デキャンター誌の評価|イギリスの権威
デキャンター誌の評価をわかりやすく解説します。誌の役割、受賞の見方、テイスティングの仕組みと用語の意味を初心者向けに整理。
デキャンター誌とは
デキャンター誌はイギリスを拠点とするワイン専門誌で、世界のワイン事情やテイスティング、コンクールの結果を発信しています。誌が主催するコンクールや専門家のレビューは、流通や消費者の注目を集めます。ここでの「評価」は、単なる好みの表明ではなく、複数の専門家による検討を経た相対的な判断です。
誌の役割と信頼性
雑誌としての役割は情報の整理と評価の提示です。専門家の視点で生産地の特徴や醸造技術を解説し、消費者が産地やスタイルを選ぶ手がかりを提供します。評価の信頼性は審査の透明性や審査員の専門性に左右されます。複数の審査員が協議する方式は個人の偏りを抑え、客観性を高める工夫の一つです。
評価の仕組み
コンクールでの評価とメダル
デキャンター誌が関わる主要なコンクールでは、出品ワインをブラインド(銘柄不明)で複数の審査員が試飲します。審査は段階的に行われ、優れたワインにはプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、奨励賞などのメダルが付与されます。これらのメダルは品質の目安となり、同じ産地や価格帯での比較に役立ちます。
| メダル | 意味 |
|---|---|
| プラチナ | 特に優れた評価を受けたワイン。審査員の高い評価が一貫した場合に授与される |
| ゴールド | 品質が非常に高く多くの審査員に支持されたワイン |
| シルバー | 品質が良く、特定のスタイルで優れていると評価されたワイン |
| ブロンズ | バランスが取れており選択肢として有望なワイン |
| 奨励賞 | 注目すべき点があるワインに与えられる |
審査の流れとブラインドテイスティング
ブラインドテイスティングは先入観を排するために行われます。審査席には複数の専門家が座り、香り・味わい・構成・バランスなどを基準に採点や協議を行います。審査では同じロットから複数のサンプルを比較したり、異なるスタイルのワインを区分して評価することがあります。これにより、特定のテロワールや醸造技術がどのように表れているかを相対的に判断します。
評価の読み方と活用法
メダルやスコアの扱い方
メダルは品質の指標ですが、最終的な好みは個人差があります。まずはメダルを「選択の出発点」として捉え、レビューの記述(果実味、酸味、余韻など)を見て自分の好みに合うかを判断してください。複数年の評価や同誌の評価傾向を参照すると、そのワインが安定した品質かどうかを見極めやすくなります。
レビューの読み方のコツ
テイスティングコメントは香り(アロマ)や味わい、構成の記述が中心です。用語は初出時に説明がある場合が多いので、知らない語が出たら注釈を確認しましょう。特に注目すべきは生産地やブドウ品種、熟成方法の記述です。これらはテロワールや人的要素(慣習・知識・継承)と直結し、ワインの個性を理解する手がかりになります。
評価を利用する具体例
- 初めての産地を試す際の目安にする
- ギフト選びで一定の品質を確保する指標とする
- 同一生産者のヴィンテージ比較で変化を追う
専門家向けには、評価と現地情報を照らし合わせることで市場評価や流通上の強みを見極める材料になります。小売やレストランではメダル表示が購入動機を高めることがあり、評価の伝え方が重要です。
用語解説
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| テロワール | 土地・気候・人的要素の総体 |
| 人的要素 | 慣習・知識・継承を含む、土地に結びついた人の営み |
| クリマ | 自然条件と歴史的利用が結びついた最小単位のテロワール区画 |
| ミクロクリマ | 畑レベルの局所的な気候条件 |
| アペラシオン | 法的に保護・規定する原産地呼称制度 |
| リュー・ディ | 品質区分を伴わない歴史的な畑名 |
シャンパーニュ補足:シャンパーニュというアペラシオンは、定義された原産地において、その土地特有のテロワールと、定められた栽培・醸造規定に基づいて造られたスパークリングワインにのみ使用が認められています。
評価を読むときの注意点
評価は有用な指標ですが、次点の注意が必要です。まず、審査はその時点のサンプルに基づくため、ボトル差や熟成で印象が変わることがあります。次に、評価は複数の審査員の合意を反映しますが、個人の嗜好とは必ずしも一致しません。最後に、同じワインでもヴィンテージや保管状態で表情が変わるため、評価は「参考情報」として使うのが賢明です。
まとめ
- デキャンター誌の評価は専門家のブラインドテイスティングと合議に基づく品質指標で、メダルは選択の出発点になる
- レビューの記述や生産地情報はテロワール(土地・気候・人的要素の総体)や醸造手法を理解する鍵になる
- 評価は参考情報として活用し、好みやヴィンテージ差、保管状態を踏まえて判断する