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グラスの持ち方|ステムとボウルどちらが正解?

グラスの持ち方|ステムとボウルどちらが正解?

グラスの持ち方を図解で解説。ステムとボウルの長所短所、ワインタイプ別の適温と適したグラス形状、具体的な手順や代替案、やってはいけないことまで初心者向けに整理します。

グラスの持ち方の基本

グラスの持ち方には大きく分けて「ステムを持つ」方法と「ボウルを持つ」方法があります。ステムは脚の部分、ボウルは液体が入る杯の部分を指します。まずはそれぞれのメリットとデメリットを理解しましょう。専門用語は初出時に説明を付けています。ステム=脚、ボウル=杯です。

ステムを持つ理由と利点

ステムを持つ主な利点は次の通りです。1) 手の熱がワインに伝わりにくく、適温を保ちやすい。2) グラスを傾けて色や透明度を観察しやすい。3) 指紋や汚れがボウルに付かず、見た目が美しい。特に白ワインやスパークリングワイン、ライトボディの赤ワインは温度管理が重要なので、ステムを持つのが基本です。

ボウルを持つ場合とその適用場面

ボウルを持つとグラス全体に手の温度が伝わりやすく、赤ワインの香りが開きやすい利点があります。フルボディの赤ワインを少し温めたい、あるいはグラスを安定させたい場面で有効です。ただし、温度が上がりすぎるとアルコール感が立ちやすくなるため、短時間に留めることが重要です。写真撮影など見映えを優先する場合もボウル持ちが選ばれることがあります。

ワインタイプ別の持ち方と適温・グラス選び

下表はワインタイプごとの適温の標準値と、グラス形状の推奨です。ワインタイプ別適温の標準値は次の通りです。 - フルボディ赤: 16-18℃ - ミディアムボディ赤: 14-16℃ - ライトボディ赤: 12-14℃ - フルボディ白: 10-12℃ - ライトボディ白: 8-10℃ - スパークリング: 6-8℃ - 甘口・デザートワイン: 6-8℃ これらの数値を基に、持ち方とグラスを決めます。温度が低いと渋みや苦味が強調され、温度が高いとアルコール感が立ちやすくなります。適温で飲むことで、ワイン本来の香りと味わいのバランスが最も良く感じられます。

ワインタイプ適温(℃)推奨グラス形状持ち方の目安
フルボディ赤16-18℃チューリップ型ステムまたは短時間はボウルで香りを確認
ミディアムボディ赤14-16℃チューリップ型ステムで温度を保つ
ライトボディ赤12-14℃バルーン型ステムで果実味を楽しむ
フルボディ白10-12℃チューリップ型ステムで冷たさを維持
ライトボディ白8-10℃チューリップ型ステムで冷たさを維持
スパークリング6-8℃フルート型ステムで泡を保つ
甘口・デザートワイン6-8℃チューリップ型ステムで冷たさを維持

実践手順:具体的な持ち方とチェックポイント

  • グラスを持つ前に軽く乾拭きして指紋を除く。
  • ステム持ち:親指と人差し指で脚をつまみ、中指で支える。薬指と小指は軽く添える程度に。グラスをゆっくり回して香りを確認する際は、ステムを持ったまま行う。
  • ボウル持ち:親指と人差し指でボウルの外側を軽くつかみ、手のひらで杯の底近くを包む。持ち替えて温度を上げるのは短時間に留める(目安は10〜30秒)。
  • 適温チェック:ワインサーモメーターがあれば表面温度を確認。それがなければ、グラスを指先で軽く触れて「ひんやり感」を基準にする。
  • 飲みながら温度が下がったらステムを持ち直し、必要ならワインクーラーに戻す。

代替案:専門器具がない場合の対処法

  • ステムが短いグラスやステムレスの場合は、ボウルの底近く(厚みのある部分)をつまみ、手のひらで底を支えて直に液面を触れないようにする。
  • 適温に近づける簡易法:冷蔵庫で冷やしたい白ワインは飲む直前まで冷やし、赤は冷蔵庫で20〜30分冷やしてから飲む(目安:ライトボディ赤は20分、フルボディ赤は30分)。
  • 急冷の代替:氷水(氷+水)にボトルを浸けて20分程度で冷やす。冷凍庫は忘れると凍結の危険があるため注意。
  • グラスが汚れていると香りが鈍るため、紙ナプキンで優しく拭くか、やわらかい布で乾拭きする。

やってはいけないこと(失敗回避)

  • 赤ワインを室温(日本の暑い日)に長時間放置する:アルコール感が立ちやすくなる。対策は冷蔵庫で冷やすか、氷水で短時間冷却する。
  • 白ワインを冷やしすぎる:冷やしすぎると香りが閉じる。特にフルボディ白は10-12℃を目安にする。
  • グラスのボウルを強く握り続ける:温度が上がり香りが崩れるので避ける。
  • 氷を直接多量に入れて薄める:香りや味わいが薄くなるため基本的にはおすすめしない。
  • 持ち方を頻繁に変えて温度管理を乱す:ステム持ちとボウル持ちを目的を持って使い分け、無駄に持ち替えない。

補足:科学的な説明(タンニンと温度)

タンニンは渋み要素の一つで、温度やサービス方法で感じ方が変わります。温度が低いと渋みや苦味が強調されやすく、温度を少し上げることで渋みが和らぐ場合があります。タンニンと食材の相互作用は、ワインの風味と料理の風味が同調し相乗効果をもたらす、という表現が適切です。ワインの持ち方やグラス選びは、この相互作用を活かすための基本的なテクニックです。

まとめ

  • 基本はステムを持って温度を守ること。特に白ワインやスパークリングは6-12℃の範囲を維持する。
  • 用途で持ち方を使い分ける。香りを開きたいフルボディ赤は短時間ボウル持ちで調整し、その後はステムに戻す。
  • 代替案を用意する。専門器具がないときは氷水で急冷、冷蔵庫で時間管理をする。やってはいけないことを避けることでワイン本来の香りと味わいを引き出せる。

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