🗾世界が注目する“和のワイン”──日本ワインの進化と魅力を解き明かす

🍶日本ワインとは？

「日本ワイン」とは日本産ブドウを100%使用し、国内で製造された果実酒のこと。 一方「国内製造ワイン（旧：国産ワイン）」には輸入果汁や輸入ワインを使ったものも含まれます。この2種のうち、品質とストーリーの両面ではるかに興味深いのはもちろん日本産ブドウを使った「日本ワイン」です。

📖歴史と革新

　・始まりは1549年、ザビエルがワインを贈ったのが最初。

　・本格的商業ワインは1870年代、山梨県でスタート。

　・1970年代、メルシャンの浅井昭吾氏（別名ウスケ）により、メルローの国際的評価が確立。

　・彼の教えを受けた“ウスケ・ボーイズ”が、今の日本ワインを牽引しています。3名のウスケ・ボーイズのワイナリーは「ボーペイサージュ」「城戸ワイナリー」「小布施ワイナリー」。ほいそれと簡単に購入できる代物ではございません…！

📊生産の現状

　・全国に500軒近いワイナリー（2008年の規制緩和で急増）

　・規模は非常に小さく、生産量の9割は年間100kL未満。

　・日本ワインの国内流通比率はわずか5.4%（2020年）

けれど、トップ生産者のワインはNY、パリ、ロンドンでも高評価。和食ブームと共に、静かに世界を席巻し始めています。

🌦️気候とブドウ栽培の課題

多雨・高湿度・台風・高温──ワイン造りにとって非常に過酷な環境。

それを乗り越えるための“日本ならでは”の努力：

　・房に1つずつ傘かけ

　・列ごとのビニール張りレインカット

　・北海道では雪に埋めて凍害を防ぐ特殊仕立て

　・X字短梢剪定など、伝統と技術を融合させた剪定術

この几帳面さと丁寧さこそ、日本らしさ＝“和の職人魂”の結晶です。

🍇注目の品種たち

🟣甲州（KOSHU） 日本固有の白ブドウ

山梨県で主に栽培、樽熟・スパークリングなど多彩なスタイル

2010年OIV登録、和食との相性抜群

※OIV：International Organization of Vine and Wine ブドウ・ワイン機関

山梨くらんぼんの甲州。ミカンや柚子など和柑橘に、繊細な花の香り。ほんのり樽発酵のアロマや酵母ニュアンスも感じられる、旨味系白ワイン。

🟥マスカット・ベーリーA（MBA） 川上善兵衛が開発した黒ブドウ

“フォクシー”な香りを抑えた造り手も多数

エレガントな日本的赤の代表格

マスカット・ベーリー・Aに苦手意識がある方にこそ飲んでいただきたい、熊本ワインのこちらの1本。フォクシーフレーヴァー(狐香：グレープジュースのような甘い香り)が抑えられた見事な1本です。

🟤山ブドウ交配種 非常に酸が高く、野趣あふれる個性派

山幸（北海道）やヤマ・ソーヴィニヨン（岩手）が代表

2020年OIV登録済み

ヤマ・ソーヴィニヨンが使用された新潟カーヴドッチの赤。

🌿海外品種も順調に適応 アルバリーニョ：新潟、富山、大分で急成長

メルロー：長野県塩尻地区が高評価

ケルナーやナイアガラなど独自の味も健在

🏞️日本の主な産地

山梨県：生産量No.1、甲州の故郷 長野県：メルロー＆シャルドネの聖地 北海道：寒冷地特有の酸とエレガンス 岩手・秋田：山ブドウ交配種の宝庫 今や47都道府県のほぼすべてでワイン造りが行われており、「ワインツーリズム」の成長も期待されています✨

✨今、日本ワインを選ぶべき理由

🇯🇵わび・さび”を体現する繊細な味わい

🍽️和食との相性は世界随一

🌏国際的にも評価が上昇中

👩‍🌾造り手の想いがダイレクトに伝わる丁寧な造り

🧳国内ワイナリーツアーが新しい贅沢体験に

📌まとめ：この先、日本ワインが“静かな世界の主役”になる

「ワイン＝フランス・イタリア」だけではありません。

技術、土地、誠実さ、そして“日本らしさ”が詰まった日本ワインは、まさに知る人ぞ知る一杯。

これからは“侘び寂びワイン”で、心まで満たすグラスを。