
2025.06.14
フランス人、日本ワインを造る
ブルゴーニュの名手エティエンヌ・ド・モンティーユが、サンタ・バーバラと北海道という異例の地に新たな挑戦を始めたのは2017年。日本のワイン造りに心を動かされた彼は、函館に15haの畑とワイナリーを構え、2023年には初収穫を迎えました。「ここは、ほかにはないエレガントで旨味を湛えたワインが生まれる場所」と語る彼の挑戦が、北海道の可能性を照らし出しています。
「なぜ、今、日本なのか?」
ブルゴーニュの名門生産者エティエンヌ・ド・モンティーユ氏が、あえてワイン造りの新天地として選んだのは、なんと日本、しかも北海道。2015年の来日をきっかけに、日本人ワイン生産者の真摯な姿勢、逆境に立ち向かう強い意志と柔軟な創意工夫に深く感銘を受け、「この地で自分の情熱を形にしたい」と思い至ったそうです。
現在は函館近郊に15haのブドウ畑と最新のワイナリーを構え、ピノ・ノワールとシャルドネで日本の“エレガンス”を表現する挑戦を続けています。初ヴィンテージは2023年。彼は北海道のワインに「旨みの余韻が残る、優美で繊細な味わいがある」と期待を寄せています。
モンティーユ氏といえばピュリニー・モンラッシェの名手。
ピュリニー・モンラッシェ 2021👏

ドメーヌ・ド・モンティーユ / ピュリニー・モンラッシェ 2021
カジュアルなボーヌの特別キュヴェも

ドメーヌ・ド・モンティーユ / モンテリー プルミエ・クリュ レ・デュレス ブラン 2019
「厳しい気候が、個性を育てる」
日本は雨が多く、夏のモンスーンや湿度の高さから、カビ病への対策が必須。生産者たちは、ブドウ1房ずつに傘をかけたり、棚仕立てで雨を避けたりと、手間とコストをかけて品質を守っています。また、農地が限られ、ワイナリーのほとんどは超小規模。こうした中でも、生産者たちは収量を制限して質を高める工夫を重ねています。
「注目すべきは日本の白ワイン」
現地で試飲した中で特に感銘を受けたのは、甲州を用いた山梨の98Winesによるワイン。「甲州は熟成にも耐えうる」との発見がありました。また、富山のセイズファームによるアルバリーニョも、気候に適した厚い果皮を活かし、爽やかで高品質な仕上がりに。
白品種で圧倒的に人気なのは「甲州」。ヴィティス・ヴィニフェラと中国系の山ブドウの交配種で、味わいは比較的ニュートラルで刺身との相性も抜群です。
98Winesは現地では購入しやすいですが、セイズファームのアルバリーニョは現地でも入手しにくく、抽選やリーリスタイミングでのECサイトでの購入競争に勝たないと中々入手できない代物です。
「赤ワインにも魅力が広がる」
マスカット・ベーリーAは、日本で開発されたフルーティーでチャーミングな赤ワイン品種。さらに、北海道ではピノ・ノワールも本格的に始動。ド・モンティーユ氏による買いブドウからの試みや、中央葡萄酒の千歳ワイナリーによる展開など、注目の動きが次々と現れています。
特に印象的だったのが、マンズワインのソラリス ラ・クロワ(2021年ヴィンテージ)。長野のブドウを使い、国際水準の構造を備えたボルドー・ブレンド。若手醸造家の西畑徹平氏による挑戦的で洗練された赤ワインです。
銘柄違いのソラリス 千曲川 カベルネ・ソーヴィニヨン 2019

マンズワイン / ソラリス 千曲川 カベルネ・ソーヴィニヨン 2019
🍷ジャンシス・ロビンソン高評価日本ワインリスト(全19本)
白ワイン
- 98WINEs「芒(ボウ) 甲州 2022」山梨・11%
- 98WINEs「穀(コク) 甲州 2019」山梨・10.5%
- 勝沼醸造「アルガブランカ ブリリャンテ 甲州 2017」山梨・12%
- セイズファーム「プライベートリザーヴ アルバリーニョ 2023」富山・12.8%
- セイズファーム「プライベートリザーヴ アルバリーニョ 2022」富山・13.2%
- ド・モンティーユ&北海道「ケルナー 2022」北海道・12.5%
- モンガク谷ワイナリー「杤(トチ) 2018」北海道・12.5%
赤ワイン
- 千歳ワイナリー「北ワイン ピノ・ノワール プライベートリザーブ 2021」北海道・13%
- ド・モンティーユ&北海道「ピノ・ノワール 2020」北海道・12.5%
- ドメーヌ・タカヒコ「ナナツモリ ピノ・ノワール 2021」北海道・13%
- シャトー・メルシャン「椀子シラー プレミアム 2021」長野・12.5%
- マンズワイン「ソラリス ラ・クロワ 2021」長野・14%
- 丸藤葡萄酒工業「ルバイヤート プティ・ヴェルド 2014」山梨・12.5%
- ベルウッドヴィンヤード「コレクション スペリオール マスカット・ベーリーA 2023」山形・12%
- シャトー・メルシャン「マスカット・ベーリーA 2020」山梨・13%
- ダイヤモンド酒造「シャンテ Y.A Huit マスカット・ベーリーA 2018」山梨・13%

千歳ワイナリー / 北ワイン ピノ・ノワール 木村ヴィンヤード 2023

シャトー・メルシャン / 穂坂 マスカット・ベーリーA 2018
日本ワインの輸出は0.02%。ほとんどは国内で消費されていることになります。ジャンシス・ロビンソンの評価したワインは国外ではめったに飲めません。(日本国内でもめったに飲めないものも多くランクインしています。)
商品まとめ
ドメーヌ・ド・モンティーユ / ピュリニー・モンラッシェ 2021
フランス / ブルゴーニュ地方 / コート・ド・ボーヌ / ピュリニー・モンラッシェ
¥17,020 (税込)
ドメーヌ・ド・モンティーユ / モンテリー プルミエ・クリュ レ・デュレス ブラン 2019
フランス / ブルゴーニュ地方 / コート・ド・ボーヌ / モンテリー
¥7,430 (税込)
マンズワイン / ソラリス 千曲川 カベルネ・ソーヴィニヨン 2019
日本 / 長野県 / 上田市
¥5,900 (税込)
千歳ワイナリー / 北ワイン ピノ・ノワール 木村ヴィンヤード 2023
日本 / 北海道 / 余市町
¥4,400 (税込)
シャトー・メルシャン / 穂坂 マスカット・ベーリーA 2018
日本 / 山梨県 / 韮崎市 / 穂坂町
¥3,510 (税込)