
2025.10.16
ワイン投資:カリフォルニアのアイコンワインが直面する難局
高級ワイン市場全体が低迷する中、カリフォルニアのトップワインも価格下落の波を受けています。この状況は、コレクターにとっては魅力的な購入機会となり得る一方で、市場の動向は複雑なシグナルを発しています。
投機的な銘柄とリスク
価格の下落は、コレクターにとってのチャンスを生み出しています。特に生産量が極めて少ない「カルトワイン」として知られるスクリーミング・イーグルなどは、「市場環境が良好な時よりも、買い手が容易に入手できる」状態になっているとLiv-exは指摘しています。
しかし、Liv-exは買い手に対し「相当な下振れリスク」があることを警告しています。
一方、より「リスク回避的」な選択肢として推奨されているのが、取引量の多い銘柄です。
「オーパス・ワンとドミナスはそのような例であり、両者とも変動性が低下している」 (Mercer, 2025)。オーパス・ワンは、ボルドー・インデックスの取引において、数量・金額ともに最も取引されているアメリカワインです。
国際市場と国内市場のギャップ
カリフォルニアワインは、世界的な高級ワイン取引においてはまだ少数派です。ボルドー・インデックスの売上全体に占めるアメリカワインの割合は、過去10年間で平均わずか3%に留まっています。
「アメリカは高級ワイン界において不可解な位置を占めている。高い評価と高価格の評判にもかかわらず、この地域は国際的な取引においてマイノリティの存在であり続けている」 (Mercer, 2025)。
一方で、カリフォルニアのトップワインは、アメリカ国内では依然として強い求心力を持っています。シカゴのオークションハウスでは、リッジ・ヴィンヤーズのモンテベロ 1991年が予想落札価格を上回る高値で取引されるなど、成熟したヴィンテージに対する需要は堅調です。
まとめ:不安定な市場と賢明な投資
カリフォルニアワインは世界で最もエキサイティングなワインの一部を生み出していますが、そのセカンダリー市場はまだニッチで、やや不安定です。スクリーミング・イーグルやハンドレッド・エーカーといったアイコンワインでさえ、価格が大きく下落するリスクがあります。
このような市場環境においては、オーパス・ワンやドミナスのように、一貫性があり、流通量が多く、変動リスクが低いブランドに焦点を当てることが、賢明なコレクターにとっての戦略となりそうです。
参考文献
- Mercer, C., 2025. Wine investment: Tough trading for California’s blue-chip labels. [online] Decanter. Available at: https://www.decanter.com/wine-news/wine-investment-tough-trading-for-californias-blue-chip-labels-531090/ [Accessed 13 October 2025].
変動リスクが低い!?おすすめナパワイン
オーパス・ワンのバックヴィンテージ、そしてマグナムボトル!まだまだ寝かせられそうです。

オーパス・ワン 1500ml 2009
¥220,000 (税込)
赤 - 辛口カベルネ・ソーヴィニヨン81%、カベルネ・フラン9%、プティ・ヴェルド6%、メルロー3%、マルベック1%
アメリカ/カリフォルニア州 /ノース・コースト /ナパ
LVMHというバックボーンによる世界的な安定性とラグジュアリー性が価格変動リスクを抑えると予測

コルギン・セラーズ / ナンバー・ナイン エステート ナパ・ヴァレー 2017
¥121,000 (税込)
赤 - 辛口カベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー20%、カベルネ・フラン10%、プティ・ヴェルド5%
アメリカ/カリフォルニア州 /ノース・コースト /ナパ