
2025.09.18
【速報】フランスワイン2025年ヴィンテージ収穫開始~当たり年か?
2025年、フランスではブドウの収穫が始まりました。今年の収穫は例年より厳しいものになると予想されていますが、地域によっては素晴らしい結果が出ており、ブドウの品質には多くの生産者が期待を寄せています。
予測を下回る収穫量
フランス農業省の発表によると、2025年のワイン生産量は約3,740万ヘクトリットルとなる見込みです。これは、8月に複数の地域、特に南部のラングドック=ルシヨンと北東部のアルザスで発生した高温と干ばつにより、従来の予測値である4,000万~4,250万ヘクトリットルを下回る結果に。
地域ごとの明暗
全国的に見れば厳しい状況ですが、地域ごとに見ると明暗が分かれています。
- ブルゴーニュ:昨年の不作から一転、収穫量が45%も増加する見込みです。
- ジュラ:昨年の霜害から見事に回復し、生産量は200%も急増しました。
- ロワール:局地的な雹や干ばつがあったものの、生産量は26%増となりました。
- アルザス:収穫量は11%減の見通し。
- ラングドック・ルーション:収穫量は5%減の見込み。
品質への高い期待
収穫量が減る一方で、ブドウの品質には高い期待が寄せられています。
多くの地域で、例年よりも早めに収穫が開始されました。ボルドーのシャトー・トロロン・モンドでは観測史上最も早い時期に収穫が始まり、関係者は2022年ヴィンテージに匹敵するほどの素晴らしい品質を期待しています。ローヌやシャンパーニュでも収穫が早まり、ブドウ畑の状態が良いことから、高品質なワインができると見られています。
ブドウ畑の「変化」
近年の収穫量の減少には、気候変動への対応としてブドウ畑を引き抜く動きも影響しています。特にボルドーやラングドック・ルーションでは、合わせて2万ヘクタール以上の畑が引き抜かれました。これは、需要の調整や、より気候変動に強い品種への転換を目指す動きです。
まとめ
2025年のフランスのワイン生産は、気候変動の影響を強く受けた、複雑な状況となりました。しかし、この厳しい状況の中でも、生産者たちはブドウの品質を追求し、地域によっては素晴らしい成果を出しています。
参考文献
Mercer, C., 2025. French wine harvest forecast for 2025 shows challenges, yet Burgundy and Jura thrive. [online] Decanter. Available at: https://www.decanter.com/wine-news/french-wine-harvest-forecast-for-2025-shows-challenges-yet-burgundy-and-jura-thrive-529688/ [Accessed 18 September 2025].