EyeCatch

2025.05.22

産地情報ヴィンテージ情報

ボルドーの現在地──価格設定の岐路とワイン愛好家の視点

ワイン投資において不動の地位を築いてきたボルドーが、いま大きな転換点に立たされています。2024年ヴィンテージのプリムール(En Primeur)キャンペーンが始まるこの時期に、価格戦略と市場の停滞感が注目を集めています。 ボルドーのトップシャトーのいくつかは、リリース時の価格がその後の市場で思うように伸びておらず、過去数年のトレンドが冷え込んだ市場を映し出しています。たとえば、コロナ禍で比較的低価格でリリースされた2019年ヴィンテージでさえ、今では「並のパフォーマンス」と評されています。 一方で、2015年や2016年のワインには光明も。レ・カルム・オー=ブリオン2015年は、リリース時から価格が2倍以上に跳ね上がり、市場でも高評価を維持しています。しかし、全体としてのボルドー市場は長らく冴えないパフォーマンスが続いています。

エレガンスは価格とともに──2024年の戦略次第で市場回復も

Liv-exのデータによれば、ボルドー500指数は過去5年で4.2%の下落。一方、他の産地を含むLiv-ex 1000指数は5.5%の上昇を記録しており、ボルドーの相対的な苦境が明らかです。

こうした状況にあって、2024年のプリムール・キャンペーンの成功は「適切な価格設定」にかかっています。リリース価格が既存ヴィンテージの市場価格よりも十分に安ければ、コレクターたちにとって“見逃せない”買い場となり、ボルドー市場の再活性化にもつながるでしょう。

とはいえ、これは単純なディスカウント合戦ではなく、シャトーごとの文脈を理解した上での調整が求められます。たとえば、シャトー・ラフルールの2019~2023年の5ヴィンテージは平均で62%の価格上昇を記録しており、例外的な成功例も存在します。

光を放つ熟成ワイン、そしてブルゴーニュの熱気

ワインの需要そのものは失われていません。たとえば、2024年3月にリリースされたシャトー・ラトゥール2016は、デビュー直後に完売。バイヤーからの熱い反応に、かつての“良き時代”を想起させる出来事となりました。

一方で、2025年3月に開催されたニュイ・サン・ジョルジュ慈善オークションでは、ブルゴーニュの少収量を背景に平均価格が前年比41.5%も上昇し、熱気は衰えていません。特に熟成ブルゴーニュや、由緒あるワインに対する投資熱は今なお健在です。

サザビーズの年次レポートでも、カリフォルニアやスペイン、ローヌなど、新興地域への関心が高まりつつある一方で、ロマネ・コンティなど王道の生産者は依然として最高落札額を維持しています。

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シャトー・ラトゥール 375ml

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R13深みのある大人系赤ワイン
長熟
一度は飲みたい有名銘柄

赤 - 辛口カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド

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フランス/ボルドー地方 /メドック /ポイヤック

熟成こそ至高──真のワイン愛好家へのメッセージ

熟成ボルドーの魅力は、今も揺るぎません。特に2005年や2008年といった“飲み頃”を迎えたヴィンテージは、オークション市場でも引き合いが強く、二次市場における確かな存在感を放っています。

今後のプリムール価格次第では、2024年ヴィンテージが新たな“買い時”として注目を浴び、時間をかけて熟成の魅力を味わうという、真のワイン愛好家にとっての至福が約束されるかもしれません。

ワイン投資家にとってのボルドーは、まさに「再発見」のフェーズを迎えているのです。🍷💼✨