除き、破砕で果汁を取り出します。赤ワインは皮ごと発酵させるため破砕後に果皮と果汁を一緒に扱います。除梗の程度や破砕の強さは後の抽出に影響します。

発酵(アルコール発酵)

発酵は酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解するプロセスです。温度管理や酵母の選択、発酵容器(ステンレスタンク、オーク樽、クヴェヴリ等)が香味に大きく影響します。赤は皮と共に高温気味で、白は果汁のみを低温でゆっくり発酵させるのが一般的です。

マロラクティック発酵(MLF)

MLFは乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換される二次発酵で、酸味がまろやかになり風味にバターやクリーミーなニュアンスを加えることがあります。すべてのワインで行うわけではなく、醸造家はスタイルに合わせてMLFを促進するか抑制するかを決めます。

圧搾・熟成

赤は発酵後に圧搾して果皮を取り除き、白は先に圧搾して果汁だけを発酵させます。熟成はステンレスタンクやオーク樽、コンクリートやクヴェヴリなど容器の選択によって風味が変わります。オーク樽はバニラやスパイスの香りを付与し、ステンレスは果実味を保ちます。熟成期間もワインの骨格と調和を生みます。

清澄・ろ過、瓶詰め

熟成後、酵母や浮遊物を取り除くため清澄やろ過を行い、安定化処理の後に瓶詰めします。瓶詰め時の酸化管理や充填技術も品質保持に重要です。スパークリングワインは二次発酵や加圧工程が加わるため、瓶内二次発酵(シャンパーニュ製法)やシャルマ方式など製法ごとの工程差に注意が必要です。

工程主な目的ポイント
収穫成熟したブドウを収穫し品質を決定収穫時期・温度管理、手摘みと機械の選択
除梗・破砕果汁と果皮の分離または同時処理抽出量は破砕・浸漬時間で調整
発酵糖をアルコールと二酸化炭素に変換酵母選択と温度管理が風味を左右
MLF乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換酸味を和らげ風味を円熟させるか否かを判断
熟成ワインの骨格と風味を整える容器と期間で香味が変化
清澄・ろ過・瓶詰め安定化と商品化酸化対策と衛生管理が重要

保存と飲み頃の基本

保存は温度変化が少ない涼しい場所で行い、理想的には12〜15℃程度、湿度は高すぎず低すぎない環境が望ましいです。開栓後は冷蔵保存し、スパークリングは早めに、赤や白は数日内を目安に楽しんでください。飲み頃はワインのタイプや熟成ポテンシャルにより異なりますが、若いうちは果実味を楽しみ、熟成は時間とともに複雑さが増します。

初心者のための選び方と実践ポイント

  • 目的で選ぶ:普段飲みなら価格帯のバランス、特別な場ならスパークリングやフルボディの黒ブドウ品種を検討
  • ブドウ品種で選ぶ:好みの香味傾向(例えばカベルネ・ソーヴィニヨンは骨格、シャルドネは豊かな果実味)を基準にする
  • 産地で選ぶ:気候や土壌で同じ品種でも味わいが変わるため、気に入った産地を見つける

まとめ

  • 収穫時の判断が品質の要:糖度・酸度・風味のバランスが最終ワインを左右する
  • 発酵とMLFの選択でスタイルが決まる:発酵(酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解)とMLF(乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変換)の扱いが味わいを大きく変える
  • 熟成容器と瓶詰め管理が完成度を高める:オークやステンレスの選択、酸化管理が長期品質を左右する

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