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2025.04.07

ニュース

🍷関税戦争、再燃!トランプ大統領が新関税発表──EUワイン業界は「アメリカの消費者も犠牲に

2025年4月2日、トランプ米大統領がホワイトハウスで発表した「報復関税政策」は、EUワインを含む多くの輸入品に波及する可能性が高まり、ワイン業界に激震が走っています。

📣 新たな関税の概要(2025年4月2日時点)

対象国・地域 新関税率 備考 EU全体 20% ワインも含まれる見込み 南アフリカ 30% 主に農産品など対象 他国 最低10% グローバル関税政策の一環

ヨーロッパ側の反応:「関税は誰も得しない」

EUワイン業界団体CEEVの新会長マルツィア・ヴァルヴァリオーネ氏は、強く反発:

「EUワインをターゲットにすることは、アトランティックの両岸に“敗者”を生むだけ。」

「雇用の喪失、投資の先送り、価格上昇を招くだけだ。」

また、フランスワイン・スピリッツ輸出連盟(FEVS)によると、20%の関税が課されれば、フランスワインの対米輸出は最大8億ユーロ、EU全体では16億ユーロの損失になる可能性も。

📉 2024年のEUワイン対米輸出総額:48.8億ユーロ(EU全体の28%)

👉 アメリカ市場を失えば、**「代替となる市場は存在しない」**とCEEVは警告。

アメリカ国内の影響:ワイン価格上昇が現実に?

米国のワイン業界も反対の姿勢を強めています。

📣 Wine & Spirits Wholesalers of America(全米酒類卸売業協会):

「200%関税が実施されれば、価格は急上昇し、消費者が最も痛手を受ける。」

📣 US Wine Trade Alliance(USWTA):

「すでにEUワインの輸入を一時停止した輸入業者も存在。週あたり1億ユーロ規模の損失が発生している。」

「政府関係者と引き続き連携し、回避策を模索中。」

カナダも参戦?米ワインへの“報復排除”

米国ワイン協会(Wine Institute)によると、カナダはすでにアメリカ産ワインを店頭から撤去し、販売をブロックしているとのこと。これはトランプ政権による関税に対する報復措置

📉 カナダは米国ワイン輸出の35%を占める最大市場(11億ドル相当)

会長ロバート・P・コッチ氏:

「今回の新関税は、米ワインの“カナダ市場復帰”をより難しくする。」

🧮 ホワイトハウスの主張:「関税は経済成長に寄与する」

トランプ政権は関税政策についてこう主張しています:

「世界的に10%の関税を課せば、経済は7,280億ドル成長し、280万人の雇用が生まれ、実質家計所得が5.7%増加する」

しかし、ワイン業界はこの“数字の魔法”に警戒感を強めています。

💬 編集後記:ワインは外交ツールではない

CEEVのサンチェス・レカルテ事務局長の言葉がすべてを物語っています:

「ワインは“報復合戦の道具”ではない。米EU間のワイン関税はほぼ対等であり、報復の正当性はない。」

ワインは、人と人をつなぐ存在。政治や貿易戦争に巻き込むにはあまりにも“繊細すぎる”文化資産です。

⏳ 今後の焦点

4月中旬:EUの最終判断と報復リストの発動可否

米国による200%関税の実行可否

トランプ政権 vs 議会・業界団体のせめぎ合い

カナダ市場の今後の動き

🍷最後に…

シャンパーニュもバローロも、ワインは平和の象徴であってほしい。

経済成長の数字と引き換えに、私たちが大切にしてきた“グラスの中の世界”が損なわれることのないよう、今こそ理性的な対話と国際協調が求められています。💬🍇✨