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グレコ・ディ・トゥーフォDOCG|古代品種の復興

グレコ・ディ・トゥーフォDOCG|古代品種の復興

グレコ・ディ・トゥーフォDOCGはカンパーニア州アヴェッリーノの古代白ブドウ品種グレコを軸に復興した法的に保護・規定された原産地呼称の白ワインです。産地の地理・気候や味わい、代表生産者、飲み方をわかりやすく解説します。

基本情報

名称: グレコ・ディ・トゥーフォDOCG(法的に保護・規定された原産地呼称)。所在地: イタリア、カンパーニア州アヴェッリーノ県周辺。主要スタイル: 辛口の白ワイン。キーワード: グレコ・ディ・トゥーフォDOCG、グレコ、トゥーフォ。

地理・気候とテロワール

位置と緯度: 生産地はおおむね北緯約41.0°付近、アヴェッリーノ県の山麓〜丘陵地帯に広がります(出典: Istituto Geografico Nazionale / 地域資料)。気候区分: 地中海性気候(Köppen Csa)を基調に、内陸性の季節変動と海洋性の緩和が混在します(出典: ARPACampania)。年間降水量: 年間降水は地域差がありますがおおむね700〜1,100mmの範囲となる地点が多く、分布は標高や北向き斜面で変動します(出典: ARPACampania)。

土壌と地形: 地名にもある通り、火山性のトゥーフォ(凝灰岩)や石灰質を含む土壌が特徴です。これらは水はけが良く根域でのミネラル表現を促します。畑は海抜約300〜600mの丘陵に位置することが多く、昼夜の寒暖差が酸の保持と香りの発達に寄与します。人的要素を含むテロワールの説明: 高密度植栽、伝統的な垣根仕立てや短梢剪定、収穫時期の選定など栽培者の判断が最終的なワインの個性を形作ります(テロワール=土地・気候・人的要素の総体)。

主要品種と栽培

認可品種と主要栽培品種

認可品種: 主にグレコ(白ブドウ品種)を基軸とし、法規では補助的に同地域の他の白ブドウ品種が許容されています。主要栽培品種: グレコが圧倒的に中心で、歴史的にはコーダ・ディ・ヴォルペなどの白ブドウ品種が混植されることが多いです(出典: Consorzio di Tutela Greco di Tufo)。

格付け・等級(DOCGの説明)

グレコ・ディ・トゥーフォはDOCG(法的に保護・規定された原産地呼称)に分類されます。DOCGはイタリア政府(MIPAAF: 農林食品政策省)が定める等級制度で、当該地域のブドウ栽培と醸造に対する厳格な規定が設けられます。制定年と制定機関: DOCG認定の制定年および詳細規定はMIPAAFが公示するもので、地域ごとの規則はコンソルツィオ(産地保護組合)が運用監督します(出典: MIPAAF / Consorzio di Tutela Greco di Tufo)。

代表的生産者と選定理由

  • Feudi di San Gregorio — 地域復興に積極的で品質向上に投資したことで知られる大手生産者。モダンな醸造と地域伝統の両立が評価されている(出典: 各社情報)。
  • Mastroberardino — 古くからの家族経営で、土着品種の保存と研究に長年取り組んできた歴史的存在。地域品種の復興に寄与している(出典: 企業史料)。
  • Terredora di Paolo — 地域の特徴を反映した手仕事的な造りで知られ、ローカル市場と輸出の両面でグレコ・ディ・トゥーフォを代表する生産者の一つとされる(出典: 各社情報)。

味わいの特徴と製法

味わい: グレコ・ディ・トゥーフォは柑橘や白い果実の香り、はっきりとした酸味、トゥーフォ由来のミネラル感が特徴です。熟成や醸造の違いで厚みや蜂蜜のニュアンスが現れるタイプもあります。醸造: ステンレスタンクでのフレッシュな仕上げのほか、シュール・リーや一部の樽熟成を取り入れる生産者もあり、スタイルは多様です。マロラクティック発酵(MLF)は全般的に限定的に使われ、酸味を活かす造りが多い傾向にあります(MLFの説明: 乳酸菌によりリンゴ酸が乳酸に変わり、酸味が穏やかになる過程)(出典: 醸造教本・産地資料)。

ペアリング(味覚の同調・補完)

グレコ・ディ・トゥーフォは酸味とミネラルが料理とよく響きます。味覚の同調の例として、レモンやハーブを効かせた白身魚のグリルは香りや酸が同調します。味覚の補完の例として、クリーミーなチーズやオイルを使った料理ではワインの酸味が脂の重さを補完し、口中をリフレッシュします。季節の野菜やシーフード、軽めのパスタ類と幅広く合わせやすいです。

選び方とサービス

選び方: ラベルにグレコ・ディ・トゥーフォDOCGと明記されているものは地域規定に沿った品質基準を満たしています。フレッシュな酸を楽しみたい場合はステンレス主体のキュヴェを、厚みや複雑さを楽しみたい場合はシュール・リーや樽を用いる生産者のキュヴェを選ぶとよいでしょう。サービス: 提供温度は冷やし過ぎないよう8〜12℃程度が目安です。

価格帯目安

カテゴリ目安
エントリー1,000円台〜1,500円以下のレンジで手頃に楽しめるワイン
デイリー1,500〜3,000円のレンジで完成度の高いDOCG表記のもの
プレミアム3,000〜5,000円で樽熟成や限定キュヴェが入手できることがある
ハイエンド5,000円以上で生産者のトップレンジや希少ヴィンテージ

歴史の概要

グレコという名称は古代ギリシャ植民の影響を示すとされ、古くから南イタリアで栽培されてきた品種です。近代には土着品種の保存と品質向上の取り組みが進み、地域アペラシオンとしての確立が進みました(出典: J. Robinson, The Oxford Companion to Wine / 地域史料)。

まとめ

  • グレコ・ディ・トゥーフォDOCGはグレコを軸にしたカンパーニアの法的に保護・規定された原産地呼称で、火山性土壌と内陸海洋性気候が個性を支える。
  • 味わいは柑橘や白い果実、明瞭な酸味とミネラル感が特徴で、料理とは味覚の同調・補完を生みやすい。
  • 選び方はラベルのDOCG表記を目安に、ステンレス主体のフレッシュ系から樽やシュール・リーを用いた複雑系まで用途に応じて選べる。

出典(主要参照): MIPAAF(イタリア農林食品政策省)、Consorzio di Tutela Greco di Tufo、ARPACampania、Istituto Geografico Nazionale、J. Robinson『The Oxford Companion to Wine』。

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